Amazon Music HDをレビュー!登録方法や使用感、音質の良さ、機能面などを総まとめ

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9月17日にAmazon Music Unlimitedのアップグレード版として登場した「Amazon Music HD」。ハイレゾの楽曲を聴き放題で楽しめるということで、オーディオファンを中心に話題となっていますね。競合サービスの多くがAACやMP3などの圧縮音源を配信する中、音質劣化のないFLACを採用し、HDとUltra HDの2種類の音質に対応した点は、音楽ストリーミング業界における革命と言っても過言ではないでしょう。

今回は、そんなAmazon Music HDの特徴や魅力を解説するとともに、実際に使用してみて感じたことを併せてご紹介。Amazon Music Unlimitedと重複する内容もありますが、初めて利用する人にも分かりやすく説明したいと思います。

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※2019/11/16追記:Amazonでは現在、「Amazon Music Unlimited」をたったの99円で4ヶ月間楽しめるキャンペーンを実施中。期間は2020年1月6日までの限定で、それまでに申し込みを行えば、以降4ヶ月間99円で音楽聴き放題サービスが楽しめるということで、これはかなりお得なキャンペーンですね。

対象は新規登録者のみですので、まだAmazon Music Unlimitedを利用したことがない人は、ぜひこの機会に利用してみましょう。

Amazon Music Unlimitedの登録はこちら

 

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Amazon Music HDの特徴

一般的にサブスクリプション型音楽配信サービスでは、ファイルサイズを小さくする代わりにデータ情報を削り取る「ロッシー圧縮」により、オリジナルよりも劣化した「SD音質」の楽曲を提供してます。

対するAmazon Music HDは、音声データを劣化させずに圧縮する「ロスレス形式」をサポート。Amazon Music Unlimitedにラインナップされている6,500万以上の曲が44.1kHz/16bit(平均850kbps)の「HD音質」に底上げされるほか、そのうちの数百曲が192kHz/24bit(平均3,730kbps)の「Ultra HD音質」で視聴できます。

kHz / bit / kbpsとは

簡単にいうと、これらは音質を数値化したときの単位です。数値が大きくなるほど原音に近い高音質になると覚えておくと理解しやすいですね。

「kHz(キロヘルツ)」は、音声データを1秒間で何回デジタル変換できるかを示す「周波数サンプリング」の単位。「bit(ビット)」はデジタル変換したときに音量を何段階に分けるかを示す「量子化ビット」の単位です。

ちなみにコンピューターが扱う情報の最小単位も「ビット」と呼ばれますが、こちらは2進数(nビットなら2n種類)として表します。「Kbps(キロビットパーセコンド)」は、このビットを1秒間に何個伝送できるかを示す単位のことで「ビットレート」ともいいます。

192kHz/24bitのUltra HD音質を例に挙げると、毎秒192,000回の速さで処理したデータを最大3,730,000個伝送し、音量を16,777,216段階(24bit=2の24乗)で表現できるというわけです。

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Amazon Music HDについて

料金プラン

料金設定は、月額1,980円で1アカウント登録できる「個人プラン」と、月額2,480円で最大6アカウントまで登録できる「ファミリープラン」の2種類。すでにAmazon Music Unlimitedを利用している場合は、月額料金+1,000円でバージョンアップできます。

さらにプライム会員限定の年間支払い(個人プラン17,800円/ファミリープラン24,800円)なら2ヶ月分が無料になるので、音にこだわりたいプライム会員の方はぜひ利用したいですね。

登録方法

Amazon Music Unlimited利用中の場合

Amazon Music HDの公式ページより「30日間無料体験を始める」をクリックする「Amazon Musicの設定」ページが表示されます。ここで「今すぐ試す」ボタンからアップグレードすることが可能です。

新規登録の場合

Amazon Music HDの公式ページの「無料で試す」ボタンをクリックします。

ここでAmazon Music Unlimitedのページになりますので、「Amazon Music HDへアップグレードすると~」にチェックが入っていることを確認して料金プランを選択。「お支払い方法」と「請求先住所」を入力したら(事前に登録済みであれば内容を確認)、「無料体験を始める」ボタンをクリックします。

こちらが登録完了画面。

「今すぐ始める」ボタンでAmazon Music Unlimitedに入れますが、WebブラウザではHD/Ultra HDの音源がサポートされていないので、PCで視聴する際はアプリをインストールしましょう。

