カメラに装着するだけで動画のクオリティを格段に上げてくれるスタビライザー。3軸ジンバルなどを搭載してカメラのブレや手ブレを防ぎ、プロさながらの滑らかな映像撮影を可能にするが便利なグッズです。
そこで今回は、そんなスタビライザーの中から各種カメラに対応する製品を厳選。アクションカメラのGoProや、360°カメラ、デジカメ、ミラーレス/デジタル一眼など、対応カメラ別におすすめのモデルを紹介していきたいと思います。
iPhoneやスマホで使える手持ちジンバルについてはこちらにまとめています。
カメラを取り付ける必要がなく、直接滑らかな映像が撮影できるジンバル付きカメラの比較はこちらをどうぞ。
スタビライザーを選ぶポイント
スタビライザーは撮影時にカメラを固定し、より安定した映像の撮影を可能にする補助機材のこと。ジンバルと呼ばれるブレを抑制するための機構(回転台)が搭載されている製品が多く、これにより滑らかでスムーズな動画を撮影することができます。動く被写体を追うような移動撮影でも、大きな効果を得ることができますね。(製品名をスタビライザーではなくジンバルと表現するメーカーもあります)
スタビライザーは様々な製品が販売されていますが、やはり重要なのはジンバルの性能。最近は3軸ジンバルといって、電動の小型モーターによってパン(水平・左右)、ティルト(垂直・
また対応するカメラの形状や重量も、スタビライザー選びでは大事なポイント。スタビライザーに対してカメラが重すぎたり軽すぎる場合には、うまく支えることができなかったり、ジンバルが作動せずブレの抑制ができないという可能性もあります。必ず手持ちのカメラが対応機種に含まれているかどうか確認するようにしましょう。
アクションカメラ対応のスタビライザー
Feiyu Tech(フェイユーテック) G6
アクションカメラ用ジンバルのパイオニアとも呼ばれるFeiyu Tech(フェイユーテック)。様々なカメラ用ジンバルをリリースしており、今注目されているメーカーですね。そんなFeiyuのアクションカメラ対応ジンバルの最新モデルがこのG6。非常に人気の高かったG5の後継機種となります。
GoPro Hero6、5、4、SONY RX-0など、様々なアクションカメラに対応。これらの機種とはWiFi接続が可能で、G6本体からカメラを操作できるようになっています。また、専用アプリからジンバル本体を遠隔操作する事も可能。ジンバルと三脚を繋げて置いて、離れた場所からカメラの角度を微調整するといった使い方も出来ますね。上記機種以外にも、これらに準ずる大きさのアクションカメラも使用することができます。
ハンドル部分には操作用のボタン以外に、スクリーンを搭載。スクリーンにはバッテリー残量やジンバルのモード、カメラのモードが分かりやすく表示され、撮影中でも手元を見れば一目で確認ができます。撮影時にカメラと一体になって使える点は非常に便利ですね。
アクションカメラ対応モデルだけあって、防水機能も完備。野外での撮影にも対応します。バッテリーにより12時間駆動が可能なため、外での半日がかりでの撮影も可能ですね。アクションカメラと組み合わせて、ブレを押さえたアクティブかつハイクオリティな動画が撮影できる製品となっています。
ちなみに国内ではまだ販売されていませんが、スマホやアクションカメラ、ミラーレス一眼にも対応したG6 Plusという製品も存在します。
Karma Grip
Karma Gripとは言わずと知れたアクションカメラの代表格、GoProの純正スタビライザー。これまでもGoProに対応したスタビライザーはサードパーティーから発売されていましたが、純正品はこれが初めて。多くのファンが待ち望んでいた製品になります。
現在はver2.0にバージョンアップし、GoPro Hero6、5、また別売りのハーネスを装着すれば4にも対応。Karma Grip自体が、もともとGoProが開発したドローン「Karma」に搭載されている高性能ジンバル部分を切り離して作られた製品ということで、そのブレ抑制性能も非常に優秀。スムーズで安定したハイクオリティな動画の撮影が可能です。
純正品ということで、GoPro本体とのシームレスな連携も魅力のひとつですね。カメラ本体を装着していればそのままグリップと同時に充電ができたり、グリップにケーブルを差し込むとそのままカメラ内部のデータが読み込めます。
