フルサイズミラーレス一眼カメラを徹底比較!ソニー、キャノン、ニコン、パナソニックの4社の中からおすすめモデルを紹介

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スマホの普及により日常のちょっとした写真はスマホのカメラで撮るという人も多くなっていますよね。実際にデジカメの販売台数も、最近はやや回復傾向にありますが、ピーク時からは大きく減少しています。

しかしいくらスマホカメラが進化したとは言え、やはり手軽さ以外ではデジタル一眼には敵いません。スマホの小さなモニターで見る分には綺麗ですが、大画面に表示したり、大きく印刷する場合は、その差もはっきりとわかるため、私も含めデジタル一眼愛用者もまだまだ多いのではないでしょうか。

そんな中で今注目を集めているのが、フルサイズのミラーレス一眼カメラ。もともとこのジャンルの製品はソニーのα7シリーズしか存在しませんでしたが、今年に入ってカメラの2大メーカーであるキャノンとニコンが参入してきました。そこで今回は、そんな3社のミラーレス一眼カメラの比較と、おすすめモデルの紹介をしていきたいと思います。

フルサイズミラーレス一眼カメラとは

製品の比較をする前に、まずはフルサイズミラーレス一眼とは何かということを、簡単に解説したいと思います。まずはミラーレス一眼カメラについでですが、これはその名前の通りミラーを省いた構造をしたデジタル一眼カメラのことですね。

通常一眼レフカメラはファインダー越しに撮影像を見るために、センサー前にミラー(レフ)を配置してレンズから入る映像を反射させています。しかしミラーレスではこのミラーがなく、センサーに直接入ってくる景色を映像に変換して、「電子ビューファインダー」や「液晶モニター」に映しています。こうすることでミラーレス一眼は本体の軽量化や小型化、静音化に成功するとともに、リアルタイムに画像処理をすることでファインダー(液晶モニター)越しに実際の写真の仕上がりに近い画像を確認できるというメリットが生まれました。最近では通常のデジタル一眼レフカメラに並ぶ勢いで販売台数を伸ばしていますね。

もちろんメリットだけでなくデメリットもあり、その構造上ピント合わせ(オートフォーカス)の速度が遅く追従性も弱かったり、映像の変換などが必要なことからファインダー表示にタイムラグが発生したりすることも。しかし技術的な進歩もあり、最近の機種では十分にオートフォーカスも早く、デジタル一眼レフとほとんど遜色がないレベルになってきています。今ではよほどシビアな撮影でない限りは、ミラーレス一眼でもクオリティの高い写真が撮れるようになっていますね。

そしてもうひとつ、フルサイズについてですが、これはイメージセンサーのサイズを表しています。イメージセンサーのサイズはカメラの画質を決定づける大きな要因のひとつでもあり、大きければ大きいほど、取り込む光の量も増えて画質(解像度の高さ/繊細な色の明暗差や濃淡の表現力/ノイズの少なさ)が良くなります。同じ画角で比べた場合、一眼特有の背景のボケもセンサーサイズが大きいほど良くボケるようになりますね。

そんなイメージセンサーサイズには、デジタル一眼レフでよく使われるAPS-Cやフォーサーズなど、いくつかの種類がありますが、商業用に使われることが多い中判サイズに次いで、フルサイズは2番目に大きいサイズ。中判カメラは非常に高価で完全にプロ向けと言えるサイズのため、一般向けとしてはフルサイズが最も大きいサイズですね。その大きさはなんとAPS-Cに対して231.7%。どれくらい大きいかがわかると思います。

つまりフルサイズミラーレス一眼とは、ミラーを使わない構造でフルサイズのイメージセンサーを搭載したデジタルカメラということですね。ミラーレスのメリットである小型・軽量・静音・リアルタイム画像処理による画像確認に加え、フルサイズの高画質さを両立した、まさにこれからの主流になるであろう最高のデジタルカメラです。

SONY α7 III/α7R III

フルサイズミラーレスと言えば、ソニーがいち早く製品化をしたジャンルで、まさに先駆者とも言える存在。代を重ねるごとに進化しており、その圧倒的な画質には定評がありますね。そんなソニーのフルサイズミラーレス最新機種となるのが、α7 IIIとα7R IIIの2モデルです。