対応デバイス

HD音源はここ数年でリリースされた端末であれば問題なく再生できますが、Ultra HD音源は端末によって異なり、iOS11以降をサポートするiPhone/iPad、2013年モデル以降のMac、2014年以降のAndroid Lolipop搭載機種、ハイレゾ再生対応PC、Alexa搭載Echoシリーズ(第2世代以降)、Fire TVなどが対応デバイスとして公表されています。

なおiPhone/iPadはオーディオ出力時に48kHz/24bitまでダウンコンバートされるため、さらに上の音質で聴きたい場合は互換性のあるDAC(デジタル化したデータをアナログ変換する機器)を接続しましょう。

スピーカーについてですが、40kHz以上の高域をカバーしていれば再生可能。これから購入する人は「Hi-Res」ロゴを目印にすると見つけやすいですね。古い製品でも周波数帯を確保していれば再生できるので、お気に入りのスピーカーがあれば一度繋いでみてください。

ただしBlurtooth接続は規格によってデータが圧縮されてしまうため、HD以上の音質がサポートされないものもあります。aptX、aptX HD、LDACのコーデックを採用したデバイス同士であれば最大48kHz/24bitのHD/Ultra HD音質を再生できるので、ワイヤレス接続するときはその点も踏まえておきましょう。

Amazon Music HDの注意点

標準音質のSD(ロッシー圧縮)では1曲あたりのデータ量が9MBなのに対し、HD(ロスレス/44.1kHz)は51MBで、Ultra HD(ロスレス192Hz)が153MBとなります。iPhoneでFaceTimeのビデオ通話を1時間したときと、Ultra HD1曲分の通信量がほぼ同じになるというわけですね。

モバイル回線のみでストリーミング再生を行うと通信量の上限にすぐ到達してしまうので、Wi-Fi接続できる環境で使用したり、あらかじめダウンロードしておくと安心です。

Amazon Music HDの利用開始方法

先述の通りPC環境ではデスクトップ用の「Amazon Music HD」専用アプリが必須になりますが、モバイル用は「Amazon Music」アプリがそのまま使えます。最新バージョンに更新済みであれば、契約変更した時点で自動的に切り替わるので、もともとのユーザーはストレスなく利用できるというわけですね。

起動時の画面で「Amazon Music」の横に「HD」の文字が現れたらアップデート完了の証。Amazon Music Unlimitedと同じ要領で使えます。

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Amazon Music HDの音質設定

データ通信量の節約にも繋がるので、使い始める前に音質の設定をしておきましょう。デバイスによってボタンの位置など異なる点があるかもしれませんが、手順は概ね同じです。

ストリーミング再生時の音質設定

ホーム画面右上のボタンをタップして「設定」ボタンを選びます。設定はすべてこのボタンで行うので覚えておきましょう。

設定画面を下にスクロールして「ストリーミング設定」を選択。ネット接続しながら再生するときの音質を、「自動」「HD/Ultra HD」「標準」「データ通信節約」の4種類から設定します。

「HD/Ultra HD」は高音質で再生できる分、データ通信量を多く消費するため、ネット環境が十分整っていないとスムーズに再生されません。通信量を抑えながら利用したい場合は、「Wi-Fi接続時のみストリームする」をオンにした上で「自動」を選択するのがおすすめです。

ダウンロードする時の音質設定

次に「ダウンロード設定」では、「HD/Ultra HD」「標準」「容量節約」の3種類から音質を選びます。ダウンロードした曲はデータ通信量を気にせず再生できるので、できれば高音質の「HD/Ultra HD」を選んでおきたいところですね。「Wi-Fi接続時のみダウンロードする」をオンにしておくと、誤ってモバイル通信を使ってしまう心配もありません。

ダウンロード済みの曲は、後から音質を変更することも可能です。「マイミュージック」のリストを表示し、再ダウンロードしたい曲の右端にあるメニューボタンから「アルバム」ボタンを選択。

赤枠で囲んだ更新ボタンをタップすると、提供されている本来の音質に入れ替わるというわけです。Amazon Music Unlimitedでダウンロードしていた曲もこの方法で変更できますね。

ラウドネス・ノーマライゼーションの設定

一定以上の音量を自動的に下げる機能で、オンにしておくと全曲同じ音量で再生されます。様々な曲を作業用BGMとして流し聴きしたいときには便利ですが、じっくり聴きこみたいときはオフにしておいた方がいいでしょう。

