自宅でもレストランで出てくるような、肉汁たっぷりの美味しいレア肉を作ることができる低温調理器。ローストビーフや塊肉ステーキを自宅でも手軽に楽しめるということで、最近話題の調理家電ですね。牛肉に限らず豚肉や鶏肉、魚介類もジューシーに仕上げることができ、様々なレシピが公開されています。
そんな低温調理器ですが、海外では既に様々な商品が販売されているものの、日本ブランドではまだ取り扱いが少ないのが現状。そのため具体的にどんな商品が販売されていて、どんな商品を買えばいいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は人気の低温調理器を、海外製・日本製問わず全部で5種類厳選。低温調理器そのもののメリットや選び方と合わせて、各商品の特徴について比較しながら紹介していきたいと思います。
低温調理器の特徴と使用するメリット
低温調理器とは、その名の通り低い温度で食材を調理する時に使う商品です。通常の焼く・煮る調理ではタンパク質の性質の1つである熱凝固により、食材から多くの水分が逃げてしまいます。しかし、低温調理器を使用し低温でじっくりと加熱していくことで水分が逃げてしまうことを最小限に抑え、ローストビーフのようなミディアムレアな肉料理も簡単に楽しむことができるようになります。
旨味や栄養素を逃さずに美味しい料理を楽しめるだけでなく、調理が簡単なのも低温調理器の魅力のひとつ。下ごしらえをした食材を耐熱袋に入れ、真空状態にした後に水を入れた鍋に投入、低温調理器を鍋にセットすれば、あとはタイマーが鳴るまで放置するだけで料理が完成します。料理に苦手意識がある方や、美味しい料理をできるだけ手間なく自宅で楽しみたいという方にはピッタリの商品と言えるでしょう。
低温調理器は火を使わない調理方法なので、お子様と一緒に料理を作りたい時にも最適です。
低温調理器の選び方
低温調理器を選ぶとき、最初にチェックしたいのは最大水量・加熱パワーについてです。一度にたくさんの料理を作りたい場合、大きな食材を取り扱う場合にはできるだけ加熱パワーが強く、水量の対応上限が大きい商品を選ぶようにしましょう。数値を見てもイメージがつきにくい場合は、ご家庭にあるお鍋の水量をあらかじめチェックしておくと安心ですよ。
低温調理器の中にはWi-FiやBluetoothと連動することで、専用のアプリを通してスマホで機器操作を行うことができる商品も販売されています。スマホ連動可能な商品であれば、キッチンと離れた場所にいても温度管理や時間調整も楽々。無くても困ることはない機能ですが、便利なことに間違いはないため、気になる方は機器の搭載有無もチェックしてみてくださいね。
また購入の際には日本製か海外製かという点も必ずチェックするようにしましょう。低温調理器はまだまだ日本ではマイナーな商品のため、海外製品の商品が多く取り扱われているのが現状。海外製品を購入する場合にはコンセントのプラグの形に注意が必要です。
日本のコンセントはAタイプのプラグを使用していますが、形状は国によって異なるため、商品によっては別途変換プラグの購入が必要になる場合も。海外製品では不安という方や、変換プラグをわざわざ購入するのは避けたいという方は日本製の商品を選ぶことをオススメします。
人気の低温調理器5個を徹底比較
Anova Precision Cooker Nano
低温調理器の元祖とも呼べる製品が、アメリカで販売されているこちらのAnovaシリーズですね。Precision Cooker NanoはAnovaシリーズの中でもおたまや泡立て器など、頻繁に使用されるキッチン用品と同じくらいのミニマムなサイズが特徴的。重さが700gと軽いので、水量が少ない時の調理やお鍋自体が軽い場合にも使いやすいですよ。
調理できる最大の量は20L、出力パワーは750Wと見た目によらずとってもパワフル。本体は鍋に引っかけることができるデザインになっているので、調理中に倒れてしまう心配もありません。スマートフォンとBluetooth、Anovaの専用アプリをダウンロードすれば他の部屋からでもスマホで進捗状況の確認・調整を行うことができますよ。
調整可能温度は32~197F(0~91℃)。初期設定では華氏が適用されているため、「Anova Culinary」アプリから設定の変更が必要です。0.1℃というかなり細かい精度で温度の調整ができるので、レア状態で仕上げたかった料理が加熱のし過ぎでミディアムになってしまうこともありませんね。
ただアメリカ製でプラグが3Pのため、使用のためには別途変換プラグの購入が必要なことだけ注意するようにしてください。実売価格は15,700円前後。Amazonや楽天にて並行輸入品が販売されています。
製品サイズ 高さ×幅(mm) | 325×56 |
設定時間 | 最大99時間 |
電源コードの長さ | -(不明) |
BONIQ 低温調理器
日本初の低温調理器専門ブランドであり、販売している低温調理器は現在までに累計販売数1万台を突破したBONIQ。様々なテレビ雑誌からでも取り上げられたことのある商品であることから、既にご存知の方も多いのではないでしょうか。
対応水量は5~15Lと家庭用の調理であれば十分の食材量を一度に調理でき、最大800Wのパワーでじっくりと加熱をしてくれます。加熱温度の範囲は5~100℃までとAnova商品と比較してさらに幅広く、0.5℃単位の細い設定することができるのも便利ですね。本体側面にはネジが取り付けられており、鍋に固定しながら調理を行うことができる仕様になっています。
