AirPods 2(with Wireless Charging Case)レビュー|完全ワイヤレスイヤホンの次世代スタンダード

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2016年12月に初代AirPodsが発売されて2年強、ついにその第2世代となるAirPods 2が発売になりましたね。AirPodsと言えば、当時はまだほとんど存在していなかった左右分離型の完全ワイヤレスイヤホンの先駆けとなった存在で、その完成度の高さから発売以来ずっとトップに君臨し続けている完全ワイヤレスイヤホンのスタンダードとも言える存在。

実際にAirPodsが発売されて以降、SONYやBoseと言った大手音響・AVメーカーからも続々と高音質・高機能をうたう完全ワイヤレスイヤホンが発売されましたが、AirPodsのシェアを奪い切ることはできずにいますね。最初はその独特の形状から「うどん」と揶揄されることもあったAirPodsですが、街中でも着用している人が多く、当初のような違和感を感じることもなくなっているのではないでしょうか。

そんなAirPodsですが、ワイヤレス充電ケースを引っさげて今回いよいよバージョンアップされ、第2世代となりました。早速Wireless Charging Case付きのモデルを購入して使用してみましたので、レビューしていきたいと思います。

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AirPods(第2世代)の進化点・スペック・ラインナップ

2019年3月20日に発表され26日に発売が開始されたAirPods(第2世代)。初代モデルからの変更点は主に、「新開発のH1チップを搭載したこと」と「Hey Siriに対応したこと」、「ワイヤレス充電ケースが選べるようになったこと」ですね。

初代モデルで採用されていたW1チップですが、AirPods(第2世代)では独自のオーディオアーキテクチャであるH1チップに刷新され、デバイス接続/切替が2倍高速化、通話時間が50%向上、音声の遅延(レイテンシ)が最大30パーセント低減など、進化しています。完全ワイヤレスイヤホンではレイテンシが問題になることが多いため、これはかなり重要なアップデートではないでしょうか。

また新たにワイヤレス充電ケースが選択できるようになった点も見逃せません。完全ワイヤレスイヤホンの充電は意外と忘れやすく、気づいたら電池が切れているということも多いため、置くだけで充電できるこの機能は非常に嬉しいですね。iPhoneなどですでにワイヤレス充電パッドを使っている人も多いと思いますので、AirPodsの充電がワイヤレスになることで受ける恩恵は大きいと思います。

ちなみに完全ワイヤレスイヤホンで気にすべきポイントであるバッテリーの持続性についてですが、再生は最大5時間/連続通話は最大3時間で、ケースを併用すれば再生24時間以上/連続通話は最大18時間と十分なものになっています。またケースに入れて15分間充電するだけで最大3時間の再生/2時間の連続通話が可能になる、という点も素晴らしいですね。

ラインナップとしては、新しいワイヤレス充電ケース付きの「AirPods with Wireless Charging Case」のほか、従来型のLightningコネクタで充電する通常充電ケース付属の「AirPods with Charging Case」、さらに初代AirPodsでも使えるワイヤレス充電ケース「Wireless Charging Case for AirPods」単体も用意され、価格はそれぞれ税別22,800円/17,800円/8,800円となっています。

外観

AirPods(第2世代)のパッケージ内容

今回購入したのはワイヤレス充電ケース付きの「AirPods with Wireless Charging Case」。やはり初代モデルからの進化点としてワイヤレス充電への対応は大きいと思いますので、やや価格は高価でしたがこのモデルにしました。

早速パッケージを開封しますが、やはりこのあたりはApple製品ならではの作りの良さを感じますね。小さいながらもやはりApple製品ということで、上質で丁寧なパッケージングです。

内容物はAirPods(第2世代)本体が収納されたワイヤレス充電ケースと充電用のケーブル、簡単な冊子のみ。非常にシンプルですね。

AirPods(第2世代)のデザインとサイズ感

初代モデルからデザイン・サイズ感については特に変更がありませんが、改めてその小ささを実感します。充電ケースは手のひらサイズで、イヤホン本体も重量が軽く本当にシンプルでミニマム。完成された美しいデザインと言えますね。この小さくシンプルな筐体の中に驚くほどの機能が詰め込まれているのが信じられません。