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Amazon Music HDの機能と使用感

楽曲ラインナップ

同じ曲の音質違いでバリエーションを増やしているわけではなく、純粋に6,500万曲以上が収録されており、定額制音楽配信サービスの中でも圧倒的な曲数を誇っています。音質についても全体的にHD/Ultra HDの楽曲が多く、SD音質を探す方がかえって大変なほど。

一部アーティストは旧作がすべてSD音質のものもありますが、今後のアップデートで高音質化する可能性は十分考えられますね。

またAmazon Musicの弱点だった邦楽の少なさについては、国内アーティストを一通り網羅することでクリアしています。新作や話題のタイトルなども豊富に揃っているので、J-POPファンも満足度の高い内容と言えるでしょう。

検索機能

曲名やアーティスト名を検索するときは、メニューボタン左横にある虫眼鏡アイコンをタップ。英語や漢字、カタカナなどの区別なくキーワード検索でき、略称にも対応しています。英語のつづりが分からなくても辿り着けるので、海外アーティストの曲もすぐ見つかりますね。

ラジオ機能

ジャンルごとにカテゴライズした曲を流す「ラジオ」。広告やMCが入らずランダムで再生するので、一度チャンネルを決めたらラジオ感覚で聴き続けられますね。

ジャンルは20種類。さらにジャンル内で細分化されています。例えば「ジャズ・フュージョン」なら14種類ものラジオがあり、同じジャンルでも異なるテーマで展開していますね。

またアーティストをもとに曲調の近い曲をまとめた「○○を聴いているお客様におすすめStation」も用意されているので、今まで聴いたことのなかった作品とも出会えます。

再生画面では、右下の「サムアップ」ボタンをタップすると、テイストの近い曲が流れやすくなります。苦手な曲は左下の「サムダウン」ボタンで、今後再生しないように設定することも。この繰り返しによって、自分好みのラジオに育てられるというわけです。

プレイリスト機能

「プレイリスト」では、Amazonのスタッフによる選曲が楽しめます。ジャンル・アーティストのほか、気分やシーンに合わせて選べるところが便利ですね。

ラジオ機能と異なる点は、再生時間や曲目リストがあらかじめ決まっているところ。プレイリストごとに「マイミュージック」への追加やダウンロードが可能なので、1曲ずつ登録する手間が省けます。

オリジナルのプレイリストは、再生画面右上のメニューボタンから「プレイリストに追加」で作成できます。

ダウンロード機能

再生画面のメニューボタンから「ダウンロード」ボタンを選択すると、ダウンロードを開始します。

ちなみにアルバムごとダウンロードすることも可能です。さきほどのメニュー画面からアーティスト名のボタンをタップし、スクロールしてアルバムを表示させたら、メニューボタンをタップしましょう。

あとは先ほどと同じやり方でダウンロードできます。

追加した曲は「マイミュージック」→「プレイリスト」→「最近追加された楽曲」で確認できます。アルバムごとダウンロードした場合は「マイミュージック」→「アルバム」でチェックした方が分かりやすいですね。

オフライン再生

ダウンロードが完了したらオフラインで再生してみましょう。ホーム画面に戻り、メニューボタンを選択し、一番上にある「オフライン再生モード」をオンにします。ダウンロードされた曲だけが「マイミュージック」に表示されるようになるので、最低限の通信量で再生可能です。

私の場合、普段モバイルWi-Fiを持ち歩いているので、ストリーミング再生することが多いのですが、地下鉄など電波が入りにくい場所ではオフライン再生に切り替えています。ただし機内モード時はオフライン再生できないので、その点は注意しましょう。

SIDE by SIDE機能

アーティストが自分の曲について様々なエピソードを語る「SIDE BY SIDE」は、Amazon Music Unlimitedでもお馴染みのコンテンツ。制作秘話や、曲に込められているメッセージなどを反芻しながら楽しめるので、アーティストをより身近に感じられますね。

国内外のアーティストに加え、映画やゲームのサウンドトラックなど、バラエティに富んだラインナップで聴きごたえも抜群です。もちろんコメントもHD以上の高音質なので(一部除く)、お気に入りのアーティストの声をしっかり聴くことができます。

Alexa連携機能

音声アシスタント「Alexa」と直接連携できるところも特筆ポイント。ホーム画面右下のアイコンをタップするか、再生画面下のアイコンをタップすると音声操作が可能になります。曲名やプレイリスト名だけでなく、「リラックスできる曲をかけて」「仕事がはかどる曲をかけて」といった曖昧なフレーズでも再生してくれるのは大きなメリットでしょう。

