スマートフォンで音楽を聴く際に、音源の質が高いにもかかわらず、音が良くないと感じることはないでしょうか。特に情報量が多いハイレゾ音源を楽しむためには、質の良いヘッドホンとアンプが必要不可欠と言えるでしょう。
アンプとは、音を増幅させる機器のこと。さらに最近のアンプの多くはDAC(Digital to Analog Converter)と呼ばれる、デジタル信号をアナログ信号へ変換する機器を内蔵しています。アンプとDACはスマートフォンにも内蔵されていますが、専用の機器を使用することで、より質の高い音楽を楽しめるというわけですね。
ただし、持ち歩きを前提としたスマートフォンに据え置き型のアンプを組み合わせる方法は現実的と言えません。そこで役に立つ製品がポータブルアンプです。
ポータブルアンプは、小型で持ち運びができるためスマートフォンとの相性も抜群です。そこで、今回の記事ではオススメのポータブルアンプを、低価格帯(2万円以下)、中価格帯(2~5万円)、高価格帯(5万円以上)に分けて紹介していきたいと思います。
話題のハイレゾ配信サービス「Amazon Music HD」については、下記の記事で詳しくレビューしています。よければ合わせてご覧ください。
低価格帯のおすすめポータブルアンプ(2万円以下)
FiiO BTR1K
FiiO(フィーオ)の「BTR1K FIO-BTR1K」はBluetoothを搭載した小型のポータブルアンプ。旭化成エレクトロニクス製のDAC「AK4376A」を内蔵しており、音楽の細かいニュアンスを再現できます。
「BTR1K FIO-BTR1K」最大の特徴は、小型ながらBluetoothに対応している点でしょう。本製品を家庭のオーディオシステムや自動車のカーステレオシステムに繋げば、Bluetoothに対応していないスピーカーをBluetooth接続できます。スマートフォンからの音楽再生がとても快適になりますね。
出力 | 25mW(32Ω)、45mW(16Ω) |
電源 | USB Type-C |
Bluetooth | 対応(Ver.5.0) |
連続再生可能時間 | 8時間 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX LL |
インターフェース | ヘッドホン端子(ミニプラグ)、USB端子 |
サイズ | 幅24×高さ50×奥行き11.6mm |
重量 | 20.5g |
iBasso Audio DC01
iBasso Audio(アイバッソオーディオ)の「iBasso Audio DC01」は、2.5mm4極バランス出力端子を搭載した超小型のポータブルアンプです。こちらの製品はポータブルオーディオの主流である3.5mmヘッドホン出力に対応した「iBasso Audio DC02」の兄弟機という位置付けですね。
「iBasso Audio DC01」と「iBasso Audio DC02」の違いはDACチップにあります。「iBasso Audio DC01」のDACチップは旭化成エレクトロニクス製の「AK4493EQ」を採用しており、「iBasso Audio DC02」の「AK4490EQ」より高性能と言えるでしょう。
電源にUSB Type-Cを採用しているため、特にAndroidのスマートフォンと相性が良い商品ですね。
出力 | 113mW(32Ω) |
電源 | USB、USB Type-C |
Bluetooth | 非対応 |
インターフェース | 2.5mm4極バランス出力端子、USB端子 |
サイズ | 長さ120mm |
重量 | 11g |
RADSONE Earstudio ES100
RADSONE(ラドソン)の「Earstudio ES100」は、3.5mm端子と2.5mm端子の両方に対応したポータブルアンプ。Bluetoothを搭載しているため、Bluetoothレシーバーとしても利用できますね。
また、パソコンとUSB接続すれば、USB-DACとしても利用可能。ポータブルアンプ、Bluetoothレシーバー、USB-DACとマルチな使い方ができる優れものです。
小型かつクリップ付きのため、メインの用途としてはやはりポータブルアンプとしてスマートフォンと接続するのがおすすめ。専用のコントロールアプリがあり、音質を自由に調整できる点も嬉しいですね。
出力 | 3.2Vpp(1Ω) |
電源 | micro USB |
Bluetooth | 対応(Ver.4.2) |
