AirPods発売の流れから、大手AV/家電メーカーの相次ぐ参入で2017年は完全ワイヤレスイヤホン(TWS)の注目度が飛躍的に上昇しました。このサイトでも数々の完全ワイヤレスイヤホンを紹介してきましたが、最新の機器ということでやはり値段が比較的高価で手を出しづらい人も多かったと思います。そこで今回は1万円前後というTWSとしては手頃な値段で、性能も良さそうな高コスパモデルを紹介していきたいと思います。
Anker Zolo Liberty/Liberty+
Zolo Liberty/Liberty+の特徴
デジタル機器のハイコスパ製品と言えばやはりこのブランドは外せません、Ankerの完全ワイヤレスイヤホンZolo Libertyです。Ankerと言えば低価格ながら高品質なPC/スマホ周辺機器をリリースしていることで有名なメーカーで、モバイルバッテリーや電源アダプタ、ケーブル、ワイヤレススピーカーと人気の高い製品を数多くリリースしています。そのAnkerがついにスマートオーディオブランド「Zolo」を設立し、完全ワイヤレスイヤホンを発売しました。
バッテリー技術にノウハウのあるAnkerだけに連続再生時間はバッテリー併用で驚異の24時間(Liberty+の場合48時間!) 15分ほどのチャージで1時間通話分程度を充電可能と高速チャージにも対応。
ドライバユニットには最先端のグラフェン素材を採用。グラフェンと言えばノーベル賞を受賞した新しい炭素素材で、その優れた特性(強度 ・硬度・電子移動速度)から夢の新素材とも呼ばれ様々な製品に用途が広がっています。高音質なことで評価の高いNuForce BE Free8も同じくグラフェンドライバ採用ですので、音質にもかなり期待ができそうです。
また通常のBluetooth接続に加えて、LDSアンテナを搭載し安定した接続を実現。IPX5の防水性能や、充電ケースからの取り出し/収納時の自動電源オン/オフ機能など、完全ワイヤレスイヤホンにとって重要な便利機能を網羅しています。
Liberty+の場合はさらにBeoPlay E8やSony WF-1000Xにあるような周辺音取り込み機能も搭載。まさに完全ワイヤレスイヤホンのお手本のようなスペックで、これだけの高機能製品が¥7,999(Libertyの場合)で購入できるのは驚きです。今手頃な価格で完全ワイヤレスイヤホンを購入するのなら、これ一択と言っても良いかもしれません。Liberty+は2018年1月販売予定です。
2018/1/9追記:本日Zolo Liberty+も発売になりました。全世界に先駆けての日本先行発売で価格は\14,980。発売初日のみ200個限定で\2000引きの\12,980円になるようです。
Zolo Liberty/Liberty+の主な仕様・スペック
製品仕様 | Liberty | Liberty+ |
ドライバーユニット | 5.5mm グラフェン ダイナミックドライバ (×2) | 6.0mm グラフェン ダイナミックドライバ (×2) |
再生周波数 | 20 Hz 〜 20 kHz | 20 Hz 〜 20 kHz |
対応コーデック | AAC、 SBC | AAC、 SBC |
周辺音取り込み機能 | なし | あり |
Bluetooth | 4.2 | 5.0 |
マイク (右側イヤホンのみ対応) | MEMS (CVCノイズ低減 (通話時のみ) ) | MEMS (EC / NRテクノロジー) |
連続再生時間 | イヤホン本体:約3.5時間 充電ケース使用時:約24時間 | イヤホン本体:約3.5時間 充電ケース使用時:約48時間 |
防水規格 | IPX5 | IPX5 |
電源 | Micro USB (5V / 1.5A) | Micro USB (5V / 1.5A) |
アプリ | なし | あり (Zolo Life) |
音声操作 (右側イヤホンのみ対応) | あり | あり |
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2018/1/31追記:Zolo Libertyシリーズに新色のホワイトが追加されました。ブラックとはまた一味違った清潔感のある製品に仕上がっています。
hearable LAB flapFit FF-TW10
hearable LAB flapFit FF-TW10の特徴
かなり期待できる完全ワイヤレスイヤホンが発表されました。元SONYの開発者でありノイズキャンセリングイヤホンの開発で知られる保坂明彦氏と、元パナソニックの開発者であり4K Ultra HD Blu-rayの開発、規格策定で知られる田坂修一氏がタッグを組んで立ち上げたオーディオブランドhearable LAB。
そんなhearable LAB初の製品となるflapFit FF-TW10は、本当に必要な機能を追求し、基本性能に磨きをかけた完全ワイヤレスイヤホンです。完全ワイヤレスイヤホンで問題になりやすい音途切れ問題ですが、その原因となるのは主に電波を吸収する金属部品と人体。そのためこの製品はアンテナと金属部品、身体との距離を十分に取ることで、その問題を解消しています。
