ソフトフォーカスという言葉はご存知でしょうか。ソフトフォーカスとはカメラのレンズの種類のことで軟焦点レンズとも言われますが、通常のレンズとは違い収差を残すことでピントは合いつつ像が柔らかくなるように設計されたレンズのことです。ピンボケとは違いピントの芯がしっかりと存在し、効果としては写真を幻想的に見せることができます。
今はレンズそのものよりもレンズにつけるフィルターやカメラ本体のフィルター機能で使われることが多いですが、同じような効果をPhotoshop等の画像編集ソフトで後からかける方法を紹介します。
処理の手順
今回のサンプルはこちらです。
ソフトフォーカスの効果でふんわりと幻想的な仕上がりになりますので風景写真に限らずポートレート、結婚式の写真からペットの写真まで幅広く適応できると思います。
また手順も3stepで非常に単純簡単ですので1分程度の作業で完成します。
1.レイヤーの準備
レイヤーを複製
合成でソフトフォーカス効果を表現しますので、まずはレイヤーを複製します。
※Photoshopを使う場合はこの際にスマートオブジェクト化しておくと後から処理の調整ができて便利です
合成方法を変更
コピーしたレイヤーの合成方法を「通常」から「スクリーン」に変更します。
画像によっては結果画像がかなり明るく見えることもありますが、後で調整できますので一旦は不透明度100%のままで大丈夫です。
2.フィルター処理と合成
ぼかし(ガウス)をかける
1でコピーしたレイヤーに対して、フィルター>ぼかし>ぼかし(ガウス)を選択してフィルターをかける。
結果を見ながら半径の値を調整していきます。画像サイズにもよりますがあまり大きすぎる値を入れると画像全体が薄くなって芯のない写真になりますので注意してください。
この時点でもうある程度ソフトフォーカス感は出ていると思いますが、「スクリーン」合成を使ったことで全体が明るくなりすぎていますので、次の工程で少しブラックポイントを引き締めていきます。
レイヤーを再度複製
ぼかし(ガウス)をかけた画像をさらに複製します。
この時点ではスクリーン合成のままなので結果画像はさらに明るく見えます。
合成方法を変更
コピーした画像の合成方法を乗算に変えます。
今回は結果画像がかなり暗く感じますが次の工程で調整していきます。
3.最終調整
2つのレイヤーの不透明度を調整
現在のレイヤー構成は「オリジナル画像」「ぼかしをかけたスクリーン合成画像」「ぼかしをかけた乗算合成画像」になっていると思いますので、乗算とスクリーンそれぞれの画像の不透明度を調整していきます。スクリーンレイヤーの不透明度が高ければ高いほど明るく、乗算レイヤーの不透明度が高ければ高いほど暗くなりますので、それぞれ目的の明るさになるように調整してください。
この方法を使えば結果画像が明るすぎる場合にスクリーンの不透明度を下げることでソフトフォーカス感も失われてしまうことを回避できます。
ぼかし(ガウス)の値を微調整
Photoshopでスマートオブジェクト化している場合は、ぼかしの値を調整できます。
ソフトフオーカス感を最終微調整してください。
スクリーンレイヤーと乗算レイヤーのぼかしの値が同じである必要はありませんので、結果画像を確認しながら2つのレイヤーを調整します。(同じ値でも特に問題はないと思いますが)
4.完成
以上で完成です。3Stepの非常に単純な作業でソフトフォーカス感が表現できたと思います。
Before
After
他のサンプル画像
まとめ
ぼかしの種類をガウス以外のものに変えたり、合成方法を変えることでまた違った写真表現も可能になりますので、色々試してみるのも面白いと思います。
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