ウォークマンの登場で音楽を持ち出すことが、iPodやMP3プレイヤーの登場で音楽をデジタルデータで管理することが当たり前になり、今や日常生活に欠かせないものとなっているポータブルオーディオ。最近はスマホで音楽を楽しんでいる人も多いですよね。
しかし音質を追求するのであれば、やはりスマホよりも専用に開発されたDAP(デジタルオーディオプレイヤー)の方が優秀ですよね。特に広帯域でCD以上の情報量が詰まったハイレゾ音源は、対応機で再生すれば音の繊細さや奥行きまで表現できる別次元の音質を楽しめます。
そこで今回はハイレゾ対応のDAP(デジタルオーディオプレイヤー)の紹介。価格帯別に高音質な製品を厳選してピックアップしてみました。
リーズナブルなエントリーモデル
SONY NW-A45
世界を代表するSONY ウォークマンの「Aシリーズ」の1つであるNW-A45。ハイレゾ対応再生器としては比較的リーズナブルなモデルとなります。
画面がタッチパネル式になることで操作性が優れ、スマートフォンのような操作が可能に。側面には再生/一時停止のボタンが配置され、より使いやすくなっています。
音質面ではハイレゾ音源のクオリティを存分に引き出すフルデジタルアンプ「S-Master HX」を搭載。他にもCDやMP3音源をハイレゾ相当にアップスケーリングする「DSEE HX」や、Bluetoothでハイレゾ相当の高音質転送を可能にする「LDAC」など、ハイレゾ音源を楽しむための機能が多く盛り込まれています。この辺りはハイレゾを推進しているソニーならではの技術と言えますね。
内蔵メモリは16GBですが、SDXCカード(128GBまで)に対応しているため、最大144GBまで追加が可能。A40シリーズとしては内蔵メモリが同じ16GBの「NW-A45HN」、32GBの「NW-A46HN」、64GBの「NW-A47」の4種類が展開されています。
ちなみに「HN」と付いている製品はハイレゾ対応のイヤホンが付属したモデル。ハイレゾ音源の実力を最大限発揮するには対応イヤホンが必要になりますので、持っていない人はこの「HN」モデルがおすすめです。
内蔵メモリ | 16GB |
対応microSDメモリ | microSDHC、microSDXC |
最大再生時間 | 45時間 |
WiFi | × |
ディスプレイ | 3.1インチ |
質量 | 98g |
パイオニア private XDP-30R
世界最高峰と呼ばれるESS社のDACとアンプを2基ずつ搭載し、超解像度再生を実現したパイオニアのXDP-30R。ハイレゾ音源だけでなく、アップサンプリング、Hi-bit機能による32化などで、CD音源でもハイレゾ相当で楽しむことができます。
WiFiに対応しており各種音楽ストリーミングサービスのほか、最近話題の「radiko」も標準で楽しむ事が可能。内蔵メモリは16GBと少なめですが、200GBまでのSDXCカードを2枚、最大で416GBまで容量を追加することができます。
PCアプリである「X-DAP Link」を使えばデータを一括で管理でき、曲の保存先をストレージ(本体)、SDカード1、SDカード2と色別で分かりやすく整理することが可能に。SDカードに保存しておけばプレイヤーの買い替えなどでも曲の移動が容易に出来ますね。
また、スマートフォンアプリ「Pioneer DuoRemote App」を使えば本体を取り出さなくても、スマホで曲の再生/停止などの基本操作が可能になり非常に便利です。
内蔵メモリ | 16GB |
対応microSDメモリ | microSDHC、microSDXC |
最大再生時間 | 15時間 |
WiFi | 〇 |
ディスプレイ | 2.4インチ |
質量 | 120g |
Groovers Japan ACTIVO CT10
オーディオなどの代理店である「aiuto(アユート)」から発売されるACTIVO CT10。こちらはハイレゾ音源配信配信サイトである「groovers Japan」より設立した新ブランド「ACTIVO」の第一弾製品となるポータブルオーディオプレイヤーになります。
高音質なことで有名なあの高級ポータブルオディオブランド「Astell&Kern」製のモジュール「TERATON」を採用しながらも、入手しやすいリーズナブルな価格が魅力的ですね。「音楽を愛する若い世代へ」と謳っている通り、丸みを帯びたカジュアルポップなデザインも特徴的です。
滑らかでスピーディーな操作性を実現するために、CPUには「Quad-Core CPU」を採用。スマートフォンを使い慣れた人でも違和感やストレスを感じることなく、快適に操作する事が可能です。
同じくユーザーインターフェースも、上下左右のドラッグによるページ移動など、スマートフォンを意識したものに。スマホに近い直感操作が可能な上、左右の物理ボタンやホイールで曲のスキップや音量調整ができ、優れた操作性を実現しています。
ハイレゾ音源配信配信サイト「groovers Japan」のブランドということで、もちろんWiFi接続による本体からの音源の直接購入、ダウンロードに対応。内蔵メモリは16GBで、400GBまでのSDXCカードを1枚、最大416GBまでメモリ追加が可能となっています。