また驚異の7時間以上連続再生が可能というバッテリー性能も注目のポイントですね。ドイツVARTA社製の高性能バッテリーを採用し、安全性と堅牢性を兼ね備えています。7時間駆動が可能なため、他の完全ワイヤレスイヤホンに多い充電ケースは付属しません。かさばりやすい充電ケースが不要という点も、ポータブル性を考えてばかなりのメリットではないでしょうか。
また装着性にも拘りが感じられますね。接触のストレスを感じ難い耳珠(flap)に固定されるフラップフィットと、回転式イヤースタビライザーにより、快適で安定感のある装着を実現しています。防滴性と衝撃に強いタフ構造も備えており、スポーツやアクティビティ時でも快適に利用できるのも嬉しいポイントです。
音質の面ではドライバーに13mmダイナミック型を搭載。さらに人気オーディオブランド「final」によるサウンドチューニングが施されており、音質についてもかなり期待ができます。finalと言えば色付けをしない自然で、原音に忠実な音質調整に定評があり、そのイヤホンの評価は非常に高いですよね。その流れを組んだこの製品も、クリアで自然な音質となっています。
マルチファンクションボタンを本体に備え、押す回数や長さによって、電源ON/OFF、音楽再生、ボリューム調整、受話/切断など様々な操作が可能。音声アシスタントを利用して、電話をかけることも可能で、非常に利便性が高いと言えます。 付属品はfinal Eタイプイヤーピース5サイズ、S/M/Lのイヤースタビライザー、キャリングケース、USBケーブル。音質と徹底的に追求された基本性能が魅力の製品となっています。
hearable LAB flapFit FF-TW10の主な仕様・スペック
ドライバーユニット | 13mmダイナミック型 |
再生周波数 | – |
対応コーデック | AAC、SBC |
バッテリー駆動時間 | 7時間 |
重量 | 本体:片側9g |
Bluetooth | 4.2 |
NUARL NT01 HDSS True Wireless Stereo Earphones
原音を忠実に再生できるイヤホンということで定評のあるNUARLから、新たに発売になったのがNT01。この製品は世界で初めて、「HDSS」という特許技術が採用された完全ワイヤレスイヤホンとなっており、音質にはかなり期待が持てます。
HDSSはNUARLのハイエンド製品に多く採用される、自然な音の再生を実現する最新音響技術。その根幹はETLという音響モジュールで、歪みを抑えたクリアなサウンド、原音の正確な再現、頭内定位を防ぐ自然な音の広がりの3つの大きな特徴を持っています。
このHDSSと6mmフルレンジドライバによる再生はまさに、クセがなく何の色付けもされていない自然で聞きやすい音。さらに内蔵のQualcomm Kalimba DSPを駆使したデジタルイコライジングにより、完全ワイヤレスイヤホンとして最適なサウンドに仕上がっています。
完全ワイヤレスイヤホンで問題になりがちな接続については、Bluetooth 5フルスペック対応の最新世代チップセットによる「Qualcomm TrueWireless Stereo」テクノロジーと、独自のMCA(Mutual Coupling Antenna)テクノロジーの組み合わせにより、高い安定性と低ノイズ化を実現。マスター側のイヤホンを接続すればペアリングが完了し、以降はケースの開閉に連動して接続するため、使い勝手も良くなっています。
イヤーピース部分については装着性に優れた「フィッティングタイプ」と、遮音性に優れた「プラグインタイプ」に両対応するデュアルインサート・ノズルを採用。音質や装着感など好みに合わせて選ぶことができます。高速充電、IPX4相当の耐水性、ボタン操作による曲操作や音量調整、着信応答/拒否/終話、音声コマンドの起動などにも対応しており、価格以上の豊富な機能を持った、かなりの良イヤホンだと思います。
NUARL NT01の主な仕様・スペック
ドライバーユニット | 6mmダイナミック型フルレンジ(HDSS) |
再生周波数 | 20Hz~20kHz |
対応コーデック | AAC、SBC |
バッテリー駆動時間 | 5時間(ケース使用で最長12時間) |
重量 | 本体:5g/ケース:26g |
Bluetooth | 5.0 |
NuForce BE Free5
NuForce BE Free5の特徴
左右のイヤホンの接続にNFMI(近距離磁界誘導)を採用し、その接続安定性から大ヒットしたNuForce BE Free8の廉価版ともいえる製品BE Free5が発表されました。(BE Free5はNFMI非採用)
