最近は本や雑誌、あるいは漫画を読む際に、紙の媒体ではなく電子書籍で読むという人も増えましたね。一昔前までは紙が当たり前だったように思いますが、ここ数年はスマホやタブレットの普及に伴い、電子版を読んでいる人もかなり多いのではないでしょうか。
そこで今回は、電子書籍は初めてという人から毎日書かさず読んでいるという人まで役立つ、おすすめの電子書籍リーダーとタブレットをピックアップ。どのデバイスで読むのが最適かという点も合わせて紹介していきたいと思います。
電子書籍は何で読むのが最適か
電子書籍を読む場合、2019年現在は大きく分けて次のようなデバイスが必要です。それぞれ長所・短所、得手不得手があるので、自身の使い方に合わせて選ぶようにしましょう。
小説や実用書主体なら電子書籍リーダー
電子書籍リーダーは、その名通り、電子書籍の閲覧専用に設計されたデバイスです。殆どの製品は文庫本より少し大きいくらいのサイズ感で、重量もスマートフォンとそれほど変わりません。
この専用機の特徴は、なんといってもE-inkディスプレイですね。別名電子ペーパーとも呼ばれるそれは、通常の液晶ディスプレイと異なり非常に消費電力が低く、バッテリーが長持ちします。多くのタブレットでは、連続使用時間が10時間程度となっていますが、E-inkディスプレイの電子書籍リーダーは何と驚きの数週間。その点でも、紙の本と殆ど変わらない感覚で使うことができます。
注意点としては、現状売られている機種の殆どは、白黒のみの対応となっていること。写真やイラストなど”色”が重要となる場面では、カラーディスプレイのタブレットには敵いません。
また、基本的には販売元の電子書籍ストアしか利用できない為、複数のサービスを横断して使う事は想定されていませんね。その分、価格はタブレットより安めなので、特定のストアのみを集中して使うような人にもおすすめです。
動画やネットなど電子書籍以外にも役立つタブレット端末
iPadなどに代表されるタブレット端末でも、多くの電子書籍を読むことが出来ます。タブレット端末のメリットは、アプリを使うことで複数の電子書籍ストアを利用できることですね。
最近は特定のストアのみ配信するようなスタイルは減ってきましたが、同じ本でもストアによって価格が違うことはあるので、少しでも安く電子書籍を買いたい方にはタブレットがおすすめと言えます。E-ink機とは違いフルカラーディスプレイなので、漫画のカラーページも本来の色のまま楽しむことができますね。
また、ディスプレイサイズも電子書籍リーダーより大きい機種が殆どなので、雑誌など元々の誌面サイズが大きい本にも向いています。電子書籍以外にも、動画やインターネットなど様々な機能を使えるので、何もかもを1台でまかないたい場合には、タブレット端末がおすすめと言えますね。ただし、サイズや重量は本よりも大きく/重くなることがあるため、その辺りを気にする場合は、電子書籍リーダーを選ぶようにしましょう。
持ち運びはしやすいがやや読みづらいスマートフォン
タブレットと同様、スマートフォンもアプリを入れることで、各種電子書籍ストアを使う事ができます。ただ、電子書籍リーダーやタブレットに比べディスプレイサイズが小さいため、読みづらいのが難点と言えますね。
持ち運びのしやすさという点では評価できますが、日常的に使う読書端末としては、スマートフォンはあまりおすすめ出来ないのが正直なところです。その為、この記事では電子書籍リーダーとタブレットに絞って、おすすめの機種を紹介しています。
電子書籍リーダーのおすすめモデル
Kindle
電子書籍リーダーと言えばやはり、Amazonの電子書籍ストア「Kindle」の専用端末であるKindleシリーズですね。中でもこの無印のKindleは、最もベーシックなモデルとなっています。
E-ink方式のディスプレイを採用し、電子書籍リーダーとしての基本的な機能は完備。価格もライバル製品と比べて安価なので、最初の1台としてもおすすめです。
強いて弱点を挙げるなら、ディスプレイの解像度が他のE-ink機に比べてやや粗いこと。それでも、数値としては決して低い訳ではないので、電子書籍専用機がどんなものか一度使ってみたいという人には最適な機種といえるでしょう。
