AirPods ProとWF-1000XM3を徹底比較!話題の2大人気ノイズキャンセル付き完全ワイヤレスイヤホンを検証

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イヤホンジャックに接続する有線タイプに代わって、主流となりつつあるワイヤレスイヤホン。周囲の雑音をカットする「ノイズキャンセリング(NC)機能」を搭載したモデルがとくに注目されていますね。音楽がクリアに再生されるのはもちろん、自分だけの世界に没頭することも可能になるため、最近では集中力を高めるためのツールとしても利用されています。

そうした中で、高性能ワイヤレスイヤホンの2大機種と言われているのが、Apple「AirPods Pro」とSONY「WF-1000XM3」です。どちらも高度なノイズキャンセリングが特徴で、競合するライバル機種として比べられることも。値段に大差があれば検討材料になるものの、ほぼ同価格帯なので購入時に迷う方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、この2つの機種をスペック、デザイン、使用感など、あらゆる角度で比較してみたいと思います。AirPods Proのレビューも出揃った今、メリットだけでなくデメリットについても解説するので、購入を検討している方はぜひ参考にしてみてみてくださいね。

AirPods Proの特徴

前モデルの発表から1年を待たずして登場した、Apple初のNC対応ワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」。新たな機能を追加するとともに、EarPodsから引き継がれていたインナーイヤー型からカナル型へ、操作方法をタッチセンサーから感圧センサーへ刷新し、IPX4等級の耐汗・耐水性能と搭載したことで大きな話題となっていますね。

特筆すべきは、「アクティブノイズキャンセリング(ACN)機能」と「外部音取り込み機能」を搭載した点でしょう。ACN機能は内側と外側に配置したマイクで集めた音に対し、逆位相(180°真逆の波形)の音を発生させて周囲の雑音を消す機能のこと。毎秒200回ものスピードで音信号を解析し、環境に応じて調整するため精度の高さも抜群です。

外部音取り込み機能は、周囲の音を拾うだけでなく反響音にノイズキャンセルをかけてユーザー自身の声を聞き取りやすくするので、音楽を聴きながら会話もできます。人工的な音ではなく自然な環境音として聞こえるところもポイントですね。また各周波数を耳の形に合わせて出力する「アダプティブイコライゼーション」機能や、20Hzまでの低音をカバーする高偏位ドライバ、ダイナミックレンジの再現性に優れたアンプを搭載するなど、音質面にもこだわりぬいた仕様となっています。

これらの機能を含む様々な処理を行うのは、10基のオーディオコアを内蔵する「H1チップ」。オーディオ関連の処理能力が高く、Siriの呼び出しやデバイスの切り替えもスピーディーに実行できるというわけです。安定した接続が可能になるので遅延が発生しにくく、動画視聴やゲームもストレスフリーで楽しめます。

最大4.5時間の音楽再生(NCオフ時は最大5時間)、または最大3.5時間の通話が可能。充電ケースと組み合わせれば24時間の再生、18時間の通話ができます。5分ほどケースに入れておけば1時間利用できるので、バッテリー切れの心配もありません。Ligtning端子による有線充電のほか、ワイヤレス充電規格「Qi(チー)」にも対応しており、手軽にチャージできる点も魅力的ですね。

サイズと重さは、イヤホン30.9×21.8×24mm/5.4g×2個、ケース45.2×60.6×21.7mm/45.6g。ステムと呼ばれる軸部分を短くして、装着時も目立ちにくくなりました。イヤーチップはS/M/Lの3種類が付属し、iOSに搭載されている「イヤーチップ装着状態テスト」機能でフィット感や遮音性をチェックできます。また通気孔を設けることで圧迫感を軽減しているため、カナル型が苦手な人も使いやすいですね。価格は30,580円で、充電ケース、シリコン製イヤーチップ(3サイズ)のほか、Lightning & USB-Cケーブル(90cm)が同梱されています。

SONY WF-1000XM3の特徴

AirPods Proより一足先に発売された「WF-1000XM3」は、SONYの完全ワイヤレスイヤホンとしては約2年ぶりの新作モデルです。初代WF-1000Xの弱点だった「接続の切れやすさ」や「バッテリー持続時間の短さ」を大幅に改善し、より高性能になって登場しました。

まず注目したいのが、独自開発した「QN1eプロセッサー」。ハウジング内外のマイクが集音し、チップ内の「デジタルノイズキャンセリング(DNC)ソフトウェアエンジン」が逆位相の音を生み出すことで、優れたNC効果を発揮します。さらに低ノイズかつ低ひずみの「D/Aコンバーター」や、迫力のサウンドを表現する「アンプ」をQN1eに内蔵することで、接続の安定性やスタミナ性を向上させているというわけです。

