会社を辞め独立してフリーランス(個人事業主)になる方法と、やって役立ったことまとめ 経理・事務編

シェアする

前回、独立してフリーランスになる上でのお役立ち情報を営業準備編としてまとめました。

会社を辞め独立してフリーランス(個人事業主)になる方法と、やって役立ったことまとめ 営業準備編
会社を辞めて独立してから今月で3ヶ月目になりました。当初はこんな自分が会社という組織に頼らずに独力で仕事をしていけるのか非常に不安で...

今回は主に経理関係や事務関係で自分が独立時にやったことの情報まとめていきたいと思います。事務関係は意外とややこしいことも多く、私も当時は色々と調べることに時間を浪費してしまいましたので、その時間短縮の手助けになれば嬉しいです。

印鑑の作成

今後フリーランスとして活動するのであれば印鑑を押す機会が増えます。契約書や見積もり/請求書を発行したり税務書類であったりですね。ただフリーランス(個人事業主)はただの一個人とみなされますので、実は事業用の印鑑というのは必要なく個人の印鑑だけで全く問題ありません。仮に事業用の印鑑を作っていた場合でも重要な契約書の場合などは先方から実印での押印を求められることも多いです。法人の場合の実印は法務局へ登録した代表者印ですが、フリーランスの場合は個人が役所に届け出ている個人の実印になります。

そう考えると印鑑作成の必要はないのですが、私としては作成しておくことをお勧めします。前回の営業準備編でも書きましたが、「やらなくてもいい」ことは「やる」方がいい理論です。多少お金はかかりますが最近はネットで安く作れるところも多いですので、屋号入りの代表印/銀行印/角印をセットで揃えておきましょう。事業主としての自覚もできますし、個人印と分けておくことで判別もつきやすくなります。何よりも取引先からの印象が個人印より悪くなることは絶対にありませんので。

税務署へ開業届を提出

開業届とは

開業届とは税務署に対して、「こういう人間がこういう場所/屋号でこういう事業をはじめましたよ」ということを伝えるために提出する書類のことです。提出期限は原則として事業開始から一ヶ月以内ですが、それを過ぎても特に罰則はありません。ですが、提出するメリットがかなり大きいので必ず提出するようにしましょう。

青色申告と白色申告

事業所得が一定以上発生した場合は確定申告による税金の納付が必要になります。会社員時代は源泉徴収という形で全て会社がおこなってくれていましたが、独立したからには全て自分でおこなう必要がありますので、フリーランスにとって確定申告はほぼ必須になります。その確定申告には青色と白色の2種類があり、ざっくりと言うと青色の方が控除や減価償却資産の一括経費化などメリットがかなり多いです。そして青色申告をするためには開業届の提出が必須になります。ですのでよほどの理由がなければ開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出するようにしましょう。青色申告のデメリットとしてよく言われる複式簿記の煩わしさも、後述するクラウド会計ソフトが全て解決してくれます。

開業届と青色申告承認申請書の書き方ですが、私はクラウド会計ソフト「freee」の無料開業ソフト「開業freee」を使いました。もともとクラウド会計ソフトをどうするか考えていた時にたまたま見つけたものですが、質問に答えていく形ですごく簡単に提出書類が完成しましたのでおすすめです。

屋号付き銀行口座の開設

銀行口座についても印鑑と同じく個人名義のものでも特に問題ありません。ただ請求書を発行する際に口座名義が屋号のほうが信頼感もあり見栄えもいいですし、ECサイトを運営したりする場合は口座番号と名義をホームページに載せることもあると思いますので、できれば屋号付き口座を開設しておきましょう。入出金も事業用とプライベート用で別れていたほうがお金の流れが掴みやすいですしね。ただしフリーランスの場合は法人ではないため屋号のみの口座は作れず、屋号+本名の口座になります。(ゆうちょ銀行のような一部例外あり)

どの銀行で開設するか

三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行のようなメガバンクでも、楽天銀行やジャパンネット銀行のようなネットバンキングでも屋号付き口座の開設は可能です。メガバンクの場合は事業所として登録している住所から最も近い窓口での申し込みが必要になりますので、手軽さでいえばネットからの申し込みが可能なネットバンキングのほうが上です。ただ請求書や振込先と言う形で表に口座をだす必要のある仕事の場合は、やはり相手に安心感を持ってもらうためにメガバンクでの開設をお勧めします。

私の場合は三井住友銀行で屋号付き口座を開設しました。理由としては他のメガバンクは必要書類が多かったり後日郵送が必要であったり、月額料金がかかったりするのに比べ、三井住友銀行の場合は開業届があれば無料で即日開設が可能であったためです。屋号付き口座の開設を検討している方はスピード的にも手軽さ的にも三井住友銀行での開設がお勧めです。

実際の開設手順

窓口の混雑具合にもよりますが、1時間近くで口座開設ができました。30分が待ち時間で残り30分が手続き時間でしたので最短30分程度で開設が可能だと思います。窓口では屋号付きの口座もしくは、営業性個人口座を作りたいと申し出て開業届を見せれば、専用の書類と書き方を教えてくれます。身分証明書の提示をし、届出用の銀行印を押し少し待てばもう口座が開設されます。あとは通帳タイプにするか通帳不要のネットタイプにするかの選択や、キャッシュカードを簡易的なものかエンボス加工の入ったしっりした作りのもの(簡易的なものは即日発行で、エンボスは後日郵送)にするかの選択をします。