Kindleの基本スペック
・メーカー:Amazon
・本体サイズ:160 mm x 113 mm x 8.7 mm
・重量:174g
・ストレージ容量:4GB
・Cellularモデル:なし
・防水:なし
・ディスプレイサイズ:6inch
・ディスプレイ解像度:167ppi
・ディスプレイ方式:E-ink(白黒のみ)
・バッテリー持続時間:最大数週間
・利用出来る電子書籍ストア:Amazon
Kindle Paperwhite
Kindle Paperwhiteは、先に紹介した無印Kindleの上位モデル。Kindleをベースに、若干のスペックアップが行われています。
面白いのは、Wi-Fiとは別に4G(LTE)回線を搭載したモデルが用意されていること。こちらを使う事で、外出先でも電子書籍をダウンロードすることが可能です。購入時にWi-Fiのみのタイプよりやや高価になっていますが、4G回線の利用料は無料となっているため、頻繁に使う方ならすぐに元はとれてしまうのではないでしょうか。複雑な回線契約が不要な点も嬉しいですね。(なお、この無料4G回線は、小説や実用書などの文字主体の書籍向けです。漫画などデータ容量の大きな本はダウンロードできないこともあるので、その際は素直にWi-Fiに接続しましょう。)
Kindleと基本的なスペックは同じですが、ディスプレイの解像度がアップしており、さらにIPX8相当の防水性能も備えているため、多読する方やコーヒーを飲みながら読書を楽しみたい人にはこちらの方がおすすめです。
Kindle Paperwhiteの基本スペック
・メーカー:Amazon
・本体サイズ:167 mm x 116 mm x 8.18 mm
・重量:Wi-Fi:182g / Cellular:191g
・ストレージ容量:8GB/32GB
・Cellularモデル:あり
・防水:IPX8
・ディスプレイサイズ:6inch
・ディスプレイ解像度:300ppi
・ディスプレイ方式:E-ink(白黒のみ)
・バッテリー持続時間:最大数週間
・利用出来る電子書籍ストア:Amazon
楽天 Kobo Clara HD
Amazonと並び電子書籍ストアの2大サービスのひとつと言えるのが、楽天のKoboですね。楽天というと通販サイトのイメージが強いですが、この電子書籍ストアも人気サービスのひとつです。
そんなKoboの専用端末として販売されているのが、こちらの楽天 Kobo Clara HD。基本的なハードウェア性能はKindle Paperwhiteに近いですが、重量面ではKoboの方がやや軽めです。楽天ポイントを貯める/使うことができるため、普段楽天のサービスを多く使っている人は、こちらを選ぶのが良いでしょう。
楽天 Kobo Clara HDの基本スペック
・メーカー:楽天
・本体サイズ:157 mm x 111 mm x 8.3 mm
・重量:166g
・ストレージ容量:8GB
・Cellularモデル:なし
・防水:なし
・ディスプレイサイズ:6inch
・ディスプレイ解像度:300ppi
・ディスプレイ方式:E-ink(白黒のみ)
・バッテリー持続時間:最大数週間
・利用出来る電子書籍ストア:楽天Kobo電子書籍ストア
楽天 Kobo Aura H2O Edition 2
楽天 Kobo Aura H2O Edition 2は、Kobo Clara HDをさらにパワーアップさせたモデルです。ディスプレイには、Kobo Clara HDより0.8inch大きい、6.8inchディスプレイを搭載。タブレット端末に迫るディスプレイサイズなので、漫画の単行本なども6inchディスプレイの機種より読みやすくなることが期待できますね。
ちなみに、サイズアップに伴い若干解像度は落ちていますが、それでもiPhoneのディスプレイとほぼ同じppiを実現しているので、特に気にするレベルではなく、活字も快適に読めるようになっています。
楽天 Kobo Aura H2O Edition 2の基本スペック
・メーカー:楽天
・本体サイズ:172.0 mm x 129.0 mm x 8.8 mm
・重量:207g
・ストレージ容量:8GB
