日々の生活の中での自分のにおいや体臭というのは気になるものですよね。それが大事な仕事の商談や気になる人とのデートなどであればなおさらです。しかし自分のにおいや体臭というものは、意外と自分自身ではわからないもの。スメハラという言葉もあるように、自分では気がつかないうちに、職場や公共の場などで、においで誰かに迷惑をかけているかもしれません。
そんな時に役立つのが、今回紹介するにおいチェッカー/体臭チェッカーという最新グッズ。これを使えば自分の体のにおいを、手軽に、そして客観的な数値で計測することができます。体臭改善や予防、ケアをするには、まず自分のにおいを知ることが大事ですので、この「客観的な数値」というのが非常に重要なポイントですね。
今回はそんなにおいチェッカー/体臭チェッカーの2つの主要モデル、タニタの「においチェッカー」と、コニカミノルタの「Kunkun body」を、性能や機能、使用方法などを含めて比較紹介していきたいと思います。
タニタ においチェッカー ES-100
においチェッカー ES-100について
タニタといえば、体重計や血圧など、ユーザーの健康管理に役立つ計測器を世に出している、大手ヘルスケア機器メーカーとして有名ですよね。社員食堂の健康的なメニューを忠実に再現した「タニタ食堂」も、非常に人気を博しています。
そんなタニタより2018年7月1日に発売されたばかりの新製品が、「においチェッカー ES-100」。近年高まっている、体臭や加齢臭などの「におい」への意識・関心を背景に開発された商品になります。
においが周囲に迷惑をおよぼす「スメルハラスメント」という言葉も一般に浸透し、最近では体臭をはじめとする「におい」のケアは、髪やひげ、服装のように、身だしなみの一つとして認識されるようなっていますね。なんと「においケア」に関してセミナーを実施する企業も増えているようで、においも大切なビジネスマナーのひとつとして扱われるようになっています。それを証明するように、制汗剤や消臭剤といったデオドラント市場も年々拡大しているようですね。
そこで「においチェッカー ES-100」では、自分自身では気づきにくく、マネジメントしにくい「体のにおいの強さ」を、レベル表示で「見える化」。日々の「においケア」をサポートし、においを気にする人に欠かせない必需品になりそうな製品です。
においチェッカー ES-100の使い方と機能詳細
「においチェッカー ES-100」が検出するにおいのレベルは、0-10までの全部で11段階。気になる部分にセンサーを近づけてボタンを押せば、たった10秒で診断結果を表示してくれます。においの強さとしては0〜3まではほぼ無臭、4〜6で人がにおいを感じるレベル、そして7〜10で非常に強いにおいを放ち相手にも感じ取れてしまうレベルと定義されていますね。
においに対する感度は人それぞれですが、気になる人は5でも不快に感じてしまうため、レベルが5を越えたあたりがデオドラント(消臭)の目安。これを心がけるだけで、人と会った時もにおいを気にする必要がなくなります。
使用時は本体上部をスライドするだけの自動起動で、すぐに使うことができます。脇の下・首筋・頭皮・腰など、ニオイが強く発生しやすい場所の測定以外にも、衣服や持ち物といった体以外のにおいの測定にも対応。ジャケットなどが匂っていても自分のにおいのために気づかないというケースはよくあるため、この機能はありがたいですね。クリーニングに出すかどうかの判断にもなり非常に便利です。
においチェッカー ES-100のにおい検知技術
「においチェッカー ES-100」に搭載されているのは、非常に高い信頼性を誇る測定センサー。タニタはこれまでにも「ブレスチェッカー」や「アルコールチェッカー」といった、においを検出・測定できる製品を販売しており、その開発で培ってきたノウハウが投入されています。長年研究開発されてきた実績のある検知技術だけに、その性能の高さが期待できますね。
そんな検知技術のメインとなっているのは、汗に含まれる成分の推定。「加齢臭」や「疲労臭」「汗臭」に代表されるような、いわゆる「臭いにおい」の原因となる成分は数百種類あるといわれています。この製品はその中でも汗に含まれる成分を特に主要な「におい物質」として選定し、独自のアルゴリズムを用いて各におい成分を推定。その結果を「においの強さ」のレベルとして算出しているというわけですね。
