スマートホーム化を進めるにあたって一番の悩みどころは、既存の装置をいかにIoT化させるかということだと思います。テレビやエアコンのように赤外線リモコンで操作できるものは、スマートリモコンを使うことで解決できますが、リモコンがないものや部屋に備えつきの機器だとそういうこともできませんよね。
そんな時に使えるのが今回レビューするSwitch Bot(スイッチボット)。どんな機器にも大抵は操作するためのボタンやスイッチが付いているもの。それを利用して近くに貼り付けてワイヤレス操作で物理的に押してしまえばいいという、アナログながらシンプルな新発想のガジェットです。そのシンプルな発想に感心して早速家に取り付けてみましたのでレビューしていきたいと思います。
Switch Bot(スイッチボット)購入のきっかけ
少し前にサイトで書きましたが自宅にAlexa搭載のHarmanKardon Allureを導入しました。これはEcho同様Alexaによる音声操作が可能なスマートスピーカーで、それ以来少しずつ自宅のスマート化を進めているのですが、その中で問題になったのがリビングのシーリングライト。
こちらも以前書きましたが、リビングの半分はHueによるスマート照明が既に実現できています。ダイニングや他の部屋も赤外線リモコンで操作可能なため、スマートリモコンで操作できますし、埋め込み型の照明もHueに交換することで対応できます。ただ唯一、リビングのシーリングライトだけ少し特殊な形でHueの取り付けも赤外線リモコン化もできないのです。
いっそのことHueが取り付けれるようにシーリングライト自体の交換も考えたのですが、お気に入りの照明器具ですし、取り替える気にはなりませんでした。そんな時に見つけたのがSwitch Bot。単純にワイヤレス操作でスイッチやボタンを押せるガジェットということで、これなら壁のスイッチに取り付けてIoT化できると思ったわけです。Alexaでスキルを探すとSwitch Botのスキルも公開されていたので、早速購入してリビング照明の壁スイッチに取り付けることにしました。
外観
箱はなかなかおしゃれで、最近のガジェットという感じですね。パッケージ内容はSwitch Bot本体と3Mの粘着テープ(装着済み×1,付属×1)、スイッチ引き上げ用の付属品、マニュアルとシンプルな構成。
本体も非常にシンプルで質感も悪くないです。小型で手のひらに乗るサイズですね。Switch Botは後から取り付ける形になるガジェットですので、こういうシンプルさや質感の良さはありがたいです。
裏には3M VHBの粘着テープ。これを使って押したいボタンの近くにSwitch Botを貼り付けて使うことになります。
設定と取り付け
Switch Botの設定はスマホからアプリでおこなうことになります。私はiPhoneですのでAppStoreよりSwitch Botを検索。インストールが完了し、Bluetoothがオンの状態で起動すると更新内容の説明が出てすぐにSwitch Botと自動でペアリングできました。
早速アプリからスイッチをタップするとSwitch Botのアーム部分が動いてボタンを押すような動作をします。非常に単純で原始的な動作ですが、ある程度パワーもありそうでうまくボタンやスイッチを押してくれそうです。
アプリの設定からはスイッチの種類選択や方向を変更可能。タイマーを設定して決まった時間に動作させることもできます。
我が家は押すだけでオンオフ切り替えるタイプの壁スイッチのため不要でしたが、オンオフのある壁スイッチにも対応しています。アプリで「壁スイッチを使用」をオンにすることで、アプリにONとOFFのボタが登場。付属品をアームに引っ掛けてスイッチに貼り付けることで押す動作と引く動作をおこなえるようですね。
アプリ側の設定が完了したので、続いて壁スイッチへの取り付けです。これも粘着テープの表面カバーを剥がして貼り付けるだけと非常に簡単でシンプル。貼り付け前にポジションを決めるために、想定している場所に手で固定して一度動作させてみましたが、うまくスイッチを押してくれました。ちなみに我が家の壁スイッチの場合、スイッチ周りを覆うカバーがあり、そこに貼り付けることになるのですが、壁とSwitch Botの間に少し隙間があいています。