・Cellularモデル:なし
・防水:IPX8
・ディスプレイサイズ:6.8inch
・ディスプレイ解像度:265ppi
・ディスプレイ方式:E-ink(白黒のみ)
・バッテリー持続時間:最大数週間
・利用出来る電子書籍ストア:楽天Kobo電子書籍ストア
電子書籍を読むのにおすすめのミニタブレット
タブレット端末には、現在大きく分けて7〜8inchのディスプレイを積んだミニタブレットと、9inch以上のディスプレイを搭載したフルサイズ機の2種類があります。どちらも出来る事自体は同じですが、小説・実用書・漫画の単行本などは、小型軽量なミニタブレットが丁度良いサイズと言えるでしょう。電車やバスの中での読書にも、このサイズの利用がおすすめです。
Amazon Fire HD8
先程、電子書籍リーダーのところでKindleシリーズを紹介しましたが、こちらのFire HD8は、そのタブレット版ともいえるモデルですね。OSにはAndroidをベースに開発されたAmazon独自のFire OSを搭載。Amazonのサービスと特に親和性が高くなるように設計されているので、Kindleストアで購入した電子書籍なら、わざわざアプリを立ち上げなくてもすぐに読むことができます。
タブレット端末としてはCPU性能がそれ程高くなかったり、GooglePlayを利用できないといったデメリットはありますが、価格は非常に手頃。本を読んだり、動画を見たりする程度なら性能的には十分であり、コスパの高いタブレットと言えます。
Fire HD8の基本スペック
・メーカー:Amazon
・本体サイズ:214 x 128 x 9.7mm
・重量:369g
・ストレージ容量:16/32GB(+microSD 400GBまで)
・Cellularモデル:なし
・防水:なし
・ディスプレイサイズ:8inch
・ディスプレイ解像度:189ppi
・ディスプレイ方式:液晶(カラー)
・バッテリー持続時間:10時間
・利用出来る電子書籍ストア:Amazonほか
iPad mini(2019)
iPad mini(2019)は、Appleから販売されている最新の小型iPadです。長年アップデートが見送られていたiPad miniシリーズですが、2019年ついに最新モデルが登場しましたね。
従来のモデルは同世代の他のiPadよりCPUなどの性能面で劣る事もありましたが、今回はiPhoneXSなどにも採用されるA12BionicチップをCPUに採用。性能面でも”最新”の名に恥じないものとなりました。
小型軽量で、専用のタッチペン「ApplePencil(第1世代)」にも対応。本を読むだけでなく、手書きのメモを書いたり、GarageBandなどのアプリで作曲や演奏も楽しめます。全体的にバランスの取れたミニタブレットであり、電子書籍を読む以外の活用の幅も非常に広いため、どれを選んで良いか迷ってしまった人にも最適な選択肢ではないでしょうか。
iPad mini(2019)の基本スペック
・メーカー:Apple
・本体サイズ:203 x 134.8 x 6.1mm
・重量:Wi-Fi 300.5g / Cellular 308.2g
・ストレージ容量:64/256GB
・Cellularモデル:あり
・防水:なし
・ディスプレイサイズ:7.9inch
・ディスプレイ解像度:326ppi
・ディスプレイ方式:液晶(カラー)
・バッテリー持続時間:最大9〜10時間
・利用出来る電子書籍ストア:Amazon/楽天/紀伊國屋ほか
電子書籍を読むのにおすすめのフルサイズタブレット
9inch以上のディスプレイを搭載したフルサイズのタブレットは、その大画面を活かし、ネットサーフィンから文書作成まで多くの用途に使えるのが便利なポイント。電子書籍も大きな画面でじっくり読むことができるので、特に雑誌をよく読む方にはおすすめのデバイスと言えますね。
ただし、サイズが大きくなった分、重量もやや重たくなってしまうのが大きなデメリット。このクラスになると、電車の中で片手持ちで読むというのは、男性でもちょっと辛くなってきますね。どちらかというと、家でじっくり読みたいという人におすすめの端末です。