またこの製品は、体臭だけでなく香水や芳香剤などの「においの強さ」にも対応。いくら良い香りでも、それが強すぎる場合は周囲の迷惑になってしまうため、これも注意が必要な「におい」の種類のひとつですね。幅広いにおいの検知が可能なため、あらゆる「におい」のマネジメントに役立つ製品となっています。
においチェッカー ES-100の価格やスペック、注意点
「においチェッカー ES-100」は単3電池2本で駆動し、サイズも幅 94mm × 高さ 52mm × 奥行 25mmと非常にコンパクト。さらに本体重量も乾電池を含まない状態で約60gと軽いため、持ち運びもしやすく、外出先などでもさっと手軽に使うことができます。例えば取引先との商談前や友人や恋人との会食前、また飲み会帰りに家族に迷惑をかけないように帰宅前などに使うこともでき、様々なシーンで活躍してくれますね。
センサーには交換可能なカートリッジ式を採用。複数人での使用や複数の部位を測定する時に使い分けたりすることもできるため、衛生的に使えますね。またセンサーは消耗品で購入後1年以上経過するか、2000回以上の測定で交換の必要がありますが、カートリッジのみでの販売もされているため、ランニングコストも抑えることができます。
価格は税込13,824円で交換用のセンサーカートリッジは5,378円。画期的な機能を考えれば、かなりリーズナブルな製品と言えそうですね。
注意点として、この製品は口臭の測定には対応していません。これは、においを測定するセンサーが、周りの空気と計測部位のニオイの差を比べて測定しているためですね。そのため口臭ケアのためのチェッカー必要な場合は、同じくタニタから発売されている「ブレスチェッカー」が、また飲酒後のアルコール成分などの検出には「アルコールチェッカー」が、それぞれおすすめです。
コニカミノルタ Kunkun body(クンクン ボディ)
Kunkun body(クンクンボディ)について
様々な分野で画期的な製品を生みだしているコニカミノルタですが、この「Kunkun body(クンクンボディ)」を発表したのは、上記のES-100よりもかなり早く2016年12月のこと。これは世界初のニオイを見える化した製品となり、その後2017年にはクラウドファウンディングサイト「Makuake」での先行販売を開始。たった5日間で目標金額の10倍近い金額を集め、最終的にはなんと4,800万円以上というとんでもない額の支援を集めました。
そんな「Kunkun body(クンクンボディ)」が2018年1月末より、いよいよ一般販売が開始されました。その最大の特徴は今まで測る事が出来なかった大人の気になる3大体臭、「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」に対応し、わずか10数秒で総合的なニオイを数字として表示してくれることですね。これにより夏のような汗が気になる季節はもちろん、常に発生する体のにおいにも対策できるようになり、一年を通して体臭予防やケアができる製品になっています。
Kunkun body(クンクンボディ)の使い方と機能詳細
「Kunkun body(クンクンボディ)」は専用スマホアプリとの連携により、測定や各種結果の表示ができるようになります。測定可能なポイントは、頭・耳の後ろ・足・脇の4カ所。この中から測定するポイントを選び、本体を近づけて測定ボタンを押すだけで、十数秒で結果がスマホに表示されます。難しい操作は要らず、測定のコツなどがスマホに表示されるため、誰でも簡単に測定が可能ですね。
前述の通り、測定できるのは「汗臭」「ミドル脂臭」「加齢臭」の3大体臭。その結果をもとに総合的なニオイ測定値を0-100で数値化して表示しくれます。もちろん汗臭・ミドル脂臭・加齢臭の3つの各体臭についても、同世代の平均値と比較しながらそれぞれ10段階で表示。一番強いニオイがどれなのかも知ることができます。
またタニタの製品と大きく違うのは、測定された結果だけでなく、登録した年齢や結果をもとに、ニオイに対する分析や改善方法などの所感も表示されることですね。例えばミドル脂臭が強い場合には、食物繊維やオリゴ糖などを摂取する事で改善されるといった具体的な方法を教えてくれます。どんなデオドラント(消臭)方法が効果的なのかを分かりやすく解説してくれますから、体質改善の方法や自分がどこを気をつけて生活すればいいのか目安にもなりますね。
スマホアプリとの連携が必須ということで、単体利用はできませんが、代わりに各測定ポイントの詳細をわかりやすく視覚的に確認できたり、過去の履歴を見れたりと、かなり高機能になっています。体臭がどのように変化しているかも把握できるため、体質改善のサポートアイテムとしても使えそうですね。