特徴はグラフェン素材を使用した5.6mmダイヤフラム採用ドライバーを搭載していること。グラフェンとは鋼の200倍の強度を持つ炭素素材で、電気伝導度が良く剛性が強いことから、最近様々なイヤホンに採用されている注目素材ですね。私が持っているERATO VERSEにも採用されています。
本体機能としては、CVC8スマートノイズキャンセリング機能を使ったマイクを内蔵することで、クリアな音声通話を実現。IPX5相当の防滴性能や、ケースからの取り出しや収納でイヤホン本体の電源が自動的オン・オフになるなど、充実したものとなっています。
また本体は人間工学に基づいたエルゴノミクスデザインによりフィット感を追求。オリジナルのSpinFitイヤーチップと組み合わさることで、高い安定性・快適性・遮音性を備えています。着脱可能なイヤーフックも付属するため、ランニングやスポーツなどアクティブな利用シーンでも利用できますね。
バッテリーは左右のイヤホンそれぞれに55mAhの容量を内蔵。連続再生時間は3時間、専用ケースを使うことで最大4.5回分の充電が可能です。トータルすれば最長約16時間連続で使用できるため、持続性も高いですね。専用ケースは手のひらサイズでマグネットによる吸着仕様ということで、ポータブル性にも優れています。本体カラーは、ブラック/ネイビーの2色展開で、価格は11,000円(税抜)、2018年5月18日発売予定となっています。
NuForce BE Free5の主な仕様・スペック
ドライバーユニット | 5.6mmダイヤフラム グラフェンドライバー |
再生周波数 | 20Hz – 20kHz |
対応コーデック | AAC、SBC |
バッテリー駆動時間 | 3時間(ケース使用で最長16時間) |
重量 | 本体:12.6g(ペア) |
Bluetooth | 4.2 |
cheero Wireless Earphones
2018年3月8日、モバイルバッテリーで有名なcheeroから4,680円(税込)という驚きの低価格で、完全ワイヤレスイヤホンが発売になりました。充電ケース付き、ノイズキャンセリング・周辺音聞き取り機能搭載など、価格以上の機能がついてかなりの高コスパモデルになっています。
詳細はこちらからどうぞ。
GLIDiC Sound Air TW-5000
GLIDiC Sound Air TW-5000の特徴
国内最大級のオーディオビジュアルアワードのVGP2018で金賞とコスパ賞をダブル受賞したGLIDiC Sound Air TW-5000。本体形状を有機的な曲線形状にデザインにすることにより、様々な耳の形にフィットするようになっています。
充電ケースはかなりコンパクトで持ち運びにも苦労しないサイズ感。コーデックはAACにも対応し、音質もクリアでこの価格帯のものの中では上位クラス。安価な完全ワイヤレスイヤホンの中には音がスカスカな機種がある中、しっかりと低中音域の出るバランスの良い音のようです。
充電ケースを使った自動電源オン/オフ、マルチファンクションボタンによる操作等、必要な機能もしっかり揃っていて、非常にコスパの高い製品だと思います。
GLIDiC Sound Air TW-5000の主な仕様・スペック
ドライバーユニット | 6mmダイナミック型 |
再生周波数 | 20Hz~20kHz |
対応コーデック | AAC、SBC |
バッテリー駆動時間 | 3時間(ケース使用で最長10時間) |
重量 | 本体:5g |
Bluetooth | 4.2 |
M-SOUNDS MS-TW1
M-SOUNDS MS-TW1の特徴
こちらもVGP2018で1万円以下の完全ワイヤレスイヤホン部門入選のM-SOUNDS MS-TW1。ペアリングが簡単で接続も非常に安定していると評価が高いです。
ドライバユニットには6mm径ダイナミックドライバを採用で低音〜中音が良く出るようです。重さがわずか4gと非常に軽量でコンパクト、シンプルな形状で装着時も特に耳から飛び出るようなこともなく収まりが良いです。対応コーデックがSBSのみというのが少し残念ですが、音質的には1万円以上のモデルと遜色のないレベルのようです。
マルチファンクションボタンが内蔵されており、音楽再生/停止や音声認識ソフトの起動も可能。もちろんハンズフリー通話にも対応し、通話時にノイズキャンセラー機能が働くというのはこの価格ではかなりのメリットだと思います。
M-SOUNDS MS-TW1の主な仕様・スペック
ドライバーユニット | 6mmダイナミック型 |
再生周波数 | 20Hz~20kHz |
対応コーデック | SBC |
バッテリー駆動時間 | 2.5時間(ケース使用で最長10時間) |
重量 | 本体:4g/充電ケース:42g |
Bluetooth | 4.2 |
SoundPEATS(サウンドピーツ) Q16
SoundPEATS(サウンドピーツ) Q16 の特徴