完全ワイヤレスイヤホンは充電ケースと共に持ち歩くことが多いですので、このコンパクトさというのは非常に重要な要素だと思います。イヤホン本体のデザインについては、発売当初は否定的な意見も多かったですが、今は街中でもよく見かけますし特に違和感も感じませんね。

ちなみに初代モデルと外観が全く同じで見分けがつきませんが、万が一左右で混ざってしまっても充電ケースに収納すると「世代の不一致」と表示されて教えてくれます。

AirPods(第2世代)の使用感

AirPods(第2世代)とiPhone/Macのペアリング

早速AirPods(第2世代)を使うためにペアリングをしていきますが、こちらもiPhoneで使う場合は初代モデル同様全く手間がかからず非常に簡単。充電ケースの蓋を開けてiPhoneに近づけるだけでAirPodsを認識してくれます。

ここで接続をするだけでペアリングが完了しすぐに使い始めることができます。他の完全ワイヤレスイヤホンをはじめ、Bluetooth機器は最初のペアリングや設定が面倒なことも多いですが、さすがApple製品同士ということでその親和性は非常に高く、一瞬で使い始めることができますね。

一度iPhoneとペアリングしてしまえば、あとは同じiCloudアカウントでサインインしているiPadやMacでもそのまま使うことができます。切り替えも非常にスムーズでシームレスですね。これこそまさにAirPodsの真骨頂とも言える機能で、私のように普段Apple製品を使う機会が多い人間にとっては、非常に快適な機能だと思います。

軽くて疲れないストレスフリーな装着感

一部では耳から外れやすいと意見も出ているAirPodsですが、私の耳にはぴったりでした。犬を連れての散歩で少し走ってみたりもしましたが、耳から落ちそうになるという経験はなく、私にとっては非常に良いフィット感と言ったところですね。

AirPodsを購入するまでは、BeoplayのE8という完全ワイヤレスイヤホンをメインで利用していたのですが、こちらは耳栓のように耳の奥までイヤホンを入れるカナル型というものです。カナル型はシリコン製やウレタン製のイヤーチップが使われており、耳にぴったりとフィットするという意味では装着性が良く遮音性も高いのですが、その欠点は長時間利用していると耳が疲れる・痛くなりやすいということですね。

その点耳にかけるだけのインナーイヤー型で、かつ4gと非常に軽いAirPodsは、開放感があり長時間装着していても疲れることがありません。代わりにカナル型のような高い密閉度・遮音性は望めませんが、普段使いや長時間利用には最高の装着感と言えます。

音質は常用レベルでは必要十分

前述の通り、AirPodsはオープンなインナーイヤー型のため、その遮音性は高くありません。そのため音質については、かなり周囲の環境に左右されることになります。

まず周囲が静かな環境で使用した感想としては、かなり音質はよく感じました。フラットで解像感の高い音で、ストレスなく聞ける音という感じですね。インナーイヤーにしては低音もしっかりと出ている印象です。もちろんもっと高音質なワイヤレスイヤホンは数多く存在しますし、有線イヤホンと比較すれば高音質とは言えませんが、完全ワイヤレスイヤホンとしては十分すぎるくらいの音質だと思います。

一方外や電車の中など、比較的周囲がうるさい環境では、やはり遮音性の低さがデメリットとなります。どうしても周囲の騒音が混ざってくるため音質の低下を招いてしまいますし、音量を比較的あげないと音楽を聞くのが難しいと感じる場面もありましたね。

ただ流し聴きのようなカジュアルな使い方や常用する上では必要十分な音質と言えるのではないでしょうか。騒音の中でもしっかりと音楽に聞き入りたいというような使い方には向いていませんが、完全ワイヤレスイヤホンのメリットは音質よりもその利便性の高さであることを考えると、AirPodsの音質よりもストレスフリーさを優先する思想は間違っていないように思います。

また通話時の音質は非常に明瞭ですね。相手の声はよく聞き取れますし、こちらの声もしっかりと通話先の相手にはクリアに届いているとのことでした。完全ワイヤレスイヤホンは通話に使う機会も多いですので、これもAirPodsの優れたポイントと言えそうです。

