ここ数年でスマホのカメラ性能は飛躍的に進化し、より綺麗で鮮明な動画が撮影出来る様になりましたね。しかし、ハンディカムのようにしっかりとした持ち手がないスマホの場合、撮影する際に手ブレをしてしまい、せっかくの高性能カメラでも映像がブレて残念な結果になってしまうことも。
そんな時に便利なのが3軸手持ちジンバルというアイテム。スタビライザーという言い方もしますが、自撮り棒のようにスマホを固定して、さらにブレを電子制御で補正することで、ハイクオリティな動画撮影を可能にしてくれる製品です。
そこで今回は、おすすめの主要な手持ちジンバル5製品の紹介。ジンバルの機能解説と併せて、各製品の特徴などを比較紹介していきたいと思います。
GoProのようなアクションカメラや一眼カメラで使えるジンバル(スタビライザー)についてはこちらにまとめています。
カメラを取り付ける必要がなく、直接滑らかな映像が撮影できるジンバル付きカメラの比較はこちらをどうぞ。
3軸手持ちジンバル(スタビライザー)とは
3軸手持ちジンバルとは、その名前の通り3軸でブレを補正するジンバルを搭載し、さらに手持ち撮影ができるようにスマホを固定できるグリップがついたアイテムのこと。ここで重要なのがジンバルの存在ですね。
ドローンのカメラなどにも搭載されていることで有名なジンバルですが、これはセンサーで傾きを感知して補正する電子制御スタビライザーの事をさします。特定の軸を中心として物体を回転させる回転台の役割をジンバルが果たすことで、そこに載せられたものの向きを常に一定に保つことができるというわけですね。これをスマホを固定するグリップと組み合わせることで、セットしたスマホが常に一定の向きとなるよう手ブレを防止し、プロのカメラマンが撮ったような滑らかな動画撮影を実現しています。
従来のスマホ用ジンバルといえば2軸、つまり垂直・上下と回転の2つの軸で支えることで、縦に対するブレを軽減している製品が多く、横のブレには対応できていませんでした。しかし最近では、垂直・上下と回転に加えて水平・左右の3つの軸でスマホを支える、3軸手持ちジンバルが主流になっています。2軸よりも安定度や制御の精度の面では当然3軸が優れており、これにより走りながら撮影したり、激しい揺れのあるアクティビティの最中にも手ブレを防止した動画を撮影する事が可能になっていますね。
DJI Osmo Mobile 2
世界最大手のドローンメーカーとして非常に有名なDJIですが、ドローン開発で培われた技術を応用して作られたのが、このOsmo Mobile 2。Osmoシリーズはもともとジンバル付きのカメラがリリースされていましたが、そのカメラの代わりにスマホを固定できるようにしたのがOsmo Mobileですね。このOsmo Mobile 2は2代目の製品となり、初代以上に高機能/高性能でありながら、大幅に価格を抑えたモデルとなっています。
その最大の特徴はやはりジンバル性能の高さ。これはドローンメーカーとして圧倒的なシェアと技術を誇るDJI製ということで、かなり安定した手ぶれ補正性能を実現しています。実際にiPhone Xとの組み合わせで撮影されたサンプル動画などを見ても、プロ顔負けの滑らかな映像に仕上がっていますね。
スマホに専用のアプリをインストールすれば、グリップ部分のボタンと連動する様々な機能が使用でる点も魅力ですね。これまではスマホの画面を触って、設定を呼び出して切り替えるという作業が必要でしたが、DJI Osmo Mobile 2ではその煩わしさから解放されます。ズームイン/アウトなども手元のボタンで制御できるため、動画撮影の幅がグッと広がりますね。
ジンバル以外にも多彩な機能を持っていることもこの製品の特徴のひとつ。被写体追尾やモーションタイムラプス、自動でのパノラマ撮影など、様々な動画がハイクオリティに撮影できるようになっています。特に時間の流れを自在に操作できるハイパーラプスモードで撮影した映像は、素人が撮影したとは思えないほど滑らかでカッコいい映像となるため必見ですね。
iPhoneとAndroidスマホの両方に対応し、取り着け幅は58.6mm~85mmまで可能。内箱として専用ケースが付いており、充電用ケーブルも一緒にしまう事が出来ます。重さも本体と合わせて662グラムとそこまで重く無いため、旅行鞄に入れて持って行っても邪魔にはなりませんね。2時間の充電で最大15時間駆動し、さらに取り付けているスマホの充電もできるのは非常に便利です。
高いジンバル性能に撮影機能の豊富さ、高性能で多機能でありながら価格も1万円代半ばと非常にリーズナブルなため、スマホ用ジンバル選びに迷ったらこれを選べば間違いない、という製品になっています。
Zhiyun Smooth 4
Zhiyun Smooth 4はシンプルなデザインながら、確かな性能を持ったスマホ用手持ちジンバル。専用アプリをインストールすることで、手元のボタンでカメラ操作やモード切替などが可能になります。
最大の特徴は本体左部にあるハンドホイールの存在ですね。これはズームやフォーカスを制御するためのホイールとなり、手元でズーム操作やフォーカスリング操作が可能になります。これが非常に撮影の幅を広げてくれることになり、例えばズームはハンドホイールによって手動で意識的にズーム速度を操作できるため、映画などで使われる「ドリー・ズーム(移動しながらのズーム)」という技法がスマホでも再現できてしまいます。これはズーム速度が一定になる他のジンバルでは難しい部分と言えますね。
グリップ部分のフォローフォーカスボタンを押すと、ハンドホイールはフォーカス操作機能に変化。手元の操作で自由自在にフォーカスを操ることができるようになります。従来のジンバルでは撮影中にスマホ本体を触ってフォーカスを変更する必要があったため、ブレが発生する可能性が高かったですが、この機能があればその心配もいりませんね。手元でのフォーカス操作はかなり撮影の幅を広げることができると思います。