機能としては、音楽を聴きながら周囲の音も取り込む「外音取り込み機能(アンビエントサウンドモード)」と、再生中の長押しで瞬時に音量が下がる「クイックアテンションモード」を完備。突然話しかけられたときやアナウンスを聞きたいときに切り替えられるので、イヤホンを外す手間が省けますね。

また、完全ワイヤレスイヤホンで初めて「DSEE HX」を採用したことも魅力の一つでしょう。これはMP3などの圧縮音源をハイレゾ相当(最大96kHz/24bit)に高音質化できる技術で、圧縮時に失われがちな高音域や微小な音も再現します。音の広がりや臨場感がアップするので、お気に入りの曲も一味違った聴き方で楽しめそうですね。

再生時間は最大6時間(NCオフ時は最大8時間)、通話は最大9時間(NCオフ時は最大15時間)となっています。ケースは10分のチャージで90分利用できる急速充電に対応しており、3回分の充電が可能。つまりイヤホンのバッテリーと合わせると、約24時間利用できるということです。ちなみにイヤホンとケースは約3.5時間でフル充電できます。

サイズと重さは、イヤホン35×20×30mm/8.5g×2個、ケース55×80×30mm/75g。高級感あるマットな質感で、プラチナシルバーとブラックの2色展開です。表側には大きく丸いタッチセンサーを配置して、従来のボタン式より操作しやすい仕様になりました。イヤーチップは、シリコン製のソフトタイプ(4サイズ)に加え、発泡シリコンでカバーしたハードタイプ(3サイズ)が用意されているので、自分に合うフィット感が選べますね。さらに充電ケース、USB Type-Cケーブル(20cm)が付属して、価格は28,468円(税込)となっています。

NC / 外音取り込み機能でAirPods ProとWF-1000XM3を比較

両機種ともに、2基のマイクでノイズをカットするハイブリッド方式のNCと、環境音をモニターする外音取り込み機能を搭載。どちらもハイクオリティで満足度の高い仕上がりになっていますが、カットしやすい周波数帯や内部構造などの違いで好みが分かれるかもしれません。

AirPods ProのNC / 外音取り込み機能

広範囲の音域でノイズをフワッと消すタイプのNCです。ハウジング背面側に抜ける通気孔により内圧が変化しにくく、自動調節で常にベストコンディションを保てます。外音取り込みは周囲の音場感が非常にリアルで、何も付けていないかのうような感覚に。風切り音が発生しにくいので通話もしやすいですね。

WF-1000XM3のNC / 外音取り込み機能

高遮音性イヤーチップとの相乗効果でがっつり遮断。とくに低域の周波数帯と相性が良く、空調や電車の走行音などもシャットアウトできます。ただしカナル型特有の圧迫感を低減させるためか、高周波数のノイズに対して効果が弱く、話し声などは割と聴こえるようです。外音取り込みについてはアプリで細かくレベル設定でき、シーンに応じた調整が可能になります。

操作性でAirPods ProとWF-1000XM3を比較

AirPods Proの操作性

ステム部分に内蔵した感圧センサーで操作します。軽くつまむとクリック音が鳴り、1回押しで再生/停止、2回押しで曲送り、3回押しで曲戻し、長押しでNC/外部音取り込み機能に切り替わる仕様です。再生中にモードを切り替えても音楽が途切れないのがいいですね。

iOSの設定アプリを使えば、クリックや長押しの間隔を変更したり、片耳のみ装着時にNCを有効にしたり、左と右で別々のアクションと設定することもできます。ちなみにボリューム調整はイヤホン単体では行えませんが、iPhone/iPadのコントロールセンターや、Siri、Apple Watchから操作可能になるというわけです。

WF-1000XM3の操作性

操作はハウジング表面のタッチセンサーで行い、初期設定では右側1回押しで再生/停止、2回押しで曲送り、3回押しで曲戻し。左側はタップごとにNC/外部音取り込み機能が切り替わり、長押しで音声アシスタント(Googleアシスタント、Siri、Amazon Alexa)の起動です。モード切り替えの際は、音楽が1秒ほど停止して音声ガイダンスが流れます。

操作の割り当てはアプリで変更でき、左右のイヤホンそれぞれに「再生コントロール」「外音コントロール」「音量コントロール」「各音声アシスタント」「割り当てなし」の設定が可能。装着時にセンサーに触れてしまう、といったレビューを数多く見かけたので、操作ミスしやすい場合は左右とも割り当てなしにするのも一つの方法ですね。

接続性でAirPods ProとWF-1000XM3を比較

一般的な完全ワイヤレスイヤホンが、Bluetoothの電波を片側で受信してもう片側へ流す「リレー方式」という通信方法である中、AirPods ProとWF-1000XM3は左右が独立して接続する「同時伝送方式」を採用することで遅延や音切れを軽減しています。さらにBluetooth5.0とAACをサポートするなど共通点が多いわけですが、ペアリングのしやすさなどの違いについて詳しく見てみたいと思います。