操作性が高く快適さは最高レベル

これは初代から変わらない機能ですが、耳に装着するだけでペアリングが完了するのは非常に快適です。また耳からの着脱で音楽の自動停止・再生ができる点も素晴らしいですね。外出時や犬の散歩中の挨拶、コンビニやスーパーでの支払い時など、ちょっと音を止めて会話が必要なシチェーションというのは結構ありますが、片耳からAirPodsを外すだけでこれができるというのは感動レベルの便利さです。

実際の操作では左右それぞれダブルタップによるアクションが可能。デフォルトではどちらもSiriが設定されていますが、iPhoneの設定>Bluetooth>AirPodsを選択することでタップ時の挙動を変更することができます。

選択できるのは「Siri」「再生/一時停止」「次のトラック」「前のトラック」「オフ」の5種類。「再生/一時停止」はAirPods本体を耳から外すだけで可能ですし、第2世代AirPodsでは声で呼びかけるだけでSiriが起動する「Hey Siri」に対応したこともあり、私は右に「次のトラック」左に「前のトラック」を設定しました。

ダブルタップ検知の感度は非常に良く、ほとんど誤作動することもありません。タップ対応のワイヤレスイヤホンは感度が悪かったり良すぎたりで操作性が悪いものも多いですが、この絶妙な感度もAppleならではのチューニングと言えますね。

第2世代で新たに追加された「Hey Siri」もハンズフリーの快適な操作性を実現するための重要な機能のひとつです。こちらも感度は非常に良好。小声で「Hey Siri,ボリュームを上げて」と言えば音量を上げてくれますので、外で使っても恥ずかしくないと思います。もちろんAirPods自体の操作だけでなく、アプリの起動やタイマー設定、単純な質問にも回答してくれるため利用機会はかなり増えそうですね。

バッテリーの残容量はiPhoneのウィジェットから確認可能で、この辺りも抜かりのない便利さ。使用者が操作を気にかけることもなく、様々なことが自動・ハンズフリーで実現できるAirPodsの操作性は、完全ワイヤレスイヤホンとして最高レベルだと思います。

AirPods(第2世代)の接続は非常に安定

完全ワイヤレスイヤホンを使う上で非常に重要な要素のひとつとも言えるのが接続安定性です。完全ワイヤレスイヤホンはデバイスとの接続に加え、左右のイヤホン同士の接続も完全に無線になるため、音切れや急な切断などの発生頻度が問題になることが多いですね。

それを解決するためにNFMI(近距離磁界誘導)と呼ばれる技術を採用している完全ワイヤレスイヤホンがあり、実際に私が使用しているBeoplay E8もNFMIを採用した機種ですがその接続安定性の高さを実感しています。

さて、そんなNFMI採用機種と比較してAirPodsはどうかと言うと、全く遜色がない安定性を誇っていますね。AirPods自体はNFMIを採用している/採用していないと2つの噂があり、公式には何も発表されていないため真偽のほどは不明ですが、この接続安定性は間違いなくNFMI採用機種に劣らないと断言できるレベルです。

普段の散歩の他、電車や車内でもAirPodsを利用してみましたが、今の所ほとんど接続不良・音切れは発生していません。今までの経験上、完全ワイヤレスイヤホンを含むBluetoothイヤホンは、人や交通量が多いところでは不安定になりがちですが、AirPodsはかなり安定していますね。

動画・ゲームの遅延はほぼなし

AirPods(第2世代)でのYoutube視聴を試してみましたが、遅延はほとんど感じませんでした。ワイヤレスイヤホンで動画を視聴すると、口の動きと音がズレるという問題がよく発生しますが、AirPodsでは全く気にならないレベルですね。

またゲームも同じようにほとんど遅延を感じません。初代AirPodsと比較して最大30パーセントほど遅延が低減しているということで、その効果を実感できますね。アクションゲームなどでは画面上のエフェクトや挙動と音のズレを感じることはなく、快適にプレイ可能です。

ただしリズムに合わせて画面をタップするようなシビアなタイミングが要求される音ゲー(リズムゲーム)では、効果音が若干遅れますね。それでも初代AirPodsをはじめ、他の製品より遅延はかなり抑えられており、全くプレイできないということもないため、他の完全ワイヤレスイヤホンでは遅延が気になるという場面でも十分に使えると思います。