BONIQの何よりもの特徴は既に記載した通り日本製品であること。もちろん使用に変換プラグは必要ありません。マットな質感がおしゃれなデザインなので、見栄えにこだわりたいかたにもオススメの商品と言えるでしょう。メーカー保証が1年間と長いのもポイントですね。実売価格は18,610円前後となっています。
製品サイズ 高さ×幅(cm) | 37×10(最大)・6(最小) |
設定時間 | 1分~99時間59分 |
電源コードの長さ | 1.5m |
AUKUYEE Sous vide
AUKUYEEのSous videは大型LED液晶が特徴的な低温調理器。画面には電源ボタンや温度調整ボタンが内蔵されている他、水温や時刻、調理状況まで表示されるようになっています。細かい調理状態を確認しながら料理を作りたいという方に最適ですね。低温調理器の中心に取り付けられているステンレス製のスリーブが360℃回転して水を撹拌。容器全体に均一に熱を伝えることで、ムラなく食材を加熱してくれます。
16cm程度の深さがあるお鍋にぴったりな商品で、加熱パワーは1,100Wと低温調理器の中でもかなりのハイパワー。本体横にはクリップが付属されているので、調理中は挟んで固定しておくことができます。設定可能温度は0~99.9℃と一般的な機能レベルですが、0.1℃という小刻みな設定ができる点はこの商品ならではの特徴です。
海外製ではあるものの、日本語のマニュアルが同封されているので「買ったのは良いけれど、取り扱い方が分からない!」ということが起こる心配もありません。実売価格は7,500円前後となっています。
製品サイズ 高さ×幅×奥行(cm) | 34×8×17 |
設定時間 | 0分~99時間59分 |
電源コードの長さ | 約120cm |
Wancle Sous Vide M300
Amazonでベストセラー1位を獲得しているのがWancle のSous Vide M300。AUKUYEEと同様に大きな液晶がありますが、時間表示はなく設定温度と現在の水温のみが表示される仕様となっています。湿気でも曇りにくい工夫がされているので、調理中のディスプレイ確認も楽にできるのではないでしょうか。
設定可能温度は25~99.9℃と下限が他の製品と比較して高めに設定されていますが、そもそも0~24℃の設定温度を使用する場面は少ないため特に気にすることはないでしょう。温度の設定はディスプレイ横のダイヤルで設定する仕様となっています。±0.1℃という精密な温度制御で、一定温度を保ちながら調理してくれます。稼働音が静かなため、寝ている間にじっくりと調理させておくのも良いですね。
加熱対応容量は15~19Lまでと範囲が若干狭いため、自宅にある鍋の水量を一度確認してから購入するのが良いでしょう。本体に取り付けられているネジは上下稼働式のため、鍋の深さにはある程度対応ができるようになっています。
30日間の無料返品期間と、2年間の保証があるのもこの商品の魅力的なポイント。実売価格が7,580円前後と、比較的手頃な価格な点も嬉しいですね。
製品サイズ 高さ×幅×奥行(cm) | 36×20.5×9 |
設定時間 | 0分~99時間59分 |
電源コードの長さ | -(不明) |
富士商 Felio Sousvide cooking 低温調理器 F9575
日本製にこだわりたい人に最適なのが、この富士商の低温調理器。評価が高く、かつお手頃価格で購入できる商品につけられるAmazon choiceにも選ばれている人気商品です。
温度は0~95℃の間で設定可能。本体の液晶画面下に内蔵されているボタンで設定する仕様になっています。0.5℃ずつ刻み細やかな温度変更ができるのも便利ですね。出力は1000Wとハイパワーで、素早く食材を加熱してくれます。
調理完了1分前に電子音で教えてくれるため、調理中は他の家事を片付けることもできます。蒸発により水位が本体に彫刻されている「MIN」のラインを下回ると、警告音が3分間鳴る仕様になっているため、蒸発等でいつの間にか水が減ってしまっているという時にすぐに気づくことができて便利ではないでしょうか。
AUKUYEE・Wancleの製品は本体重量が2kg以上とかなり重みがありますが、この商品は1.2kgと比較的軽いため、軽量鍋で調理する際にも低温調理器の重さに負けて鍋が倒れてしまうこともありません。他の商品と比較すると若干コンセントの長さが短いので、合わせて延長コードを購入しておくと安心ですよ。実売価格は10,000円前後となっています。
製品サイズ 高さ×幅×奥行(cm) | 37×16×8 |
設定時間 | 0分~99時間59分 |
電源コードの長さ | 108cm |
まとめ
ひとことに低温調理器と言っても、Wi-Fi・Bluetooth機能がついていたり、設定可能温度幅が異なっていたりと、各商品によって搭載されている機能は様々ですね。海外製の商品の中には温度の初期設定が華氏になっているものや、変換プラグが必要なものもあるため、購入の際には事前に使用のために必要となるものを確認しておくようにしましょう。
低温調理器は様々な調理が楽しめる上、料理の苦手な人でも放置するだけで簡単に高級店のような料理を作ることができるということもあり、今注目のとても便利な調理家電のひとつです。ぜひ家にある容器のサイズや、作りたい料理のボリュームに合わせて、最適な低温調理器の購入を検討してみてはいかがでしょうか。
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