またこの際に振込(入出金)時の名義人を屋号のみでも受け付けてもらえるように申請することが可能ですので、その旨を窓口に伝えて書類を書いておきましょう。名義人そのままの「屋号+本名」では請求書発行の際に長くて見た目も悪いのでこの申請は出しておいたほうが良いです。ただし、あくまでも姓名を省略して屋号のみで振込が可能になるだけで名義人そのものが変わる訳ではありませんので、カードや通帳は「屋号+本名」で発行されます。

事業用クレジットカードの作成

銀行口座と同じくお金の入出金を事業用とプライベート用で分けるという意味で、可能であればクレジットカードも事業用の決済にしか使用しないカードを持っておいたほうが良いです。

ただしクレジットカードについては少し注意が必要で、口座名義人とカード名義人が同一でなある必要があります。つまり個人名義のクレジットカードを先ほどの屋号付き銀行口座の引き落とし先に指定できないということですね。ですので、どうしても口座もカードも事業専用にしたい場合は、事業用口座に紐付けたカードを新たに作る必要があります。今は個人事業主用のビジネスカードも色々なところから発行されており、比較的審査も通りやすいようですので申し込んでみましょう。

私の場合はビジネスカードは申し込まずに複数持っている個人名義のカードの一枚を事業専用にしましたが、それでもじゅうぶんなメリットを感じています。引き落とし自体は個人口座からになりますので、月に一回それを記帳するという手間が発生しますがカード明細はひとつだけ管理すればすみますのでまだ楽です。業績がある程度安定してくればビジネスカードの申し込みをしようと思っています。


経理ソフトの導入

税務署への開業届提出の部分でも触れましたが、フリーランスにとって確定申告は義務です。ですが、本来の業務以上に経理に時間を取られていては何のために独立したのかわからなくなってしまします。そこで必要なのが経理ソフトの導入です。

クラウド会計ソフトを使用

経理ソフトといっても色々あると思いますが、私が導入したのはクラウド会計ソフトです。会計ソフトのクラウド化といってもあまりピンと来ないかもしれませんが、クラウド化することによって使用端末や場所を選ばず使え、銀行口座やカード明細と連携させることができ、見積書作成や請求書発行時の会計登録から入金の消し込みまでほぼ自動でできるようになります。

経理の知識がなくても使える会計ソフト「freee」

クラウド会計ソフトと言えば「MFクラウド」と「freee」が有名だと思いますが、私が選択したのは「freee」でした。開業届を「開業freee」で作成した流れで無料トライアル期間もあったので最初はお試しで使ってみたのですが、ややこしいと思っていた青色申告に必要な複式簿記というのを一切意識することなく感覚的に内容を埋めていくだけで仕訳帳ができていました。ヘルプセンターの内容も充実していますので、会計登録で迷った際にもほとんどのことは調べれば解決できます。簿記の知識がほとんどなくても使えてしますfreeeは本当に素晴らしいです。

freeeを使った確定申告のレビューはこちらをどうぞ。非常に簡単に申告書類が作れるためおすすめです。

クラウド会計ソフトfreee(フリー)を利用したフリーランス(個人事業主)の確定申告。書類作成が超簡単であっという間に完了
そろそろ確定申告の時期ですね。私はフリーランス(個人事業主)なのでもちろん確定申告が必要なのですが、最近は副業がOKな会社も増えてき...

ただ逆に考えると簿記の知識がある人はfreeeは使いにくく感じるかもしれません。実際に経理経験者は今までの慣れもありMFクラウドの方が使いやすいという意見もありましたので、自身の経験や知識に応じて使いやすさは変わると思います。どちらも無料のトライアル期間が用意されていますので、一度利用してみて使いやすい方を選択するのが良いと思います。


固定資産の計上をお忘れなく

会計ソフトを導入したら固定資産の計上を忘れずにやっておきましょう。独立したばかりであればプライベート用に使用していた車やパソコンを事業用に転用することも多いと思います。特にそのまま事業用で使用することに問題はありませんが、固定資産として計上しておけば事業用の経費として扱うことができますので、多少の節税になります。通常、固定資産は使用年数に応じて何年かに渡って減価償却することになりますが、青色申告者である個人事業主(フリーランス)や中小企業の場合は「少額減価償却資産の特例」制度を使うことで、1つにつき30万円まで(通常は10万円)、年間300万円まで一括償却も可能です。使用年数にもよりますが資産価値がまだ残っている固定資産の場合は減価償却の対象となり、これもfreeeであれば登録と同時に自動会計処理(一括償却の場合でも)を行ってくれますのでぜひ活用しましょう。

まとめ

今回は独立を考えている方に向けての経理・事務作業について書きました。本業になるべく集中するために事務的なことや経理はなるべく早く手軽で簡単にすることが大事です。

そして前編と後編に分けてフリーランスをはじめる人に向けてのお役立ち情報をまとめたつもりですが、ここで書いた内容はあくまでもスタートであり、ここからフリーランスとしての本当の仕事が始まります。私も含めてですが、事業をしっかり安定化させることが最も大事なことだと思いますので、これからもチャレンジ精神を持って頑張っていきたいと思います。

前編:営業準備編はこちら

会社を辞め独立してフリーランス(個人事業主)になる方法と、やって役立ったことまとめ 営業準備編
会社を辞めて独立してから今月で3ヶ月目になりました。当初はこんな自分が会社という組織に頼らずに独力で仕事をしていけるのか非常に不安で...