AirPods Proの接続性

従来のAirPods同様、Apple製品との親和性が高さがポイントでしょう。iOSデバイス限定とはいえ、端末間をシームレスに行き来できるのは魅力的ですね。複数のデバイスで接続先を切り替えることはもちろん、AirPods Pro2台を同時に接続することも可能です。

セットアップは、デバイス付近でケースのフタを開けるだけ。ポップアップの表示に従って設定すれば、フタの開閉が電源ボタンの代わりになります。さらに「自動耳検出機能」をオンにすると、耳への装着で自動再生、外すと停止、といった具合に一連の動きがスムーズに行えるというわけです。

なお、iOS13.2に対応していないiPhoneやAndroidでもBluetoothイヤホンとして使えますが、フタ開けによる自動ペアリングや、イヤーチップ装着状態テスト、クリック操作の設定変更、ファームウェア更新など、一部利用できない機能があるということを把握しておきましょう。

WF-1000XM3の接続性

iOSデバイスのほか、AndroidやWindowsにも接続可能なので、オールマイティーに活用できますね。aptX非対応なのでAndroidユーザーにとってはやや残念ではあるものの、先述のBluetooth同時伝送技術により安定した通信が得られます。

接続方法は2種類あり、NFC対応のAndroidはケースとタッチするだけで接続可能です。その他の機種は、イヤホンを装着した状態で左右のタッチセンサーに同時に触れ、デバイスの設定画面からBluetooth機能をオンにします。使用するときはBluetoothの設定画面から選ぶだけなので、ペアリングも簡単ですね。

注意点としては「音質優先モード」を選択したときに、音切れが発生しやすくなることが挙げられます。駅や繁華街といった混雑したエリアで使用する際は「接続優先モード」にしておくのがおすすめです。また複数のデバイスとの同時接続には対応していないので、スマホとPCを頻繁に切り替えたい場合は少々不便に感じるかもしれません。

装着感でAirPods ProとWF-1000XM3を比較

AirPods Proの装着感

有線タイプのEarPodsでは、開発時に膨大な数の耳型を集め、1つのサイズでも多くの人の耳に合うようにつくられましたが、今回さらに数千人分のデータを追加することで、今までにない軽い付け心地を実現しました。

通常カナル型はドライバーの先に「音導管」というノズルがありますが、AirPods Proにはこれがなく、ドライバーユニットとハウジングの間にイヤーチップを挟む構造です。装着感が浅いので若干頼りなく感じるかもしれませんが、耳穴にフィットする楕円形のチップで外れにくく、耳が小さい人も装着しやすい仕様になっています。別売りのイヤーフックをプラスすれば、スポーツ時も使いやすいですね。

また装着感をより高める「イヤーチップ装着状態テスト」もAirPods Pro独自の機能でしょう。iPhoneから簡単に装着状態が適切かどうかのチェックが可能です。最適なチップを使うと、NCの効果がアップするだけでなく音質に重厚感も増しますね。左右で耳のサイズが異なる場合もあるので、ぜひ試してみてください。

WF-1000XM3の装着感

人間工学に基づいた形状となっており、装着したときに耳の3点で支える「エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー」構造を採用。さらに耳と接する部分に「ハイフリクション・ラバー・サーフェス」という高摩擦のラバー素材を用いることで、強力なホールド感を持たせています。

耳の奥まで深めに押し込むタイプで、耳栓のようなしっかりとした装着感。「長時間使用していると疲れる」といった意見もありますが、これは自分の耳にフィットするイヤーチップを選ぶことで、ある程度クリアになるかと思います。公式サイトの動画でチップの選び方や装着方法などが説明されているので、一度チェックしておくとスムーズです。互換性の高いノズルなので、サードパーティー製のチップと交換することもできますね。

音質でAirPods ProとWF-1000XM3を比較

AirPods Proの音質

Appleらしい万人受けする標準的な音質で、メインの音を分かりやすく鳴らします。前モデルでは中高音が強めでしたが、外音の遮蔽性をアップしたことで低音の厚みが増しています。ただしレビューの評価は全体的に低く、iPhoneのイコライザーで好みの音に調整する人も多いようです。

WF-1000XXM3と比較すると、どうしても解像度の低さやインパクトの弱さが目立つのでしょうが、個人的な感想として音質はけして悪くありません。むしろフラットな音質なので、長時間聴き続けられるという利点にもなります。人によって感じ方も変わるので、気になる方は試聴してみましょう。

WF-1000XM3の音質

細やかな音の粒をはっきり再現する、オーディオメーカーらしい音質に仕上がっています。1000Xシリーズとしてはややマイルドな低音で、バランス良くまとまったサウンドに。ダイナミックレンジが広いので、NCと組み合さることで生演奏に近いライブ感も味わえるというわけです。