Huawei mediapad m5 lite
Huawei mediapad m5 liteは、Android OSを搭載した中国HUAWEI社製のタブレット端末です。ディスプレイのサイズは約10.1inch。GooglePlayを利用してさまざまなアプリをダウンロードできるので、普段Androidスマートフォンを使っている方なら、違和感なく使う事が出来るのでしょう。
Huawei mediapad m5 liteの基本スペック
・メーカー:HUAWEI
・本体サイズ:243.4 x 162.2 x 7.7mm
・重量:約480g
・ストレージ容量:32/64GB
・Cellularモデル:あり
・防水:なし
・ディスプレイサイズ:約10.1inch
・ディスプレイ解像度:約224ppi
・ディスプレイ方式:液晶(カラー)
・バッテリー持続時間:不明
・利用出来る電子書籍ストア:Amazon/楽天/紀伊國屋ほか
iPad(第6世代,2018)
iPad(第6世代,2018)は、9.7inchのディスプレイを搭載したベーシックなiPadです。最新機種より2世代前のCPUを採用している為、動画編集など負荷の掛かる処理では最新機種にやや遅れをとりますが、電子書籍を読むなど、それ以外の作業ならストレスを感じることは少ないでしょう。
ApplePencil(第1世代)にも対応しているので、絵を描いたり、メモを取ったりすることも可能です。価格もiPadシリーズの中ではお手頃な部類に入るので、とりあえずiPadを試してみたいという方にもおすすめですね。
iPad(6th,2018)の基本スペック
・メーカー:Apple
・本体サイズ:240 x 169.5 x 7.5mm
・重量:Wi-Fi 469g / Cellular 478g
・ストレージ容量:32/128GB
・Cellularモデル:あり
・防水:なし
・ディスプレイサイズ:9.7inch
・ディスプレイ解像度:264ppi
・ディスプレイ方式:液晶(カラー)
・バッテリー持続時間:最大10時間
・利用出来る電子書籍ストア:Amazon/楽天/紀伊國屋ほか
iPad Air(2019)
「iPadは便利だけど、もう少し軽い機種が良い」という人にはこちらのiPad Air(2019)がおすすめ。先に紹介したiPad mini(2019)と共にリリースされたiPad Air(2019)は、最新のA12Bionicチップを搭載する薄型軽量な10.5inchタブレットです。
今回紹介した機種の中では最大のディスプレイサイズを誇り、漫画のカラーページかYouTubeなどの動画コンテンツまで、美しい画面で楽しむことが可能。また、ApplePencil(第1世代)と専用のSmart Keyboardにも対応しているので、簡単な作業ならPCの代わりを務めることも出来る優秀なマシンです。
軽さ・スペック・ディスプレイサイズの3点をバランス良く備えた機種で、電子書籍を読むのはもちろん、あらゆる作業を快適にこなせるタブレットとなっています。
iPad Air(2019)の基本スペック
・メーカー:Apple
・本体サイズ:250.6 x 174.1 x 6.1mm
・重量:Wi-Fi 456g / Cellular 464g
・ストレージ容量:64/256GB
・Cellularモデル:あり
・防水:なし
・ディスプレイサイズ:10.5inch
・ディスプレイ解像度:264ppi
・ディスプレイ方式:液晶(カラー)
・バッテリー持続時間:最大9〜10時間
・利用出来る電子書籍ストア:Amazon/楽天/紀伊國屋ほか
まとめ
今回は読書好きな方やこれから読書習慣を付けたい人の為に、専用の電子書籍リーダーや多機能なタブレット端末を紹介しました。記事中でも触れているように、どの機種もそれぞれ、得意分野やメリット・デメリットがあります。
普段どんな本を読むことが多いか、電車やバスの中でも使うか、本が読めれば良いのか動画なども見たいのかなど、購入前にどんな使い方をしたいのか決めておくと、ベストな機種が選びやすくなりますよ。
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