また、グリップの背面にあるボタンを押すと、ジンバルを向けた方向にスマホが自動で向くという機能も便利ですね。他にも被写体自動追従機能やタイムラプス撮影、パノラマなど搭載されている機能はかなり多彩。付属品として三脚があるためタイムラプス撮影がしやすいのも特徴ですね。
スマホの取り着け可能幅は62mm~85mm、3時間の充電で最大12時間駆動します。同価格帯の製品と比べても多機能のため、初めてジンバルを購入する人から、スマホで本格的な映像を撮りたい人までオススメできる製品となっています。
Feiyu Tech(フェイユーテック) Vimbel2
軽量かつコンパクト、シンプルデザインで簡単操作を可能にしたFeiyu TechのVimbel2。この製品の特徴は、最大で18cmも伸ばすことができる延長ロッドが内蔵されていることですね。まさに自撮り棒にジンバルを搭載したような製品で、活用の幅が広い手持ちジンバルです。
操作も簡単で、専用アプリを起動していれば撮影は手元のボタンを押すだけ。電源やモードの切り替えにも対応します。専用アプリ以外にもインスタグラムと連動しているため、撮った動画をすぐにアップして皆でシェアする事もできますね。
本体とスマホを繋げば、給電しながらの撮影にも対応。Vimbel2本体側もマイクロUSBポートを内蔵し、モバイルバッテリーなどから充電することもできるため、絶好のシャッターチャンスを撮り逃すという心配がありません。付属品として専用のポータブルバックと三脚が付いてくるため、旅行先で持ち歩くのにも便利ですね。
スマホの取り着け幅は57mm~84mmで、使用環境によって5時間~10時間の駆動が可能。自撮り棒代わりになり、カジュアル使いに最適な製品ですね。複数人の友人や家族との思い出をより綺麗で鮮明、滑らかな映像で残したい人にもオススメの製品となっています。
MOZA Mini-MI
MOZAの最新手持ちジンバルMini-MIは、2018年8月に発売されたばかりの新製品。その最大の特徴は、スマホ用ジンバルとしては世界で初めて、ワイヤレス充電に対応していることです。本体ホルダー部分に磁石コイルを内蔵。スタビライザーがONの状態で電源ボタンを素早く2回クリックすれば、5Wのワイヤレス充電モードを使うことができます。最新のiPhoneシリーズやGalaxyシリーズなど、対応機種であれば撮影中も無線で充電ができて非常に便利ですね。
専用アプリをインストールすれば、マニュアル撮影モード以外にも、タイムラプスやライブストリーミング、動きの速い被写体に追従できるスポーツギアモードなど、便利な撮影機能が盛りだくさん。被写体検出は人工知能認識技術により対象が走っているのか、サイクリングしているのか、ジャンプしているのかなどを自動で判断して、最適な追跡をするという優れものです。またジンバルの扱いに不慣れな人でも、映画のプロのような撮影を可能とするフォローモードも搭載。8つのフォローモードによって初心者から上級者まで、自在なカメラワークを実現することができるようになっています。
スマホ用とはなっていますが、グリップ部分には一般的なカメラアクセサリと同じサイズのネジ穴が4つあり、市販のカメラアクセサリと組み合わせて撮影する事も可能。スマホの横幅は61mm~92mmまで対応し、ジンバル本体は3.5時間の充電で最大10時間駆動(モバイルバッテリーによる充電にも対応)します。多種多様な撮影モードが用意されており、様々な映像を撮影/演出してみたい人にもオススメの製品となっています。
Snoppa M1
Snoppaのコンパクトなスマホ用3軸ジンバルであるM1は、携帯性に優れたモデル。最大の特徴は他のジンバルとは違い折り畳むことができる点ですね。その大きさはなんとポケットにも入れられるサイズ。旅行やレジャーなどはなるべく持ち物を減らしたいものですが、そんな時に活躍する製品です。
専用アプリとBluetooth接続をすれば、通常撮影とは別に、全方向フォローアップモードやバントラックモードなどで撮影可能。写真撮影や動画撮影の知識や技術が無くてもプロが撮った様な映像に仕上げることができますね。トラッキング撮影では、設定した対象物を自動追尾するため、動体撮影や自分を設定して自撮りをしたりということもできます。
他の製品には無い折り畳み構造を搭載し、旅行やアウトドアなどに持ち運びやすいこの製品。シンプルなデザインで、2017年のグッドデザイン賞を受賞するなど、デザイン面での評価も非常に高いです。荷物はなるべくコンパクトにまとめたいという人にもオススメのモデルとなっています。
まとめ
最近はSNSなどで静止画だけではなく、動画をアップすることも多くなっていますよね。動画の配信などもどんどん身近になってきていますし、動画を撮影する機会も増えています。それに伴って、アップされる動画もどんどんクオリティが上がっていますよね。
少し前はカメラも機材も非常に高価でしたが、今はスマホと手持ちジンバル(スタビライザー)があれば、かなりハイクオリティな動画が撮影できる時代。旅行や普段の遊び、アウトドアなど、利用用途もかなり豊富なスマホ用ジンバルを使って、ぜひブレのない滑らかでクオリティの高い動画を撮影してみてはいかがでしょうか。
GoProのようなアクションカメラや一眼カメラ、360°カメラで使えるジンバル(スタビライザー)についてはこちらにまとめていますので、よければ合わせてどうぞ。
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