内蔵メモリ | 16GB |
microSDメモリ | microSDHC、microSDXC |
最大再生時間 | 10時間 |
WiFi | 〇 |
ディスプレイ | 3.4インチ |
質量 | 112g |
SHANLING M2s
HiFiアンプ、真空管アンプなどで有名な「SHANLING(シャンリン)」のポータブルオーディオプレイヤーM2s。コンパクトさとコストパフォーマンスの高さが魅力の製品となります。
DACには「AK4490EQ」、オペアンプには「MUSES8920」「TPA6120」など、前機種に比較して高性能/高品質なパーツを採用。コンパクトなサイズ感を変えることなく、音質面を大幅に強化しています。
操作性では他製品に多いタッチパネル式ではなく、アナログな物理ボタンとダイヤルを採用。タッチパネルに比べると操作面での自由度はやや下がるかもしれませんが、ポケットの中などで画面を見なくても操作ができる点はメリットですね。
双方向伝送をサポートし、オーディオプレイヤーとしてだけではなく、ワイヤレスレシーバーとしても使用可能。オーディオプレイヤーとしては珍しくUSBはTypeCを採用し、出力端子が3.5mmステレオミニジャックのみとなっています。
内蔵メモリ | × |
対応microSDメモリ | microSD(最大256GB) |
最大再生時間 | 9時間 |
WiFi | × |
ディスプレイ | 3インチ |
質量 | 100g |
中価格ミドルエンドモデル
SONY NW-ZX300
リーズナブルモデルで紹介した「Aシリーズ」の上位機種に当たる「ZXシリーズ」。フラッグシップ機であるWM1シリーズ並みの高音質を目指しながらも、コンパクトでスマートなサイズを実現したモデルとなります。
「Aシリーズ」同様のハイレゾ技術に加え、本体はアルミ切崩筐体による低インピーダンス化を実現。はんだやICなどの細部パーツにまでこだわり、高音質を徹底的に追求する設計となっています。バランス出力にも対応するようになり、より音質を重視した製品であることがわかりますね。
前面ガラスにはウォークマンとして初めてマットガラスを採用。より指滑りがよくスムーズな操作を可能にしています。また直感操作が可能なタッチパネルに加えて、音楽再生の基本操作ができるサイドキーを配置。快適な操作を実現しています。
内蔵メモリは64GBで、SDXCを1枚追加可能です。
内蔵メモリ | 64GB |
対応microSDメモリ | microSDHC、microSDXC |
最大再生時間 | 30時間 |
WiFi | × |
ディスプレイ | 3.1インチ |
質量 | 157g |
アイリバー Astell&Kern AK70 MKII
50万円を超える製品もある高級ポータブルオーディオブランド「Astell&Kern」から発売されているAK70 MKⅡ。音質の良さと高いポータブル性で高評価だったAK70の後継モデルとなります。
ミドルエンド帯でありながらフラッグシップモデルと同じ、高性能DACを2基搭載したデュアル構成を採用。驚異的なクロストークとS/N比、ダイナミックレンジの拡大と低歪化を実現しています。さらにその恩恵を最大限に生かせるバランス出力で、音質面で隙のないモデルとなっていますね。
「Astell&Kern」専用のリッピングドライブを使えばPCを使わずにCDを取り込むことも可能。内蔵メモリは64GBで、400GBまでのSDXCを1枚、最大464GBまでメモリを追加可能です。
内蔵メモリ | 64GB |
対応microSDメモリ | microSDHC、microSDXC |
最大再生時間 | 10時間 |
WiFi | 〇 |
ディスプレイ | 3.3インチ |
質量 | 150g |
FiiO X7 Mark II
「FiiO Electronics」という比較的若いオーディオ機器ブランドから発売されているX7 Mark Ⅱ。FiiOの最新世代フラッグシップ機として企画されたこの製品は、クラス最高峰のオーディオ性能、機能性、利便性を実現した製品となっています。
最大の特徴は下部のアンプ部が組み替え可能なモジュール方式になっていることです。これにより2.5mm/4.4mmどちらのバランス出力にも対応可能。電気の知識が無くても簡単に交換可能なので、お気に入りのヘッドホンなどで音楽を楽しめますね。
DACはESS社の「ES9028PRO」を搭載。分解能が高く、深いダイナミックレンジと広大な音場表現を実現しています。光デジタル/同軸デジタル出力も可能なので、幅広く使用出来ますね。
WiFiは外部の電磁妨害を受けないよう特別な内部設計になっており、2.4GHzだけでなく5GHzにも対応。内蔵メモリは64GBで、最大追加容量が驚異の1TB(512GB×2)となっているため、容量不足の心配もいりませんね。
内蔵メモリ | 64GB |
対応microSDメモリ | microSDXC (最大516GB) |
最大再生時間 | 8時間 |
WiFi | 〇 |
ディスプレイ | 3.97インチ |
質量 | 212g |
ONKYO rubato DP-S1A