Karma GripをGoProマウントに対応させるためのマウンティングリングも付属しています。様々な撮影に対応するための豊富なマウントが用意されているのもGoProの魅力のひとつであり、それにこの高性能ジンバル付きで取り付けできるというのは、非常に素晴らしいですね。映像のブレを気にせず、よりアクティブにGoProでの撮影を楽しむためにも、GoProユーザーはぜひ押さえておきたい商品となっています。
デジタル一眼など複数機種対応のスタビライザー
Feiyu Tech(フェイユーテック) a1000
アクションカメラ用スタビライザーでも紹介したFeiyu Techですが、デジタル一眼など様々なカメラに対応したマルチ利用ができるスタビライザーもリリースしており、それがこのa1000。驚くべきはその対応機種の多さで、iPhone/スマホにGoProのようなアクションカメラやコンデジから、CanonやNikon、SONYのデジタル一眼まで含まれます。150g〜1700gまでの重量のカメラに対応ということで、ほとんどのカメラで使えそうですね。
性能面では高性能な3軸ジンバルを搭載し、しっかりとブレを抑えてくれます。グリップには操作ボタンを搭載。撮影時にも手元で簡単に操作ができますね。専用のアプリを使えば遠隔での操作にも対応し、便利に使うことができます。
シャッターケーブル(レリーズ)を使えば、カメラ本体の操作も可能になる点も嬉しいポイントのひとつ。これによりハンドル側でフォーカスを合わせたりシャッターを切ることができるようになるため、撮影時にはかなり役立ちます。(SONY用のケーブルのみ付属/他社用は別売り)
またグリップ部分を取り替えて両手持ちにすることもできるため、利用シーンに合わせて幅広い撮影が楽しめますね。もともと両手持ちグリップが付属したa2000という製品もありますし、別でグリップ部分のみを購入することもできます。
バッテリーの持続時間も12時間と長く、マルチに活躍するスタビライザーとなっています。
PULUZ 3軸 スタビライザー
PULUZのこちらの製品はアクションカメラだけでなく、スマホやビデオカメラ、デジタルカメラ、一眼レフにも対応しているスタビライザー。最大で3㎏までのカメラに対応するため、様々な用途に使用できます。
その最大の魅力は何と言っても価格の安さ。1万円台というスタビライザーとしては非常に安い価格で入手できます。ただし、電動制御のジンバルは非搭載。バランスウェイト(おもり)を使ったものになるため、ブレ抑制の効果はそこまで高くはありません。
本体にはカーボン素材を採用し、軽量化と耐久性を両立。総重量を1134g(重りを含む)に抑えており、撮影時の負担を軽減します。また重りを装着した状態でもコンパクトに折り畳むことができ、移動時の持ち運びの際も便利ですね。手持ち用のハンドルグリップは角度を自由に調整できるため、腕への負担を抑え、カメラを下にして低視点での撮影などにも対応しています。
おもりを使ったスタビライザーのためバランスの取り方にはやや慣れが必要。ただ慣れれば非常に滑らかな動画が撮影できます。価格も抑えられており、安くスタビライザーの効果を試してみたい人や、スタビライザーの入門として最適な製品です。
ミラーレス一眼対応のスタビライザー
MOZA AirCross
中国Gudsen Technologyが開発しているMOZAシリーズは、Feiyuと同じく様々なジンバルをリリースしているブランド。そんなMOZAから発売されているこのAirCrossは、ミラーレス一眼カメラに対応し、360°無制限に回転するコンパクトなジンバルです。
高性能ブラシレスモーターを採用し、3軸全てで360度の無限回転が可能に。可動領域に制限されることなく、自由でダイナミックな撮影を実現しています。対応しているカメラの重量は0.3kg~最大1.8kgということで、一般的なミラーレス一眼カメラのほとんどで使うことができますね。
専用アプリにはカメラの重量から、最適なバランスへと自動調整するシステムを搭載。スタビライザーを初めて使うという人でも、簡単に最適なバランスに設定する事ができて便利です。もちろんアプリによるリモートでの操作にも対応し、ジンバルやフォロー制御に加え、高精度なモーションタイムラプス撮影も可能になっています。
航空機にも採用される軽量で剛性の高いアルミニウム合金フレームを採用しているため、大切な撮影機材もしっかりと支えることができて安心。内蔵のバッテリーにより最大12時間の連続駆動も可能なため、アウトドアやイベント、ロケなど、野外での長時間撮影を含めた様々な撮影シーンで活躍してくれるスタビライザーとなっています。
