人物写真加工の定番といえば肌や髪を綺麗にすることですよね。でもただぼかすだけだと不自然になりますし、かといって修復ブラシやコピーツールで手作業で修正していくのは時間も手間もかかります。
そこで今回は簡単でかつ不自然にならない修正方法を紹介していきたいと思います。
ちなみに使用するソフトはPhotoshopですが特にPhotoshop独自の機能を使っているわけではないので、GIMPのようなフィルタ機能が入っている他の画像編集ツールでも代用可能です。
レタッチ手順
まず今回のサンプルですが、こちらの画像を使います。
この方法はパラメータを調整してやれば肌にも髪にも適応できるのですが、今回肌だと効果がわかりにくそうなので髪の毛メインで調整していきたいと思います。
1.修正するためのレイヤーを用意
レイヤーを複製
この方法は画像を直接触らずに合成を使って修正しますので、まずはそのためのレイヤーを複製して用意します。
コピーしたレイヤーの階調を反転
階調を反転させます。
Photoshopであればイメージ>色調補正>階調の反転を選択するか、ショートカットでCommand+I(Win:Ctrl+I)を使います。
レイヤーのスマートオブジェクト化
こちらもPhotoshop限定の話になりますが、後からパラメータ調整をしやすいように、レイヤーをスマートオブジェクト化しておきます。
2.フィルタ処理
ハイパスをかける
レイヤーに対してハイパスフィルタをかけます。ハイパスはフィルタ>その他の中にあります。値は後で調整できますので適当でも大丈夫ですが、髪の毛の階調がある程度見えるくらいが理想です。画像サイズによって上下しますが、今回のサンプルでは15〜20くらいですね。
ぼかし(ガウス)フィルタをかける
次にぼかしフィルタをかけます。フィルタ>ぼかしの中ですね。ここでかける値ですがハイパスをかけた値の1/3前後としてください。これは肌か髪かによって多少変わるのですが、この1/3というのが今回のポイントになります。
サンプルではハイパス18のぼかし6で設定してあります。
3.合成と調整をおこなう
合成方法と不透明度の変更
フィルタ適用済みのレイヤーの合成方法を「通常」から「リニアライト」に変更します。
この段階では画像がブレたように感じることもあると思いますので画像を見ながら不透明度を50%から70%程度に落とします。
処理が強すぎると感じた方は「オーバーレイ」合成にするともっと自然になります。
ハイパスとぼかし(ガウス)の調整
スマートオブジェクト化している人はここでハイパスとぼかしそれぞれの調整ができますので、画像を見ながら調整をおこなっていきます。
(もしPhotoshop以外のソフトを使っていてスマートオブジェクト化できない場合は再度ハイパスやぼかしをかけてやることで調整できます)
この調整の際に注意しておきたいのがフィルタ名のままの処理が結果画像にかかるわけではないということです。これは最初の階調反転とリニアライト合成によるものですが、ぼかしというフィルタ名にも関わらず結果画像に与える影響はぼかしではありません。ですのであまりフィルタ名は気にせずに結果画像だけを見て判断するようにしてください。
4.修正箇所の調整をおこなう
レイヤーマスクをかける
パラメータの調整が終わったらレイヤーに対してレイヤーマスクをかけます。初期状態ではまだ全体に処理がかかったままだと思いますのでこのマスクも階調を反転(Command+I)して何も処理が乗らないようにします
修正部分を選択する
レイヤーマスクが選択された状態でブラシツールを使って修正したい箇所をなぞっていきます。この際ブラシの色は白にしておいてください。半径と硬さを調整して髪の毛や肌をなぞっていきます。
※この修正箇所の選択の部分は調整がしやすいようにレイヤーマスクでおこなっていますが、選択範囲やその他の方法を使っても特に問題ありませんので慣れた方法でやるのが一番かと思います。
5.完成
所用時間約5分で完成しました。
Before
After
まとめ
今回はレイヤーマスクを使って肌部分にも一部修正を適用させていますが、別のパラメータで処理した方がいい場合もありますので、その場合はレイヤーを再度コピーして不透明度、ハイパス、ぼかしの値を調整して見てください。
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