iPhoneにも使用され今世間を賑わすAIとは何か?AI(人工知能)の歴史と活用方法を解説

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AI(人工知能)とは人間の持っている知性や知能を人工的に実現する技術、あるいはその技術を使って作られたシステムのことを指します。GoogleやApple、Amazonといった超巨大IT企業もAIを活用した製品を次々に開発販売しており、今後ますます私たちの生活にAIは浸透してくると思われます。そんなAIというものを理解するため、今回はAIの歴史と活用方法を紹介していきたいと思います。

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AIの歴史

まずは今までのAIの歴史を振り返ります。AIは現在3度目のブームのさなかにありますが、1度目2度目は実験レベルのもので世間にほとんど浸透することなく終わっていきました。

第1次ブーム

第1次のブームは1950年〜1960年にかけてです。コンピュータ上に人間の行うような推論を実現して簡単なパズルやゲームを解けるようになったのです。この時代に盛んに研究されたのは、「宣教師と土人問題」などのパズルやオセロなどの簡単なゲームでした。推論の木やα−βカットなどの技法が研究されましたが、貧弱な計算能力のため、大規模な問題には対処できず、研究者だけにとどまり実用化には程遠いものでした。

第2次ブーム

第2次のブームは1980年代で、主に専門家の知識をルール化して問題を解決する「エキスパートシステム」の研究が中心でした。エキスパートシステムはいくつかのビジネス分野に応用されて効果を上げましたが、多くの分野は専門家の知識を抽出し知識ベースを構築することが知識工学者であっても難しかったため、次第にブームは沈静化しました。ただ知識ベースという考え方は今でも生きています。
また、この時期には人間の神経回路をモデルとするニューラルネットの技術も出現しました。ニューラルネットを使って簡単な数字の認識システムなどが作られましたが、認識精度を上げるのが難しく、なかなか実用化まで進みませんでした。

第3次ブーム

第3次のブームである現在は「ディープラーニング」の技術が主流となっています。このディープラーニング(深層学習)とは人間の脳の神経回路であるニューラルネットワークを模倣したものと表現されることが多く、この技術によりAIの完成度は飛躍的に向上し、開発が加速していくことになります。第1次、第2次ブームの時には成し得なかった実用化も果たし、より高度なものへとどんどん進化しています。

AIの活用方法

従来からある機械学習にディープラーニングの技術を適用することによりAIは実用レベルまで進化し、その結果次のような種々の応用が広がってきました。

機械学習

2016年3月15日にAIの囲碁プログラムAlphaGoが世界トップレベルのプロ棋士である韓国の李九段に勝ち越しました。これによりAIの実力が世間に知れ渡りました。このAIソフトを開発したディープマインド社は、グーグル傘下の企業で、2010年に創業したベンチャー企業です。このAI囲碁プログラムはAIの一分野である機械学習とニューラルネットを組み合わせて人間と同じような知的判断をさせています。
従来型の機械学習では、識別のための特徴抽出のフェーズが必要で、人間が特徴を決めるため、ここに手間やコストがかかっていました。この特徴の与え方により認識の性能が決まるため、認識率を大きく向上させることが困難でした。ディープラーニングは特徴抽出自体もAIが自動的にするため、この課題を解決することができました。
機械学習の学習過程には大量の学習データが必要となりますが、ビッグデータ基盤と半導体の進歩による高速な処理機能によって機械学習が実現可能になったのです。

音声認識ビジネス

囲碁や将棋はまだ趣味の世界の出来事だと片づけられますが、AIの応用分野はそれにとどまらず、人間との対話システムにも応用されています。IBMの「ワトソン」というAIソフトは2011年に米国のクイズ番組に出場し、人間のクイズチャンピオンに挑戦し、勝ちました。ワトソンは自然言語処理を基礎にしてシステムに蓄積された膨大な知識を利用しながら意思決定を行うことができます。
2011年にiPhoneに搭載されたアップル社の対話システムSiriではディープラーニングに基づいた音声認識の機能を持っています。Siriの認識エラー率は2015年には5%になっています。Siriはユーザーと音声によって対話することができ、人間の話し相手や執事の機能として期待されています。音声認識を使ったビジネスとしては、現在スマートスピーカーと呼ばれる卓上のスピーカー型端末がGoogle, Apple, Amazon, LINEといった超巨大企業により商用化され、大々的に宣伝されています。

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画像認識ビジネス

画像認識はディープラーニングの応用分野の一つで、現在最も研究されて成果が上がっている領域です。静止画像の認識では2012年にはエラー率が16%だったのが、2015年にはエラー率が5%以下になっています。すでに人間の認識率を超える結果が得られています。この画像認識を自動車メーカーが自動運転に応用し、運転者の事故防止に役立っています。

今年Appleから発表されたiPhone X(アイフォン テン)にもFaceIDという名称の顔認証エンジンが組み込まれていますが、これもディープラーニングにより作られたAIモデルが利用されており、帽子やサングラスで顔の一部が隠れていても本人認証が可能と言われています。

機械翻訳

自然言語処理の一種として機械翻訳があります。長いあいだ機械翻訳のシステムには辞書と翻訳対象の言語と翻訳後の言語双方の文法規則をルールベースとして持つシステムが使われていました。しかし、このシステムでは膨大なルールを人手により保守する必要があり、多くのコストがかかっていました。多言語化も一つのネックでした。翻訳の精度もいまひとつでした。
2016年にグーグルがニューラル機械翻訳として発表した方法は、ニューラルネットワーク技術をベースとするディープラーニングを用いて開発されました。学習用のデータは、グーグルが世界中から集めたパラレルコーパスという2言語間で同じ意味を表すデータを使っています。これにより人手で翻訳する場合に比べ、ほぼ同レベルの精度が得られました。

まとめ

このような形でAI技術は常に進化を続け関わる機会が増えています。今後AIを活用した新たなビジネスも次々に誕生していきますし、近い将来我々の生活になくてはならないものとなるでしょう。次はどのような形でどのような便利さをAIがもたらしてくれるのか、非常に楽しみです。

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