より大型なデジタル一眼にも対応したMOZA Airという製品もリリースされています。
360°カメラ対応のスタビライザー
MOZA Mini 360 (Guru 360)
こちらも上で紹介した製品と同じく、MOZAによる360°カメラ対応のスタビライザー。360°動画は揺れに弱く、少しでも揺れてしまうとまともな動画にはなりません。かといって固定したまま360°映像を撮影しても、味気なく面白味の少ない動画になってしまいます。このMOZA Mini 360はそんな難しい360°のパノラマ映像を、誰でも簡単に撮影できるようにした製品です。
RICOH THETAシリーズやNikon keymission 360など、コンパクトな360°カメラなら、ほぼすべてに対応。またこの製品のハンドルとジンバルセットは、他のMOZA miniシリーズとの互換性があるため、MOZAミニスタビライザーを装着したスマホやアクションカメラにも対応します。他のMOZAシリーズを持っていることが前提にはなりますが、iPhoneでのパノラマ撮影や、GoProでのアクティブな撮影にも使えるのは活用の幅が広がりますね。
最初のバランス設定が難しいと言われている電動式スタビライザーですが、ほとんどの場合で調整も不要なため、スタビライザーの上に360°カメラを装着するだけですぐに撮影を始めることが可能。もちろん、より厳密な調整も可能となっており、その調整作業自体も非常に簡単なものになっています。
大容量のバッテリーを搭載し、8時間の連続稼働が可能。超パノラマ映像を撮影したり、アクティビティやイベントの記録、VRコンテンツの作成など、そのままでも様々な使い方ができる360°カメラですが、この製品と組み合わせることで、よりその活用の幅が広がりそうですね。
カメラ搭載タイプのスタビライザー
DJI OSMO+
ドローンのメーカーとして非常に有名なDJIからリリースされているのは、カメラ付きという珍しいスタビライザー。このOSMO+は、高精度ジンバルと小型4Kアクションカメラが一体となった製品です。
カメラとスタビライザーが一体となっていることで、煩わしいセッティングや準備が不要で、簡単に使うことができます。搭載されているジンバルも、長年ドローン開発を手がけるDJIだけあって、かなり高精度。一体型のカメラと合わせて完璧にブレを抑制し、スムーズで安定した映像が撮影できます。
カメラの性能も高く、光学3.5倍ズームとデジタルロスレス2倍ズームの組み合わせによる7倍ズームを搭載。もちろん手ブレが発生しやすい高倍率ズームの状態でも、驚くほど滑らかな撮影が可能です。モーションタイムラプスや長時間露光、オートマティックパノラマ撮影など、多彩な撮影モードを搭載し、様々なシーンで活躍しますね。
専用アプリを使ってスマホからの遠隔操作にも対応。もちろん操作だけでなく、撮影している画像もアプリから表示・確認ができ、この辺りもドローンの実績があるDJIならではと言える部分でしょうか。手元でモニター代わりのスマホを見ながら、カメラを遠くに離したりアングルをつけたりといった撮影も可能で、自由度の高さも魅力のひとつですね。別売りのオプションパーツを使えば、ハンドル部分にスマホを装着することも可能です。
ジンバルとカメラが一体化している事で持ち運びもコンパクトとなり、シームレスな連携や撮影自由度がかなり広がるこの製品。使い勝手の良さを重視する人や、カメラを別で用意するのが面倒という人にもオススメの製品となっています。
まとめ
最近はSNSなどでも動画を見る・シェアするという機会が増え、以前よりもかなり動画撮影が身近な存在になりましたね。アクションカメラや360°カメラといった、比較的新しいデバイスの登場もあり、これから目にする動画もどんどんハイクオリティで面白いものが増えていきそうです。
スタビライザーは、SNSでのシェア目的以外にも、家族や友人、恋人との思い出をなるべく綺麗に残したり、ちょっとした仕事の撮影などにも使える便利グッズです。動画をよく撮る/これから撮りたいという人は、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。
iPhoneやスマホ用の手持ちジンバルについてはこちらにまとめています。
ジンバル付きカメラの比較はこちらをどうぞ。
アクションカメラや360°カメラについてもおすすめ機種を紹介していますので、よろしければ合わせてどうぞ。
コメント