粘着テープも1/3くらいどこにも貼り付いていない状態で、動作する時に固定されずスイッチを押せないか剥がれて落ちるかもしれないと心配しましたが、特に問題ありませんでした。結構強力な粘着テープのようで、今の所しっかりと貼り付いています。もし落ちるようなことがあれば間に隙間を埋めるものを挟もうと思っています。
使用感とSwitch Botならではのメリット
使い方も動作もシンプルなので非常に手軽・便利・快適に使えています。Bluetooth接続もまずまず安定していて、ギリギリ玄関の外からでも操作できます。Switch Bot自体もスイッチを覆うタイプではないので、近くにいる時は手で直接スイッチを入れて、遠くからはアプリでという使い方ができます。
またSwitch Botには想定外のメリットが1つありました。使っていて気づいたことなのですが、家族の誰かや、訪問してきた友人が壁スイッチで照明を消しても問題ないという点です。Hueにしてもリモコンタイプの照明にしても壁スイッチでオフにされると、次回操作する時にアプリやリモコンから操作できなくて結局壁スイッチをオンにしないといけなくなりますよね。ところがSwitch Botは物理的にスイッチを押すという原始的な動作が故に、そういうことがなくなるのです。これは意外なメリットでした。最先端の技術でも解決できないに人の動作によるエラーを、アナログな動作だからこそカバーできるというのは面白いですね。
私はまだ照明操作用の壁スイッチにしか取り付けていませんが、コーヒーメーカーや家電の電源ボタン、お風呂の給湯ボタンなどに付けても便利だと思います。
AlexaやGoogle Homeとの連携には別売のSwitch Linkが必要
購入後に気づいたのですが、Switch BotをAlexa(Google Home)から操作するためには、WiFiのアクセスポイントとなる別売りのSwitch Link(Switch Bot Hub)が必要でした。Alexaと連携するにはネット接続が必要ですが、確かに考えて見ればこの大きさで電池駆動のSwitch Bot単体ではWiFi接続はできませんよね。
ただ今の所、まだSwitch Linkの購入は検討中です。というのもAlexaにあるSwitch Botアプリはスマートホームスキルではなくカスタムスキルで公開されているからです。Hueや一部のスマートリモコンのようにスマートホームスキルであれば「アレクサ、〇〇して」で操作できるのですが、カスタムスキルの場合は「アレクサ、”スイッチボット”を使って〇〇して」と呼び出し名を付けないといけません。これはあまりスマートとは言えないですね。
またひとつの命令で複数機器の操作や動作が可能になる定型アクションに組み込めるのも、スマートホームスキルだけです。将来的にスマートホームスキルにも対応すればSwitch Linkを購入すると思います。
※追記:2018年1月28日、スイッチボットのスマートホームスキルがリリースされていました。これでより便利に使えるようになったので、Switch Linkを購入しようと思います。
まとめ
これでまた我が家がスマートホームに少しだけ近づきました。当初の予定と違いAlexaとの連携はまだしていませんが、それでもかなり便利に使えています。今は朝のタイマー設定で自動で照明が付くように設定して、あとは離れた場所から操作する時にアプリを使っている感じです。自宅の壁スイッチは結構部屋を移動する時の導線になる場所にあるので、帰宅時や就寝時などは手動で操作することも多いですが、それを邪魔しないのも良いです。
壁スイッチやボタンをスマート化できずに困っている方にはぜひオススメしたい製品です。私も買い増して、次はお風呂場の暖房ボタンにでも取り付けようかと考えています。
こちらは家電操作も可能なSwitchBot Plus。スマホアプリを使って、外出先からでも家電の操作を可能にするスマートリモコンです。
スマートホーム関連については他にも色々とレビューやまとめをしていますので、よろしければこちらもご覧ください。
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