またDSEE HXや、アプリのイコライザーが用意されているところもポイント。とくにイコライザーは、マニュアル設定による細かカスタマイズが可能で、より自分仕様の音質に違付けることができます。イコライザーで曲の雰囲気がガラリと変わるので、色々アプリをいじってみるのも楽しそうですね。

携帯性・駆動時間でAirPods ProとWF-1000XM3を比較

スリムなAirPods Proに対し、WF-1000XM3はオーバル型でコロンとしており、イヤホン・ケースともにAirPods Proの方がコンパクト。重量差は約36gほどですが、サイズがふた回りほど変わります。気軽にズボンのポケットに入れて持ち歩きたい場合は、AirPods Proが使いやすいでしょう。補足になりますがWF-1000XM3のケースは汚れやすいため、ケースごと保護できるカバーがあると安心ですね。

充電用端子は、AirPods Proが「Lightning」、WF-1000XM3は「USB Type-C」を搭載しています。汎用性が高く、ケーブル類を統一できるという点ではWF-1000XM3の方が優れていますが、AirPods Proはワイヤレス充電に対応しているので、この辺はニーズに応じて判断すべきかと思います。

ケースでチャージしながら再生したときの駆動時間は、双方ともに24時間と互角ですが、イヤホン単体(NC有効)、AirPods Proが最大4.5時間、WF-1000XM3が最大6時間となっています。筐体が大きい分、バッテリー容量の多いWF-1000XM3の方が約1.5時間も長く再生できるというわけですね。ちなみに、イヤホン単体/イヤホン+ケースのフル充電にかかる時間は、AirPods Proは1時間/2時間、WF-1000XM3は1.5時間/3時間です。

保証・耐久性でAirPods ProとWF-1000XM3を比較

どちらも1年間のメーカー保証が付いていますが、延長保証も確認しておきましょう。

AirPods Proの保証・耐久性

1年保証と90日間のテクニカルサポートが2年間延長になる「AppleCare+ for ヘッドフォン(3,740円)」が用意されており、イヤホン(片耳)/ケースを3,400円で2回まで修理できるだけでなく、バッテリーの無償交換(蓄電量が本来の80%未満に劣化したとき)にも対応しています。

保証なしの場合は修理10,780円、バッテリー交換5,940円になるので、2年後に新品と交換してもらえると考えるとかなりお得でしょう。IPX4規格を満たす耐水性があるとはいえ、防水機能としては比較的低く、水上や水中での使用に対応していないので、万が一に備えて加入しておくと安心ですね。

ただし紛失や盗難はサポート対象外となるため、その際はイヤホン(片耳)10,780円、ケース11,880円が必要になります。申し込みできる期間も購入日から30日以内と限られているので、その点注意してください。なおAmazon購入時は、メーカー保証と同じ内容の保証を4年延長する「5年保証プラン(1,560円)」の追加が可能です。

WF-1000XM3の保証・耐久性

メーカー保証を延長できる「ベーシック(3年/5年)」と、破損・水濡れ・火災などにも対応する「ワイド(3年/5年)」の2種類があり、3年と5年の期間が選べます。注目すべき点は、公式ストアで購入すると「3年ベーシック」が無料になること。この特典目当てで公式ストアから申し込む人も多いようですね。その他プランについては「5年ベーシック(2,200円)」「3年ワイド(2,200円)」「5年ワイド(3,300円)」と、加入しやすい値段設定ですね。

これらのプランは紛失時は対象外となっており、別途「紛失あんしんサービス(1,100円)」に加入しておくと、イヤホン(片耳)を5,500円+技術料で提供してくれます。保証期間1年、1回のみではありますが、通常失くしたときはイヤホン(片耳)9,900円、ケース7,260円に加えて技術料が発生するので、落し物しやすい人にとってはありがたいサービスと言えるでしょう。Amazonではプラス1,040円で、メーカー保証と同等のサービスが5年に延長できます。

ちなみに耐水能力を備えていない分、AirPods Proよりも耐久性が劣るかというとそうとも言い切れません。説明書には水に濡れてしまったときの対処方法が記載されており、それなりの耐水機能を備えていることが予想できますね。

まとめ

一見似ているように思われがちなAirPods ProとWF-1000XM3ですが、コンセプトの異なる機種であるということはお分りいただけたのではないでしょうか。Appleデバイスを自在に切り替えられる手軽さを求めるならAirPods Pro、カスタマイズして音楽をじっくり聴きたいならWF-1000XM3をおすすめします。どちらもNCワイヤレスイヤホンとして素晴らしい製品ですので、迷ったときは実際に手にとってみてくださいね。