Kunkun body(クンクンボディ)公式サイトで詳しい使い方を確認
Kunkun body(クンクンボディ)のにおい検知技術
「Kunkun body(クンクンボディ)」のにおい検知技術の核になっているのは、今流行りのニューラルネットワークです。これは人間の神経細胞(ニューロン)を真似た学習型のエンジンで、今大注目のAIやディープラーニングにも使われている、話題の技術。AppleやGoogle、Amazon、Microsoftといった巨大IT企業も、続々とこのニューラルネットワークを使ったサービス開発に取り組んでいます。人間の脳と同じような仕組みのため、複雑で高度な解析もでき、今後間違いなく技術革新をもたらす存在と言われていますね。
「Kunkun body(クンクンボディ)」はそんなニューラルネットワークの専門家でもある、大阪工業大学の大松繁教授との共同研究によって生まれました。入力される複数のガスセンサーに対して、ニューラルネットワークを組んだ機械学習によりその種類と強さを判別。人間の嗅覚と同じ仕組みを使うことにより、今まで一定の基準や定量化するための単位がなく、人によって感じ方が様々な「におい」を、検知と強度の測定を実現しています。においの感じ方は疲労性(順応性)や個人差(好き嫌い)、感性といった、人間ならではの特性を持っていますが、神経を模したニューラルネットワークを使うことで、人間と同じようににおいを検知し定量化/数値化ができるようになったということですね。
ニューラルネットワーク/機械学習のもうひとつの特徴である、学習によりどんどん性能があがっていくという点も見逃せません。現在でもさまざまなニオイ検出データを学習データとして、機械学習が進められており、今後この検出技術はさらなる進化や用途の拡大が見込まれています。
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Kunkun body(クンクンボディ)のスペックと注意点
単3電池で動くタニタの製品と違い、こちらは充電式。約500回の充電が可能で、満充電状態で約10時間の連続使用ができます。サイズは幅 53.5mm × 高さ 108.5mm × 奥行 22.5mmで重量は100gと、タニタのにおいチェッカーと比べて一回りほど大きいですね。ただ厚みも薄くスマホよりも小さいサイズなので、持ち運びに困るということはないと思います。
スマホとの接続にはBluetoothを使用。マルチペアリングには対応していないため、複数のスマホで使う場合は接続済みのスマホとのペアリングを解除する必要があります。また安定した測定結果を得るためには、電源投入後20分程度待つ必要があるということで、使いたい時に電源を入れてすぐ測定というようなことができない点は注意が必要ですね。ただ前述の通りバッテリーは10時間程度持ちますので、日中は常に電源を入れっぱなしで使うということも可能です。
本体の実売価格は30,000円程度と、値段はタニタ製品の2倍以上。しかしタニタ製品は1年でカートリッジの交換が必要であることや、「Kunkun body(クンクンボディ)」の高性能さを考えれば、決して高すぎるということはないと思います。
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比較まとめ
タニタの「においチェッカー ES-100」とコニカミノルタの「Kunkun body(クンクンボディ)」。「においの見える化/数値化」という同じ目的を持った製品ですが、そのコンセプトや用途にはかなり違いがありますね。
においチェッカーは手軽に体臭を測定できることが魅力で、においが気になる時にさっと使うことができます。一方でクンクンボディは、においのチェックだけでなく、その後の長期的な体質/体臭のチェックや改善にも使うことを想定しているようですね。
外出時や人と会う前などにシンプルに体臭チェックのツールとして使いたい人には「においチェッカー」、定期的な利用で自分のにおいを把握したり、長期的な体質改善の高性能・高機能なサポートアイテムとして使いたい人には「Kunkun body(クンクンボディ)」、という風に、用途と目的によってどちらの製品が最適か変わってきます。もし購入を検討している場合は、自分の利用目的などに応じてどちらがより最適かを選ぶようにしてくださいね。
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