先んじて発売されたα7R IIIは、高解像度を重視したα7シリーズの上位モデルと呼べる製品。特徴は何と言ってもその解像度の高さで、4240万画素と言う非常に高い画素数にローパスフィルターレス仕様により解像感の高い写りを実現。さらに手ブレ補正がα7 IIIよりも0.5段高い5.5段となっており、これは発表当時において世界最高となっていました。写真の質にこだわりたい人にとって、非常に魅力的な特徴を持ったカメラと言えますね。

AF性能もすばらしく、新たにα7R III用に最適化されたAFアルゴリズムにより、低照度時のAF速度や動体追随性能が、従来比最大約2倍と飛躍的に進化。像面位相差AFの測距点は399点、コントラストAFの測距点が425点と、より多分割化し、AF精度も大きく向上しています。AF/AE追随高速連写は最高約10コマ/秒まで可能で、決定的瞬間も逃さず撮影することができる、高解像度フルサイズカメラとなっています。

一方で後から販売されたα7 IIIは、フルサイズミラーレスのスタンダードモデルです。しかしその性能は上位モデルにも負けておらず、有効約2420万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーと、新世代の画像処理エンジンBIONZ Xが生み出す画像は圧巻の一言。常用ISO感度512000までという広い感度域に、広ダイナミックレンジ、より高くなった色再現性により、舞い上がる砂粒が一つ一つまで際立ち、人物撮影の際は肌の色がより鮮やかに描写されます。

オートフォーカスも圧倒的な性能となっており、像面位相差AFセンサーの測距点はα7R IIIの399点の倍に近い、693点を搭載。これはSONYのフラグシップ製品であるα9に匹敵する数であり、まさに革新のAF性能と言えます。4Dフォーカスにより実現される、高速なAFレスポンスや精度の高い動体追随性能、「コンティニュアスAF(AF-C)」にも対応する瞳AF機能など、撮影機能も素晴らしいですね。

デュアルカードスロットルを搭載した事で、SDカードを2枚入れておくことも可能に。1枚目を使いきったとしても、差し替えることなく撮影を続けられるため便利です。バッテリーも高容量化し、ミラーレスカメラとして業界最大となる710枚の静止画撮影が可能。さらに光学式5軸ボディ内手ブレ補正や、高解像・高コントラスト・高速起動の有機ELファインダーなど、あらゆる面で撮影時の快適性と操作性、信頼性を実現したカメラとなっています。

a7R IIIは上位モデルならではの圧倒的な高解像/高画質を体現しており、プロカメランでも満足するような高性能フルサイズミラーレスと言えますね。一方でα7 IIIはスタンダードモデルとは思えない撮影性能でありながら、α7R IIIよりも10万円以上抑えられた手の届きやすい価格で、フルサイズミラーレスを使ってみたいと思う全ての人におすすめできるモデルとなっています。

ニコン Z7/Z6

フルサイズミラーレスはソニーの独壇場となっていましたが、その高い人気と評価を受け、ニコンからも新たにフルサイズミラーレスが発表になりました。新たなブランド名称として「Z」を冠した2機種、Z7とZ6です。ラインナップとしてはちょうどソニーのα7R IIIとα7 IIIを意識した形となっており、Z7が高解像モデル、Z6がスタンダードモデルという位置付けですね。

レンズマウントは新設計となるZマウントを採用。内径55mmの大口径マウントと16mmの短いフランジバックが特徴で、より明るく高解像なレンズへの対応に主眼を置いて開発された次世代レンズマウントとなっています。このZマウントで提供されるのは、F0.95などの超大口径かつ明るく高解像なレンズで、ピント精度などもこれまで以上に追及したものになるようですね。

両機種共通の仕様としては、ニコンFXフォーマットで初めてとなる像面位相差AFを搭載。撮像素子全面にAFポイントを配置することで、AF性能と画質両立しています。さらにコントラストAFと組み合わせた新開発のハイブリッドAFとなっており、AF精度に期待ができそうですね。さらに、手ブレ補正はニコン初であるボディ内センサーシフト式手ブレ補正となっており、Yaw、Pitch、Rollの5軸で補正効果は5段分。高い手ブレ補正効果を実現しています。