連続再生可能時間 | 14時間 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX HD |
インターフェース | 2.5mm4極バランス出力端子、ヘッドホン端子(ミニプラグ)、USB端子 |
サイズ | 幅30×高さ53×奥行き15mm |
重量 | 20g |
中価格帯のおすすめポータブルアンプ(2~5万円)
AudioQuest DragonFly Cobalt
AudioQuest(オーディオクエスト)の「DragonFly Cobalt」は、ハイレゾ音源に対応したUSB-DAC搭載のポータブルアンプ。インターフェースにはUSB端子を採用しており、スマートフォンと接続する際は変換プラグが必要です。
「DragonFly」シリーズには、Black、Red、Cobaltの3種類がありますが、「DragonFly Cobalt」は同シリーズのフラッグシップモデル。それらの中で最も高性能なDACチップ「ESS ES9038」を搭載しています。
USBメモリのような外観は、スマートでカッコいいデザインも魅力的。ノートパソコンと組み合わせると、コバルトカラーのアクセントが映えそうですね。
出力 | 2.1Vrms(0.65Ω) |
電源 | USB、USB Type-C |
Bluetooth | 非対応 |
インターフェース | ヘッドホン端子(ミニプラグ)、USB端子 |
サイズ | 幅18.6×高さ57.5×奥行き11.9mm |
重量 | 19g |
auneaudio aune BU1
Auneaudio(アウネオーディオ)の「aune BU1」は、DAC機能を内蔵したハイレゾ音源対応のポータブルアンプです。
「aune BU1」最大の特徴はその外観。アルミ削り出しの本体にはゴールドカラーを採用し、高級感は抜群です。裏面2か所の透明パネルから、基盤が見える点もオシャレですね。
価格を抑えながらも、Class-Aのアンプにフルディスクリート回路を搭載しており、安定感のある音を生み出します。据え置き型アンプにも劣らない性能を備えた製品と言えるでしょう。
出力 | 30mW(300Ω) |
電源 | USB |
Bluetooth | 非対応 |
連続再生可能時間 | 8時間 |
インターフェース | ヘッドホン端子(ミニプラグ)、USB端子 |
サイズ | 幅65×高さ126×奥行き18mm |
重量 | 210g |
beyerdynamic Impacto universal
Beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)の「Impacto universal」は、DAC内蔵ポータブルアンプ。出力端子は3.5mm 両出しで、Beyerdynamicのヘッドホンとダイレクトに接続できます。
コンパクトな本体ながらハイレゾ音源にも対応。リモートコントローラー仕様のため、曲の操作や音量調整ができる点も嬉しいですね。
USB Type-A用、USB Type-C用、microUSB用、Lightning用と4種類ケーブルを同梱しており、iPhoneやandroid、パソコンなど様々な機器と接続できます。まさに「ユニバーサル」の名にふさわしい便利な製品と言えるでしょう。
出力 | 50mW(32Ω)、7mW(600Ω) |
電源 | USB、microUSB、USB Type-C、Lightning |
Bluetooth | 非対応 |
インターフェース | 3.5mm 両出し、USB端子 |
サイズ | 幅32×高さ65×奥行き7mm |
重量 | 12g |
FiiO Q5s with AM3E
FiiO(フィーオ)の「Q5s with AM3E」は、ハイレゾ音源の再生に対応したDAC内蔵ポータブルアンプです。DACチップは旭化成エレクトロニクス製の「AK4493EQ」を、左右独立で2機搭載。雑音や音の歪みを減少させることで、音質の大幅な向上を図っています。
BluetoothのコーデックはSBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX LL、LDAC、HWA(LHDC)と幅広い種類に対応。お手持ちのBluetooth非対応スピーカーを、Bluetooth化させるには最適の製品と言えるでしょう。
出力 | 280mW(16Ω)、210mW(32Ω)、30mW(300Ω) |
電源 | USB |
Bluetooth | 対応(Ver.5.0) |
連続再生可能時間 | 9.5時間 |