Amazonでもそのコストパフォーマンスの高さから、多くの製品が高い評価を得ているオーディオブランドSoundPEATSの完全ワイヤレスイヤホンQ16。この製品の特徴は耳にかけるタイプのイヤーフックが付いていること。IPX4の防水性能と合わせてアクティブな利用シーンで本領を発揮しそうです。
また特筆すべきはそのバッテリー容量。他の完全ワイヤレスイヤホンでは3〜4時間の連続再生が多い中、このQ16は6時間の連続利用が可能です。安価な完全ワイヤレスイヤホンは充電ケースが付属しない製品が多く、このQ16も付属しない(持ち運び用のケースは付属)のですが、6時間利用が可能であれば充電ケースも不要な気がします。
イヤホンを多くリリースしているブランドだけに、音質もこの価格帯の中ではトップクラス。クリアでシャープ、中低音が豊かな音のようです。他の製品にはない特徴を多く備えており、特定の利用環境では1万円以上の製品よりも価値の高いイヤホンだと思います。
SoundPEATS(サウンドピーツ) Q16 の主な仕様・スペック
対応コーデック | AAC、SBC |
バッテリー駆動時間 | 6時間 |
重量 | 本体:12g |
Bluetooth | 4.2 |
Lermom Losei 独立型ワイヤレスイヤホン
Lermom Losei 独立型ワイヤレスイヤホンの特徴
最近ランキング上位に名前が出るようになったこの製品。無名メーカーのもので恐らく中華イヤホンですが、この価格帯の製品の中では珍しく充電ケースが付属しており、これだけでも値段以上の価値があると思います。
2台のデバイスから同時接続が可能で、1台で音楽再生中にもう1台に着信があった場合も対応できるという機能付き。イヤーフック付属でアクティブな利用も可能です。
評価を見る限りでは音質も問題なくコスパの点では今最も優れた製品ではないでしょうか。
Lermom Losei 独立型ワイヤレスイヤホンの主な仕様・スペック
ドライバーユニット | ー |
再生周波数 | ー |
対応コーデック | ー |
バッテリー駆動時間 | 2〜3時間 |
重量 | 本体:5g |
Bluetooth | 4.1 |
ZNT AirFits 完全ワイヤレスイヤホン
ZNT AirFits 完全ワイヤレスイヤホンの特徴
こちらも上の製品同様、安価な割に充電ケース付きでイヤーピースもサイズ別に3種付属というコスパの高い製品。さらにケースからの取り出しで自動電源オン機能もあり、使い勝手はかなり良いと思います。
なかなかこの価格帯では珍しく本体もケースもシンプルで高級感のあるデザイン。初回ペアリングも取り出してデバイスから選択するだけと非常に簡単で、ユーザビリティがしっかり考えられた製品だと思います。
音質についてはフラットで味付けのない音のようですが、こちらも価格以上の高音質という高い評価です。
ZNT AirFits 完全ワイヤレスイヤホンの主な仕様・スペック
ドライバーユニット | ー |
再生周波数 | ー |
対応コーデック | ー |
バッテリー駆動時間 | 3時間(ケース使用で最長10〜12時間) |
重量 | 本体:4g |
Bluetooth | 4.2 |
音質改善のためにイヤーピース交換も検討を
ここで紹介した高コスパモデルの完全ワイヤレスイヤホンですが、やはり高級機と比較すると音質が物足りなく感じることもあると思います。そんな時に手軽にフィット感や音質を改善する方法としてイヤーピース交換がおすすめ。高品質なイヤーピースが低価格で色々と販売されていますので、それに付け替えるだけで驚くほどフィット感が向上し、音が良くなることがあります。
個人的なおすすめはCRYSTALLINE AUDIOのCrystal Tips(クリスタルチップス)。ウレタン製で耳に良くフィットし、スカスカな音を中低音豊かな音に変えてくれます。私も手持ちのBeoPlay E8はこちらのイヤーピースに交換済み。他にも同じウレタン製でComplyのものや、シリコン製のSpinfitが交換用イヤーピースとしては有名です。
イヤホンのサイズによって選択可能なものも変わってきますので、手持ちのイヤホンに合うものがあれば是非試してみてください。ただし完全ワイヤレスイヤホンの場合軸サイズだけでなく、ケースへの収納時に干渉することもありますので、注意が必要です。
まとめ
完全ワイヤレスイヤホンもかなり製品の数が増え、どれを選択するか迷うようになってきましたね。今回紹介したような低価格機をまず使ってみて、音質や機能にさらに高品質なものを求める場合は、ステップアップして上位機種を購入するというのもありだと思います。何よりもケーブルストレスからの解放は完全ワイヤレスでしか味わえない快適さですので、是非一度低価格機からでも試してみてください。
より高性能なイヤホンも含めた、価格帯別のおすすめ完全ワイヤレスイヤホン最新版は下記記事にまとめています。
他の完全ワイヤレスイヤホンもたくさん紹介していますので、よろしければの下記記事も合わせてどうぞ。
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