Z7とZ6の大きな違いは画素数ですね。Z7はα7R III同様、画質にこだわった高解像度タイプのカメラということで、4575万画素のローパスレス仕様にAF測距点数は493点。常用感度はISO64~25600(拡張設定ではISO102400まで)、連続撮影速度は約9コマ/秒となっています。

一方でどんなシーンでも活躍できるオールラウンドモデルとなるZ6は、2450万画素にAF測距点数は273点。常用感度はISO100~51200(拡張設定でISO204800まで)で、連続撮影速度は約12コマ/秒となっており、優れた撮影性能と高感度を両立していますね。

画像処理エンジンは、共通して最新の「EXPEED 6」を搭載。解像度を保ちながら効果的にノイズを抑制できるようになった他、処理性能が向上したことで、さまざまな機能が追加されています。例えば新たなピクチャーコントロールでは、ミドルレンジシャープが登場。設定を変更すれば、葉の輪郭がより鮮明な写真が撮る事が可能になります。

他にも独創的な表現を可能とする20種類のクリエイティブピクチャーコントロールなど、多彩な機能も新しく加わっていますね。シャッター音や動作によるブレをなくすサイレント撮影も搭載し、結婚式や美術館と言った静かな場所での撮影にも使えますね。

ただ個人的な印象としては、意識していると思われるα7 IIIやα7R IIIと比べてスペック面で特別優れていると感じる部分はないため、これならα7 IIIやα7R IIIで良いように思います。まだ新製品ということもあるとは思いますが、価格もα7 IIIやα7R IIIより高いですし、AF測距点数などは物足りなく、やはりセンサー性能やフルサイズミラーレスとしての作りはソニーが1歩先に進んでいると言えますね。

ただ次世代レンズ群などが出揃った時にその評価は変わるかもしれませんし、また従来のFマウントレンズに対応するアダプターも販売されるため、すでにFマウントレンズを持っている人は、レンズ資産を活かすという意味で、Z6/Z7は購入する価値があるように思います。

CANON EOS R

デジタル一眼カメラとしては圧倒的なシェアを誇っているキャノン。プロからカメラ初心者まで幅広いユーザー層を抱え、デジタル一眼と言えばキャノンというイメージでしたが、最近のデジカメ市場はデジタル一眼よりもミラーレスが販売数を伸ばしており、ミラーレスで人気の高いソニーやパナソニック、オリンパスにやや押され気味な印象でしたね。そんなキャノンからも、ついにミラーレス一眼最高峰となるフルサイズ機、EOS Rが発表になりました。

EOS Rの最大の特徴とも言えるのが、新たに開発された内径54mmの大口径マウント「RFマウント」を採用していること。フルサイズミラーレスに合わせた新型マウントということで、この辺りはニコンのZ7/Z6と同じ試みですね。高画質を追求できるショートバックフォーカスに新マウントの通信システムにより、従来のEFマウントでは不可能なレベルの高画質化や高機能化を実現したと語られており、実際に魅力的なレンズラインナップが発表されています。

イメージセンサーには現行モデルである「EOS 5D Mark IV」に近い3030万画素のデュアルピクセルCMOSを採用。ちょうどα7 III/α7R IIIやZ6/Z7の間をとったような画素数ですね。驚くべきはそのAF速度で、各画素が撮像と位相差AFの両方を兼ねる「デュアルピクセルCMOS AF」と、「RFレンズ」の駆動制御を最適化したことで、最速約0.05秒の高速AFを実現しています。

AFエリア任意選択時は、ピントを合わせたい場所を最大5,655のポジションから選べるということで、こちらも驚異的なポイント数を実現。かなり自由な構図で撮影できるようになっていますね。さらにEOSシリーズとしては初となるEV-6という低輝度でのAFも可能になり、肉眼では暗すぎて被写体の確認ができないような状況でも、高精度にピントを合わせてくれます。常用ISO感度も100~40000となっており、撮影性能にはかなり期待が持てますね。