ワイヤレス充電ケースの使用感

今回発売されたAirPods(第2世代)の大きな進化点のひとつとも言えるのが、このワイヤレス充電ケースの採用ですね。私はiPhone用にすでにワイヤレス充電パッドを使用しており、置くだけ充電の便利さがよくわかっていたので、今回もワイヤレス充電ケース付きを購入しました。

実際にAirPodsのワイヤレス充電を体験して、この選択は間違いではなかったと実感しています。過去にたくさんのBluetoothイヤホン/完全ワイヤレスイヤホンを使用してきましたが、充電するのを忘れていて、いざ使おうとするとバッテリーが切れて使えない、という経験をよくしていました。そのため、ラインナップの中にはLightningケーブルで充電する通常ケース付属版も存在しますが、やはりワイヤレス充電ケースのメリットはかなり大きいと感じていますね。

ちなみに私が使用している充電パッドはBelkinのBoostUpワイヤレス充電パッドの5Wのモデル。充電時間について計測してみると、ケースのバッテリーが0の状態からワイヤレス充電を開始して1時間ほどで50%まで回復、およそ2時間程度で満充電になりました。5Wの充電パッドでこのスピードですので10Wタイプなどを使えばもっと高速に充電できるかもしれません。

耳から外して充電ケースに入れ、そのまま充電パッドの上に置くという一連の流れで、バッテリー切れとは無縁になるというのは本当に快適です。すでにiPhoneなどで充電パッドを持っている人でAirPods(第2世代)の購入を検討している人は、通常ケース版ではなく「AirPods with Wireless Charging Case」の購入を強くおすすめします。

ちなみにBelkinからはApple Watchも同時充電できるモデルや10Wのモデルなど、色々と最新モデルのワイヤレス充電器が販売されています。買い替えを検討していますので、いずれレビューしたいと思います。

国内正規品 belkin ベルキン BOOST UP ボールドワイヤレス充電パッド (ホワイト)
Belkin

まとめ

AirPodsはカナル型ではないため遮音性はありませんし、ノイズキャンセリングや外音取り込みのようや多機能さもありません。しかしそれを補って余りあるほどの、使用感の高さがあり、その快適性はまさにあらゆる面でストレスフリーを体現しています。ペアリングはこれ以上ないくらい簡単でデバイスの切り替えもスムーズ、本体は非常に軽く、耳からの着脱でペアリング・音楽の再生・停止が全て自動でおこなわれるという点は、他にはないメリットではないでしょうか。

接続安定性や遅延(レイテンシ)の低さなど、完全ワイヤレスイヤホンとしての最重要ポイントはしっかり抑えつつ、さらにワイヤレス充電にも対応したこの第2世代AirPodsは、常用するには最高のイヤホンと言え、ストレスフリーな体験をもたらしてくれます。まさに次世代の完全ワイヤレスイヤホンのスタンダードになること間違いなしと言えますね。

実際に、より高音質で遮音性も高いBeoplay E8をメイン利用していた私ですが、今ではAirPodsの利用頻度の方がかなり高くなっています。もちろんBeoplay E8自体は非常に素晴らしい完全ワイヤレスイヤホンですので、しっかりと音楽を楽しみたい時や周囲の騒音が気になる時はこちらを使いますが、カジュアルな常用使いや長時間の利用にはAirPodsのほうが使いやすく、使い分けをおこなっているという感じですね。

このように、すでに完全ワイヤレスイヤホンを持っている人にもおすすめできる第2世代AirPods。Apple製品を多く持っている人はその恩恵を最大限に受けることができると思いますし、iPhoneしか持っていないという人も素晴らしいワイヤレスイヤホン体験ができると思いますので、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。

ちなみにNFMI採用で接続安定性が高く、音質も完全ワイヤレスイヤホンの中では最高クラス、デザインもスタイリッシュでAirPodsに負けないくらいの良イヤホンと言える、Beoplay E8についてはこちらでレビューしています。

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私が所有しているのは旧モデルですが、現在はワイヤレス充電に対応したBeoplay E8 2.0が販売されており、より便利に使えるように進化しています。

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