オンキョーのrubato DP-S1Aは先に紹介したパイオニアのXDP-30Rの、兄弟器とも言えるDP-S1の後継モデル。バランス駆動などによる高いサウンドクオリティで好評だった前機種から、さらに細部の音質改善を図ったモデルとなります。
今までのプレイヤー開発で培ったノウハウにより、オーディオパーツや内部部品を新たに選定し組み合わせを新設計。電源をクリーン化し、コンパクトなサイズながら音に深みがあり、ノイズの無い高音質再生を実現しています。
。ESS社製SABRE DACとアンプを2基ずつ搭載するデュアル構成で、さらにDAC部から出力端子までをフルバランスで回路設計。通常のバランス駆動方式(BTL)に加えて、独自のActive Control GND駆動方式を採用し、今まで聞くことが難しかった楽器やボーカルなどのさまざまな繊細な音まで表現できるようになっています。
アップサンプリング機能を搭載し、ハイレゾ以外の音源もハイレゾ相当で再生可能。SHARP/SLOW/SHORTという3種類のデジタルフィルターを搭載し、曲の雰囲気を変える機能も面白そうですね。
WiFiは2.4GHz/5GHzどちらにも対応していて、radikoの利用も可能。内蔵メモリは16GBで、256GBまでのSDXCを2枚、最大528GBまでメモリを追加可能です。
内蔵メモリ | 16GB |
対応microSDメモリ | microSDHC、microSDXC |
最大再生時間 | 15時間 |
WiFi | 〇 |
ディスプレイ | 2.4インチ |
質量 | 135g |
高級ハイエンドモデル
SONY NW-WM1A
ウォークマンの最上位フラッグシップモデルとなる「WM1シリーズ」に属する本製品。細部に渡るまで高音質を追求し、「ZXシリーズ」以上に情報量とパワー感がアップ。繊細な空気感が漂うアコースティック系の、温かみがある音質を再現してくれます。
ハイレゾ音源を存分に引き出すフルデジタルアンプ「S-Master HX」は大幅に進化。WM1シリーズ用に新たに設計し、最大11.2MHzでのDSD再生が可能になりました。もちろんバランス接続にも対応し、高い接続安定性に加え、接触抵抗の低さによる音の解像度や広がり・奥行きを存分に楽しむことができる製品になっています。
アルミ切削による筐体の採用や、低抵抗の無酸素銅プレートなどの厳選された各種パーツを使い、徹底的に高音質を追求。基盤レイアウトに至るまで最適化が施され、オーディオ部とパワーデジタル部を上下に分離させる事で、より一層低ノイズ化を可能にしています。
タッチパネルとハードウェアボタンにより、よりスムーズな操作を可能に。音楽再生に特化したUIで快適な操作を実現しています。音質を追求したデザインから生まれた上部のヘッドホンジャックは、握りやすさにも貢献。内蔵メモリは128GBで、SDXCカードが1枚追加可能となっています。
内蔵メモリ | 128GB |
対応microSDメモリ | microSDHC、microSDXC |
最大再生時間 | 33時間 |
WiFi | × |
ディスプレイ | 4.0インチ |
質量 | 267g |
COWON PLENUE 2 Mark II
先に軽く触れた「Astell&Kern」の50万円を超える製品などに搭載されている、最高性能のプレミアムDACを搭載した「PLENUE 2」の強化モデルとなる本製品。「PLENUE 2」はその完璧に近い忠実な音の再現能力で、世界各国で高い評価を受けたDAPですね。
COWONは元がソフトウェアメーカーということで、ソフト面での多機能さが特徴です。豊富なイコライザー機能などにより、自分好みの音質を作り出せるとファンも多いですね。
Mark IIもソフト面で進化しており、新技術である「AIオーディオ」という機能を追加。違う音量の曲でも「AI Volume」が自動的に音量を調整し、ノーマライズしてくれます。音源に応じて自動で最適なイコライザー/エフェクトを適応してくれる「AI JetEffect機能」や、曲の再生パターンを分析し、選好度に応じて再生リストの適切な配置してくれる「Ai Shuffle」など、最先端のAI技術が使われたオーディオプレイヤーとなっています。
ハイエンド機ながら200gを切る軽さも魅力のひとつ。音質の良さと高いポータブル性を両立した製品ですね。内蔵メモリは256GBで、SDXCカード(最大256GB)を1枚追加可能です。
内蔵メモリ | 256GB |
対応microSDメモリ | microSDHC、microSDXC |
最大再生時間 | 10.5時間 |
WiFi | × |
ディスプレイ | 3.7インチ |
質量 | 192g |
まとめ
音楽再生に特化していることで、スマホ以上に操作性が良く、音質にも期待ができるデジタルオーディオプレイヤー。特に今回紹介したハイレゾ対応機は、圧縮音源では決して体験できない、繊細で奥行のある最高の音楽体験が可能です。
リーズナブルで入手しやすいモデルもありますので、まだ体験したことがない人は、ぜひ一度ハイレゾの高音質な音楽を聞いてみてはいかがでしょうか。
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