Bluetooth対応コーデック | SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX LL、LDAC、HWA(LHDC) |
インターフェース | ヘッドホン端子(ミニプラグ)、USB端子 |
サイズ | 幅64×高さ124×奥行き16mm |
重量 | 195g |
高価格帯のおすすめポータブルアンプ(5万円以上)
STAX SRM-D10
STAX(スタックス)の「SRM-D10」は、ハイレゾ音源に対応したDAC搭載のポータブルアンプです。出力端子が5Pinのため、STAX製のイヤースピーカー専用機と言えるモデルですね。
STAXのヘッドホンは、静電型と呼ばれる方式を採用した「イヤースピーカー」。ダイアフラム(振動膜)に静電気を発生させて発音するため、微小な信号も忠実に再現できます。ただし、据え置き型のドライバーユニットが必要なため、持ち運びしにくい点が大きな難点と言えますね。
ところがポータブルアンプ「SRM-D10」の登場により、いつでもどこでも極上の音を聞けるようになりました。STAXのファンにとっては心待ちの製品と言えるでしょうね。
出力 | 200Vrms |
電源 | microUSB、DC |
Bluetooth | 非対応 |
インターフェース | 5Pin、ヘッドホン端子(ミニプラグ)、microUSB |
サイズ | 幅140.8×高さ32×奥行き75mm |
重量 | 450g |
Astell&Kern SP1000 AMP
Astell&Kern(アステル アンド ケルン)の「Astell&Kern SP1000 AMP」は、ポータブルプレイヤー「A&ultima SP1000」専用のポータブルアンプ。「A&ultima SP1000」専用の製品だけあって、組み合わせた際の相性は抜群。デザインが統一されており一体感があるほか、装着時に操作性が損なわれることもありません。
接続対象である「A&ultima SP1000」は世界最高峰のポータブルプレイヤーをうたっています。DACチップは旭化成エレクトロニクス社の「AK4497EQ」を左右独立で搭載。また、VCXOクロックの搭載により、200fsの超低ジッターを実現しました。
「Astell&Kern SP1000 AMP」は、そのような「A&ultima SP1000」をさらにパワーアップできます。より大きな音量を求める方には最適の製品と言えるでしょう。
出力 | アンバランス2.9Vrms/バランス6.2Vrms(Low Gain)、 アンバランス6.2Vrms/バランス10Vrms(High Gain) |
電源 | USB Type-C |
Bluetooth | 非対応 |
連続再生可能時間 | 9時間(Low Gain)、8時間(High Gain) |
インターフェース | 2.5mm4極バランス、ヘッドホン端子(ミニプラグ)、microUSB |
サイズ | 幅75.7×高さ148×奥行き9mm |
重量 | 200g |
SHURE KSE1200
SHURE(シュア)の「KSE1200」は、コンデンサー型高遮音性イヤホンと専用のポータブルアンプを組み合わせたイヤホンシステムですね。
「KSE1200」最大のこだわりは、その振動版にあります。非常に軽量な振動版を、素早くそして細かく振動させることで、きめ細やかで高品質の音を実現しました。
専用のイヤホンには通称「弾丸」と呼ばれる高性能イヤーチップを採用。周囲の雑音をカットする遮音性も抜群です。
マイクロホンで世界をリードするSHUREの技術をとことん詰め込んだ「KSE1200」は、イヤホンシステムの完成形と言っても過言ではないでしょう。
出力 | 最大電圧±200V、最大電流1mA |
電源 | DC、USB |
Bluetooth | 非対応 |
連続再生可能時間 | 12時間 |
インターフェース | ヘッドホン端子(ミニプラグ)、USB端子 |
サイズ | 幅59×高さ93×奥行き21mm |
重量 | 155g |
まとめ
2019年9月にAmazonがハイレゾ音源対応のストリーミングサービス「Amazon Music HD」を開始し、高音質をどこでも手軽に楽しみたいというユーザーが増えているのではないでしょうか。
ポータブルアンプは、そのようなユーザーの願いをかなえてくれる製品です。ぜひ、上記の解説を参考にして、自分に合ったポータブルアンプを探してみてください。
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