またデノン/マランツの「HEOS」搭載機種がファームアップデートでAmazon Music HDに対応したり、ソニーが提供する3Dサウンド「360 Reality Audio」が12月発売予定の「Echo Studio」で再生可能になるなど、Alexaによる音楽の新しい楽しみ方にもさらなる注目が集まっています。

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Amazon Music HDを利用した感想

実際にAmazon Music HDで音楽を聞いてみると、ストリーミングとは思えないほど迫力があり、改めて音質の重要性を実感しました。iPhoneとBluetoothイヤホン(aptX対応)の組み合わせになると、Ultra HDの曲はやはり途中で途切れますが、HD音質の恩恵は十分味わうことができます。

試しにSpotifyと聴き比べをしたところ、アコースティック系の楽器がもっとも分かりやすく、とくにジャズでは各楽器の音がはっきり聞こえるだけでなく、距離感や奥行きと言った空気感まで感じられます。微細な音の再現性も優れており、聴き疲れしにくいところも高音質ならではのメリットでしょう。

ラインナップに関しても不便はなく、マイナーなものも含めて様々な曲が登録されていることに驚きましたね。古い音源もハイレゾ化されているので、聴き慣れているはずの曲にも新たな発見があるかもしれません。

機能面で重宝したのは歌詞表示機能。対応していない曲もありますが、画像のように「歌詞」のマークがあれば表示可能です。全画面表示することもでき、曲に合わせて歌詞が流れます。何気なく聴いている洋楽も、歌っている内容が分かると曲に対するイメージが変わるのではないでしょうか。

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参考:ハイレゾ対応のおすすめ視聴デバイス

Amaozon Music HDのハイレゾ音質を楽しむためには、再生デバイスだけでなくイヤホンやスピーカーなどの視聴デバイス側もハイレゾに対応していることが理想です。また接続方式についてはやはり、伝送時に圧縮されてしまうBluetoothよりも有線接続の方が、よりAmaozon Music HDならではの高音質を存分に楽しめると言えますね。

参考までにおすすめのハイレゾ対応イヤホン、ヘッドホン、スピーカーを挙げておきたいと思いますので、よければ参考にしてください。

パイオニア Pioneer SE-CH3T イヤホン カナル型/ハイレゾ対応 ブラック SE-CH3T(B) 【国内正規品】
パイオニア(Pioneer)

ハイレゾ対応のおすすめイヤホンについては下記の記事にも詳しくまとめています。

ハイレゾ対応のおすすめイヤホン10選|有線/ワイヤレス(Bluetooth)モデルに分けて超高音質のHD音楽を存分に楽しめる製品を厳選紹介
2019年9月に、Amazonがハイレゾ音源対応のストリーミングサービス「Amazon Music HD」を開始したことが話題になりましたね。ハイレゾ音源/HD音源とは、一般的なCDを超える高音質(より多くの情報量を持つ)デジタル音源の...

ハイレゾ対応のおすすめアクティブスピーカーは下記にまとめています。

おすすめのハイレゾ対応アクティブスピーカー9選|気軽に高音質を楽しめるスピーカーを厳選紹介
最近オーディオマニアだけに限らず、一般的な音楽視聴者の間でも注目を浴びるようになってきている高音質音源「ハイレゾ」。2019年9月にAmazonがハイレゾ音源対応のストリーミングサービス「Amazon Music HD」を開始したことも...

まとめ

これまではDeezer HiFiが44.1kHz/16bitのロスレス音源を提供する国内唯一のストリーミングサービスとして君臨していましたが、スマホで再生できるAmazon Music HDの登場はかなり画期的と言えるでしょう。一部のオーディオマニア向けといった印象の強い「ハイレゾ」も、聴き放題になることでよりカジュアルに楽しめそうですね。

料金面で言えば、無料/低価格で利用できる音楽配信サービスの競合が数多くある中、約2,000円の月額料金は高く感じるかもしれません。曲数や機能面での違いはないので、とくに音質へのこだわりがなければ通常版のAmazon Music Unlimitedでも十分楽しめると言えるでしょう。

しかしAmazon Music HDで聞くハイレゾ音源ならではのクオリティの高い音は非常に心地よく、オーディオ環境が整っているほど大きな感動が得られるはず。高音質を気軽に聴いてみたいというハイレゾの入り口としてのニーズを、確実に満たしてくれるでしょう。30日間は無料体験ができますし、気になる人は是非利用してみてください。

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