センサーと並んで重要な画像処理エンジンには、最新世代となるDIGIC 8を搭載。センサー性能をしっかりと引き出し、より自然で滑らか、かつ繊細な描写を可能にしています。またソニーと同じく瞳AFも搭載していますね。瞳AFは一度使うとやめられないほど便利すぎる機能で、ソニーユーザーからの評価も非常に高い機能ですので、これは良い判断ではないでしょうか。

気になるのは本体サイズで、ニコンのZ7/Z6(約134×100.5×67.5mm)よりもさらに大きくなっています。Z7/Z6自体がソニー α7シリーズよりも大きいため、α7シリーズと比べるとかなり大きく感じそうですね。グリップのしやすさという点では有利かもしれませんが、小型化がひとつのメリットでもあるミラーレス機ですので、本体サイズが大きいのはやや気になります。またボディ内手ブレ補正がないため、この辺りを重要視する場合は、ソニーやニコンに軍配が上がるといったところでしょうか。

ニコンがZ7/Z6を発表した直後の発表ということもあり、かなり注目されたEOS Rですが、1ラインナップで高解像モデルとスタンダードモデルの良いとこどりをしたようなカメラとなりましたね。その分何かに特化しているという訳ではありませんが、性能も申し分なく価格も23万7000円と非常に手を出しやすくなっています。現行のEOSシリーズに使われている「EFマウント」のレンズに対応するマウントアダプターにより、レンズ資産を活かすこともできるため、多くのキャノンユーザーのフルサイズミラーレス購入の選択肢に入ってきそうです。ソニーの独壇場だったフルサイズミラーレスの市場にどこまで食い込めるか注目ですね。

パナソニック LUMIX S1R/S1

ニコン、キャノンに続き、ダークホース的存在のパナソニックも、まさかのフルサイズミラーレスを発表しました。今回発表になったのはLUMIX S1RとS1の2機種で、プロ用として位置付けられたモデル。2019年春に発売予定ということで、まだかなり先にはなりますが、大きな注目を集めています。

特徴はドイツのハイエンドカメラブランド「ライカ」が、ミラーレス一眼に使用している「ライカLマウント」を採用したこと。この「ライカLマウント」は、ライカ、パナソニック、シグマによるアライアンスの樹立が発表され、今後3社による協業で育てていくということで、非常に楽しみな存在となっています。

センサーについてはS1が約2400万画素、S1Rは約4700万画素のフルサイズセンサーを搭載し、ソニー・ニコンと同じく高解像モデルとスタンダードモデルという形になるようですね。また両モデルとも、フルサイズミラーレスカメラとしては世界初となる、4K/60Pによる動画撮影に対応し、高解像度で滑らかな動画が撮れるようになっています。

本体性能としてはボディ内手ブレ補正機構を搭載し、さらにレンズ内手ブレ補正とリンクさせることで、高い手ブレ補正効果を実現する「Dual I.S.」に対応。これは動画撮影時にも威力を発揮しそうですね。加えてDFDによる高速AF、XQDとSDのデュアルスロット、3軸チルト液晶、防塵防滴に耐低温と、まさに全部入りと言っても過言ではない性能になっており、プロ用として納得の仕上がりになっています。

まとめ

2018年に入り、相次いでフルサイズミラーレスに各社が参入してきましたね。フルサイズミラーレスは長年ソニーのみが製品を投入している市場でしたので、各社そのソニーの製品をかなり意識した内容になっているように思います。

各社フルサイズミラーレスが出揃った印象としては、やはり長年フルサイズミラーレスに注力してきたソニーにまだまだ一日の長がありそうですね。製品としての成熟度も高く、スペックで見ても他の製品に劣っていると思うような部分がありません。ただ高性能でありながら比較的リーズナブルな価格のEOS Rや、最も後発ということでかなりのハイスペック仕様に仕上げてきたパナソニックも、今後面白い存在になっていくのではないでしょうか。

どちらにしてもソニー、キャノン、ニコン、パナソニックと、4社がフルサイズミラーレスで戦うことになりましたし、今後はこのフルサイズミラーレスがデジカメ市場の主戦場となりそうです。フルサイズミラーレスの写りの綺麗さは、プロ用だけでなく一般カメラユーザーにとっても非常に魅力ですので、今後他のカメラメーカーの参入や各社の競争による、更なる高性能化や低価格化にも期待したいと思います。